自分史
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戦に忙しかったころ
『ヴァイキング~海の覇者たち~』
若いころは戦と仕事に追われ、物語を観る暇はほとんどなかった。本人いわく、一度だけ人間界の港町で荷揚げをして暮らし、親方に誘われて映画館で初代のゴジラを観た。いま北の海の王の物語を観ると、あのころの自分の好奇心を思い出す、と言う。
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網を張った日
『ダンジョン飯』
家臣の持ち帰った人間界の土産話に、このアニメの名があった。確かめずにはおれず、密輸のタブレットを一台取り寄せ、自分の魔力で城に回線を張った(と本人は言う)。観たその夜、大声で笑い、料理番を起こして鍋を作らせた。
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沼に沈んだころ
『魔王城でおやすみ』
タブレットは五台に増え、見放題は三つになった。何でも観るが、アイドルものだけは飛ばす。玉座の肘掛けの裏で音を消して観ているのを、じいやに三度取り上げられる毎日が始まった。
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灯りを通したころ
『SUITS/スーツ』
タブレットの充電のために、城の水車で電気を起こし、城下に電灯を引いた(と本人は言う)。夜の市が立ち、民に讃えられた。本人は「普請である」とだけ言い、その夜も法律事務所のドラマを「交渉術の研究」として観ていた。
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いま
自称・魔界大帝。起きているあいだは画面を三つ並べ、寝ると回線が切れる(らしい)。じいやと家臣たちに叱られながら、今夜も「もう一話」。



