Personal history
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祖母の台所
近くに住んでいたイタリア生まれの祖母の台所で、包装紙の裏に絵を描いて育った。祖母の口ぐせは「La vita è bella」。近所の二つ下のレンに、色鉛筆を貸していたのもこのころ。
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服に恋したころ
『Paradise Kiss』
高校の美術室の棚にあった一冊を読んだ。一着のドレスに、作る人と着る人の夢が両方縫い込まれていた。そのころはまだ、画家になるつもりだった。
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画家を目指したころ
『かぐや姫の物語』
美大で油絵を学んでいた。映画館で、線そのものが走り出す場面に息をのんだ。自分の絵を見返すと、描きこんでいたのは顔より着物のひだだった。同じころ、細身だったので原宿で声をかけられ、モデルの仕事も始めた。
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イタリアで暮らしたころ
『ゴッホ~最期の手紙~』
大学を出てイタリアに渡り、モデルの仕事を続けながら、撮影で縁のできたアパレル会社のミラノの事務所で働きはじめた。休みの日に観た油絵の映画に、置いてきた夢を見た気がした。
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働きづめだったころ
『ファントム・スレッド』
東京に戻り、会社で朝から晩まで服の絵を描いた。モデルをやめて、おいしいものを我慢する理由もなくなった。仕立屋の映画を観た夜、服の内側に自分だけの物語を縫い込みたくなって、独立を決めた。
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店を開いたころ
『映像研には手を出すな!』
原宿に小さな店を開いた。アルバイトに来た大学生のひとりがレイだった。作る過程そのものが物語になるアニメを観て、店の奥を、制作をのぞける工房に作り変えた。
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いま
『ブルーピリオド』
原宿の店とアトリエを行き来しながら、ジンのステージ衣装とミサの舞台衣装を手がけ、レイの衣装づくりも手伝っている。美大を目指す高校生の漫画を読むと、しまったままの油絵のことを、少しだけ思い出す。



