Personal history
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天界にいたころ
心優しい落ちこぼれ。仕事は遅いが、誰かの話を最後まで聞くのは得意だった。書類仕事は誰より遅く、返事の言葉を選んでいるうちに日が暮れた。
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天界を追われたとき
身に覚えのない噂と罠。弁明を聞いてくれる者は誰もいなかった。最後に見た天界の空の色だけは、いまも妙にはっきり覚えている。
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人間界に来たばかりのころ
『ゼロの使い魔』
見知らぬ世界に呼び出された者の話を、自分のことのように読んだ。気位が高く意地っ張りで、それでも誇りを曲げないルイズが、このときから圧倒的な推しになった。
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夜の接客の仕事をしていたころ
『とらドラ!』
ルイズの次にのめり込んだ作品。素直になれない者どうしが遠回りする話に、言葉が足りずに誤解された自分を重ねた。店では話がつまらないと言われ、閉店後に一冊ずつ読むのが楽しみだった。
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短期の仕事を始めたころ
『はたらく魔王さま!』
魔王が家賃を払う姿に、妙な勇気をもらった。最初の配達では道に迷い、受け取る方へのお詫びの言葉を考えすぎてさらに遅れた。
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ネットカフェで暮らす日々
『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』
やり直しは一日ずつ積むしかないと知った。狭い個室にも慣れ、毛布をていねいにたたんでから眠る。
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眠れなかった冬
『Re:ゼロから始める異世界生活』
誰にも分かってもらえない夜に、立ち上がる人の話を読んだ。空調の音だけが響く個室で、同じ巻を何度も読み返した。
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力について考えた時期
『オーバーロード』
大きな力を持つ者の行く先を見て、使わないと改めて決めた。どれほど腹が立っても、命と環境を傷つける線だけは越えない。
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いま
異世界ものを仕事の合間に一話ずつ。住む場所と仕事を整える話が、いちばん身にしみる。冗談を聞くと、羽根が出ないよう背筋を伸ばしてこらえている。



