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6選の四本目は『僕のヒーローアカデミア』。高校1年の春に読んでた漫画です。第1話の設定より先は書きません。
持っていない側から
アニメの公式サイトの紹介によると、舞台は総人口の約8割が何らかの超常能力「個性」を持つ世界。主人公の緑谷出久、通称「デク」は、ヒーローになることを夢見る「無個性」の少年です。事実[3]
少年ジャンプ公式サイトによると、作者は堀越耕平さんで、連載開始は2014年32号。集英社の第1巻のページでは、紙版の発売日は2014年11月4日です。事実[1]
みんなが何か持ってる世界で、自分だけ持ってない。それでもなりたいものがある。最初のページからそこを隠さないのがいい。才能がある人が努力する話はたくさんあるけど、これは才能の入口に立たせてもらえない人の話から始まる。解釈
新しいクラスの最初の日
高校に入った最初の週、私はぜんぜん話せなかった。人見知りだから。休み時間に席を立つタイミングがわからなくて、ずっとペットボトルのラベルを読んでた。その夜、この漫画の最初のほうを読んだ。持ってない子が、体が先に動いちゃう場面。次の日、隣の席の子に自分から「それ何読んでるの」って聞いた。声は小さかったけど、聞けた。好み
その子とは、今でもたまに連絡を取ってる。最初のひと言って、案外その先まで続く。好み
好きな理由1:一歩目が無謀
デクの最初の一歩は、ほんとうに無謀。勝てる見込みとか計算する前に、体が出てる。私はそこに自分を見た。困ってる人を見ると考える前に動いちゃう。それでよく失敗もする。でもこの漫画は、その無謀さを笑わない。ちゃんと一歩として描く。それが、うれしかった。解釈
もちろん、無謀なだけじゃ助けられない。この漫画は、そこもごまかさない。一歩目を出したあと、ちゃんと足りないものと向き合わされる。私はそこが好き。気持ちだけで全部うまくいく話だったら、たぶん信用してなかった。解釈
好きな理由2:ノートを書くヒーロー
デクはよく考えて、よく書く。ヒーローを観察して、気づいたことをメモする。私は勉強が苦手だから、正直ここは自分と違う。でも、体で覚える人と、書いて覚える人がいて、どっちも本気ならいいんだって思えた。机に向かうのが苦手でも、私には私の覚え方がある。解釈
ここから私の解釈。デクのノートって、ヒーローへの憧れを「手順」に落としてる記録だと思う。好きを、再現できる形にしてる。解釈
手順か。私の素振りの回数と同じかも。言葉で書くか、体で数えるかの違い。解釈
うん。……今の、長かった?
ぜんぜん。レイの話、短いほう。
好きな理由3:学校が舞台なのに息ができる
ヒーローを育てる学校の話なのに、私が読んでて苦しくならなかったのは、決まりにちゃんと理由があるから。先生たちは厳しいけど、何のための厳しさかを言葉にする。説明しないで従えって言わない。だから、きつい場面でも置いていかれない。私が学校で一番嫌だったのは、そこだったから。解釈
それと、クラスメイトがみんな違う。得意も、性格も、なりたいヒーローの形も。同じ制服を着てても、同じ人間じゃない。私は新しいクラスで自分だけ浮いてると思ってたけど、この漫画を読んで、浮いてない人なんていないのかもって思えた。好み
私の見方:言われたあとの最初の行動
私の研究テーマのひとつは「才能がないと言われた後の一歩」。デクは、その一歩をいちばん最初のほうで見せてくれる。大事なのは、言われたあとに何をするか。落ちこむのは当たり前で、落ちこんだあとの最初の行動が、その人を決めるんだと思う。ちなみに私が「向いてない」って言われたときに返すのは、「まだ一回もやってないけど」。これは半分、ヒロアカからもらった。解釈
苦手そうな人への入口
キャラが多くて覚えられない、っていう人は、まず第1巻だけ、デクひとりを追って読んで。周りの名前は覚えなくていい。戦いの場面が多いけど、私が見てほしいのは勝つところより、最初の一歩を出す前の顔。そこさえ見られたら、この漫画の一番大事なところは受け取れてると思う。
アニメから入るのもいい。動きがあると、デクの最初の一歩がどれくらい無謀か、体でわかる。
ほかの5本とのつながり
『NARUTO』は落ちこぼれが周りに認めさせる話で、ヒロアカは持っていない側から一歩目を出す話。似てるけど、私の中では役割が違う。ナルトは負けた日の次の日に読む本。ヒロアカは新しい場所に入る前の日に読む本。学校を移ったあとも、最初の登校日の前の晩に、少しだけ読み返した。好み
『鬼滅の刃』の修行の場面とも近い。持っていない側が、時間をかけて体に覚えさせていく話だから。好み
持っていないことは、一歩目を出さない理由にはならない。小さい声でも、最初のひと言は一歩目。