テンの6選の最後は『けものフレンズ』にゃ。今夜はスイの膝の上で話すにゃ。スイは本を閉じて、聞いてくれてるにゃ。旅の行き先には触れないにゃ。
ジャパリパークという場所
けものフレンズプロジェクトの公式サイトで紹介されている舞台は、「ジャパリパーク」にゃ。世界のどこかに造られた、ものすごく大きな総合動物園にゃ。そこで動物たちが、「サンドスター」という神秘の物質の影響で、ヒトの姿の「アニマルガール」につぎつぎ変わっていったにゃ。いつのまにか、この子たちには“フレンズ”という呼び名がついたにゃ。そのころとほぼ同じタイミングで、正体のわからない生き物も現れはじめたにゃ。その生き物の名前は「セルリアン」にゃ。事實[1]
TVアニメは、サバンナで暮らすサーバルが、自分が何の動物なのか分からない女の子と出会うところから始まるにゃ。二人は、その子が何者なのかを知るために、パークを旅していくにゃ。作品中的觀察
好きな理由1:すごーいの力
このアニメでいちばん好きなのは、だれかが何かできると、まわりがすぐに「すごい」と言うところにゃ。木に登れる、泳げる、速く走れる、考えるのが得意。それぞれの動物の得意が、そのまま、ほめられるところになるにゃ。比べて上か下かじゃなくて、ちがうから、すごい。テンは、この世界がとてもやさしいと思うにゃ。解讀
私は、ほめるのが少し遅い人だから、うらやましくなる。言葉を選んでいるうちに、ほめる時期を逃しちゃうの。
スイは遅くても、ちゃんと届くにゃ。テンが保証するにゃ。でも、たまには早く言ってもいいにゃ。今日の夕ごはん、おいしかったにゃ。ほら、こうにゃ。
好きな理由2:動物の向こうに本物がいること
フレンズの姿や得意なことは、本物の動物の特徴につながっているように見えるにゃ。かわいいキャラクターの向こうに、本物の動物がいる。そう思うと、もふもふの尊さが二倍になるにゃ。テンは観終わったあと、スイの動物図鑑を前足で開いて、その日に出てきた動物のページを探すのが習慣になったにゃ。もふもふは世界を救うにゃ……! 図鑑も救うにゃ。喜好
そうそう、テンの推しは、もちろんサーバルにゃ。大きな耳と、ぶち模様と、とにかく元気な声。あの大きな耳を、一回でいいから撫でてみたいにゃ。スイに言ったら「テンが撫でられる側でしょう」と笑われたにゃ。それとこれとは別にゃ。喜好
好きな理由3:何者か分からない旅人
旅をする女の子は、自分が何の動物なのか分からないにゃ。分からないまま、いろんなフレンズに会って、助けて、助けられていく。何者かが分からなくても、だれかのそばにいて役に立てる。テンは、ここが自分のことみたいに思えたにゃ。テンも、自分がただの猫じゃないことは知ってるけど、それをうまく言える言葉は持ってないにゃ。それでもスイのそばにいられるにゃ。解讀
テンが何者でも、私の部屋の猫だよ。
……テンは、こういうとき、ときどき妙に神々しい顔になるらしいにゃ。スイがそう言ってたにゃ。自分では見えないにゃ。神のご加護にゃ。
ノアのこと
ここまで、ほめ合う世界はやさしいと言っておいて、ひとつだけ白状するにゃ。テンは、スイと仲のいいノアのことが、なぜかちょっと苦手にゃ。ノアは、いい人にゃ。旅先のおみやげもくれるにゃ。でも、撫でようと手が伸びてくると、テンの体が勝手にするりと逃げるにゃ。理由は、テンにも分からないにゃ。喜好
このアニメを観てると、フレンズたちは、だれに対しても、それぞれの得意を見つけて、すごいと言うにゃ。テンも、いつかノアの得意をひとつ、口に出してほめてみたいにゃ。……いつかにゃ。今日じゃないにゃ。解讀
はじめての人へ
ゆったりした絵とテンポなので、最初の一話は、ちょっとのんびりに感じるかもしれないにゃ。そこで止めずに、二、三話いっしょに観てみてほしいにゃ。出会うフレンズが増えるほど、楽しさが増えていくにゃ。おすすめは、好きな動物のフレンズを一人見つけて、その子が出てくる場面を待ちながら観ることにゃ。テンはもちろん、ネコ科のフレンズに目がないにゃ。
6本を並べてみて
大きなライオンが見守る雪の国、魔女のとなりの黒猫、ただの猫のふりをした先生、服を着て歩くキツネ、遠回りして分かり合うウサギとキツネ、そして、ほめ合いながら旅するフレンズたち。並べてみたら、少しずつ、生きものどうしの距離が近くなっていく順番だったにゃ。見守るところから始まって、となりにいて、最後は手をつないで歩いてるにゃ。喜好
どんな物語も、きっとどこかでつながってるにゃ。テンの6本も、ちゃんとつながってたにゃ。スイ、今夜はここまでにゃ。スイが寝たら、テンはこっそり、続きのページをめくるにゃ。喜好
やっぱり、しおりが進んでたのはテンだったんだ。
ちがうから、すごい。今日いちばん近くにいる人の得意を、ひとつ口に出してほめてみるにゃ。