テンの6選の五本目は『ズートピア』にゃ。今日はクロが、いつものように高級なおやつを持ってきたにゃ。クロは、テンの前でだけ、ちゃんと口でしゃべるにゃ。事件の真相には触れないにゃ。
テンさん、本日の分です。お口に合えば幸いです。それと、『ズートピア』のお話、ぜひ伺いたいです。俺も好きな映画なので。
くるしゅうないにゃ。クロは今日も、ちゃんと寝てないにゃ? 話を聞いたら、寝るにゃ。
ウサギとキツネ
ディズニー公式の紹介によると、ウサギのジュディは田舎町の故郷を出て、ずっと憧れていたズートピアにやってくるにゃ。ジュディの夢は、立派な警察官として世界をもっとよくすること。現実の壁にぶつかっても夢は手放さず、とうとう“ウサギ初!”の警察官になるにゃ。事件の手がかりを持っているのは、詐欺師のキツネのニック。頼れる相手はもうこのニックだけにゃ。相棒としてはこれ以上ないほど不釣り合いな二人が、おたがいをだましたりだまされたりしながら聞き込みを続けていくにゃ。事實[1]
監督はバイロン・ハワードさんとリッチ・ムーアさん。日本での劇場公開日は2016年3月4日にゃ。事實[1]
好きな理由1:もふもふの解像度
まず、毛にゃ。毛並みの描き方にうるさいテンが、最初の数分で黙ったにゃ。ウサギの毛のふわっとした軽さ、キツネの毛のつやと流れ、大きい動物のごわっとした手ざわり。動物ごとに、毛がちがうにゃ。喜好
公式のキャラクター紹介でも、ジュディの特長は「もふもふのボディ」と、感情を豊かに表せる大きな耳だと書かれてるにゃ。公式が、もふもふと言ってるにゃ。事實[1]
もふもふは世界を救うにゃ……! あの街に入れたら、テンはたぶん一日目で、だれかのしっぽに抱きついて、顔をうずめて、警察官に「そこの猫、離れて」と注意されるにゃ。喜好
その場合は、俺が全力で事情を説明します。悪気がないことの記録もそろえます。ただ、ほどほどにお願いします。
それに、ジュディの耳がいいにゃ。うれしいときはぴんと立って、落ちこむとぺたんと寝る。テンの耳も、同じことをしてるにゃ。テンは観ながら、何回も自分の耳をさわって確かめたにゃ。喜好
好きな理由2:大きさのちがう街
ズートピアは、大きい動物も小さい動物も同じ街に暮らしてるにゃ。だから、ドアの大きさ、乗り物の大きさ、道の幅がばらばらにゃ。小さな体で大きな街を歩くときの、見上げる感じ。テンは猫なので、あの感じがよく分かるにゃ。人の町では、テンもいつも見上げてるにゃ。解讀
好きな理由3:決めつけと遠回り
公式サイトには監督からのメッセージが載っていて、ズートピアに住むみんなは私たち人間と同じようなものだ、という言葉があるにゃ。見た目、出身地、学歴、年齢、性別。そういう“違い”から、いろんな偏見が生まれる。その中でみんな生きている、と続くにゃ。事實[1]
ウサギだから、とか、キツネだから、とか。二人とも、そういう決めつけをされてきたし、ときどき自分でもしてしまうにゃ。だから、すぐには分かり合えないにゃ。ぶつかって、すれちがって、遠回りする。その遠回りが、たまらないにゃ。テンの研究テーマは、物語の中の動物はなぜ人の言葉を話すのか、にゃ。この映画を観ると、動物の姿だからこそ、人の世界の決めつけが、少し離れたところから見えるのかもしれない、と思うにゃ。解讀
俺は、顔の見えない相手をどこまで信じられるか、をずっと考えています。ニックは、最初は信用できない相手として出てきます。それでも、何をしたかが少しずつ積み重なっていく。信頼は、見た目や肩書きより、行動の積み重ねで生まれるのだと思います。この映画は、その過程をていねいに描いていると、俺は受け取りました。解讀
クロ、テンの前だとほんとうによくしゃべるにゃ。でも、いいこと言ったにゃ。テンが覚えておくにゃ。
はじめての人へ
最初は、街の景色を楽しむだけでいいにゃ。動物ごとに暮らしやすく作られた地区があって、見ているだけで旅行気分になるにゃ。二回目は、ジュディとニックの耳としっぽに注目してほしいにゃ。言葉ではつっぱってても、耳が先に本音を言ってる場面があるにゃ。テンのおすすめは、ナマケモノの場面で、いっしょに観てる人の顔を見ることにゃ。だいたい、みんな同じ顔になるにゃ。
ほかの5本とのつながり
『ロビン・フッド』で、テンはキツネに弱くなったにゃ。この映画でも、キツネが大事な役にゃ。でも、こちらのキツネは、最初はみんなに信用されてないにゃ。同じキツネでも、物語がちがうと、背負ってるものがちがうにゃ。最後の『けものフレンズ』では、ちがう生きものどうしが、最初から素直にほめ合う世界が待ってるにゃ。遠回りの話のあとに、まっすぐな話。テンは、この順番が好きにゃ。喜好
ありがとうございました。……では、俺は少しだけ寝ます。テンさんに言われたので。
分かり合うのに遠回りしても、いいにゃ。遠回りした分だけ、相手の毛並みがよく見えるにゃ。