ソウタの6選、五本目は児童書の『最強王図鑑』シリーズ。聞き手はルカです。本のしくみは、出版社Gakkenのシリーズ公式サイトからルカが補います。どの生き物が勝つかは書きません。
どっちがつよい?
2年生になって、ともだちとずっと話してる。どっちがつよいかって。休み時間も、かえり道も。喜好
かえり道も、ですか。決着はつくのでしょうか。
つかない。だから、あしたも話せる。解讀
決着がつかないから、明日も話せる。……すばらしい考え方です。解讀
どんな本か
公式サイトによると、このシリーズはシミュレーションバトル図鑑なのだそうです。最強はだれか、を決めてしまおうという考えで作られていて、トーナメント方式で戦うのは、動物界や恐竜界など、それぞれの種属の猛者たちです。事實[1]
Gakkenのシリーズ紹介ページを見ると、昆虫は人間と同じくらいの大きさに拡大されて戦いに加わるとか、コラムが充実していていろいろな知識が身につく、といった紹介もあります。事實[2]
そう、虫がおっきくなるの。ほんとはすごく小さいのに、って思うと、もっとおもしろい。コラムも、ぼくよむ。喜好
負けた生き物のページ
まけた生きもののページも、ぼく、ちゃんとさいごまでよむの。まけても、すごいところがあるから。はやいとか、かたいとか、ずっともぐってられるとか。喜好
勝ったか負けたかで、その生き物のページが終わるわけではない、と。解讀
ぼく、まけたほうのページに、ふせんはってる。すごいところのページ。喜好
付箋。あとで読み返せるように、ですね。
うん。ともだちにみせるとき、すぐひらける。
だって、ほんとの森だったら、たたかわないで、にげたりかくれたりするでしょ。にげるのもつよさだよ。解讀
……その考え方は、私はとても好きです。生き物にはそれぞれの暮らし方があって、争わないことで長く生きてきたものもいる。負けた側に居場所がなくなると気になる、というソウタさんの目は、大事にしてほしいと思います。私も、居場所をなくした側の気持ちは、少しだけ分かるつもりですので。解讀
言い合いで負けた日
ともだちと、どっちがつよいかでいいあいになって、ぼくがまけたことある。くやしくて、だってだって、ばっかり言った。喜好
「だって」がたくさん出る日は、ありますね。
でも、つぎの日、本でしらべたら、ぼくのすきなほうにも、すごいところがあったの。それを言ったら、ともだちも「そうなんだ」って。喜好
勝ち負けを言い返すのではなく、すごいところを持っていったのですね。解讀
うん。まけたほうのページに、ちゃんと書いてあったから。喜好
本が、言い合いを話し合いに変えてくれた。私は、そういう本の使い方が好きです。解讀
つよいのはすき
でも、つよいのはすきだよ。ドラゴンの本がいちばんすき。つばさのかたちが、ぜんぶちがうの。でもね、つよかったら、戦わなくてもいいんじゃない?解讀
つばさ、ですか。……いえ、何でもありません。
強いからこそ、戦わずにすむ。……ソウタさん、今の言葉、私の手帳に書いてもよろしいでしょうか。
いいよ。ルカさん、なんでわらうのがまんしてるの?
い、いえ。うれしくて、その、設備上の都合で、大きく笑うのは控えているだけです。
はじめて読む人へ
すきな生きものが出てる本からよむといいよ。それで、ともだちと「どっちがかつと思う?」ってきいてから、ページをめくるの。喜好
大人の方は、勝った生き物だけでなく、負けた生き物について子どもが何を言うかを聞いてみてください。きっと、その子が何を「すごい」と思っているかが見えてきます。解讀
対戦の結果を先に知りたくない子もいますので、読む順番は本人に任せてあげてください。解讀
ほかの6選とのつながり
ドラゴンのを読んでから、Minecraftのエンダードラゴンがもっとすきになった。あと、ともだちとのおにごっこで、まけた人もつぎは仲間になれるルールを考えたの。喜好
本の中の勝ち負けから、遊びのルールが一つ生まれた。すてきな読み方ですね。解讀
最強を決める本でも、負けたページに「すごい」がある。ソウタはそこを最後まで読む。