這篇文章尚未翻譯成此語言。目前顯示日文原文。

日常

いちょう並木と『Pokémon GO』のたまご

劇透範圍 無劇透 スマートフォンのゲーム『Pokémon GO』の遊び方の入口(歩いてポケモンを探す・たまごは歩くとかえる・相棒を選んで一緒に歩ける)まで

日曜の昼、丘の上の公園。叔父のルカーノと来ていたソウタが見つけたのは、ドラゴンのドローンを連れてスマホでポケモンを探す大きな大人だった。三人で噴水のまわりを歩いて、たまごを一つかえすまでのこと。

適合這樣的人
休日の公園で、知らない大人のスマホ画面を子どもと一緒にのぞいたことがある人へ。次に会う日を、物ではなく約束で決めたい人にも。
發言的人
Tamotsu × Souta × Lucano
回家路上 丘の上の公園のいちょう並木と噴水の広場 十月の日曜、昼

十月の日曜、昼。丘の上の公園のいちょう並木は、まだ半分くらい緑で、ところどころの枝先だけが黄色くなりはじめていた。ルカーノはソウタの手を引いて、並木の坂をゆっくり上っていた。今日は朝から、ソウタの母に預けられている。

噴水の前のベンチの横に、大きな男が一人立っていた。金と黒の上着に、黒いサングラス。片手のスマートフォンの画面を見つめたまま、ときどき一歩だけ横に動く。その頭の上を、小さな銀色のドラゴンがくるりと回っていた。

Souta

おじさん。あれ、ドラゴン。

ソウタはルカーノの上着の裾をつかんだまま、その場から動かなかった。目だけが、ドラゴンを追いかけている。ルカーノはサングラスを少し下げて、上の縁から男の上着を見た。

Lucano

金の縁取りが、肩の線でちゃんと止まってる。……職業病だね。ソウタくん、近くで見てみたい?

Souta

……おじさんも、いっしょなら。

二人が近づくと、男はスマホから顔を上げた。ソウタがルカーノの脚のうしろに半分かくれたのを見て、男はその場にしゃがみこんだ。目の高さが、ソウタとちょうど同じになった。

Tamotsu

こんにちは。驚かせたら悪いな。オレはタモツ。上を飛んでるのは、相棒のギアドラだぜ。

Lucano

こんにちは。僕はルカーノ。この子は甥っ子のソウタくんです。ドラゴンが大好きでね。

ギアドラが高度を下げて、ソウタの顔の少し上で止まった。「はじめまして。ボクはドローンです。火は出ません。ごあんしんください」。ソウタは目をまるくして、ルカーノの脚のうしろから一歩だけ出てきた。

Souta

ねえ、ひ、ださないの?

Tamotsu

出さないんだ。そのかわり、オレがはしゃぎすぎると止めてくれる。けっこう口うるさいドラゴンなんだぜ。

Souta

マイクラのエンダードラゴンより、ずっとちいさい。

Tamotsu

あっちと比べられたら、だれでも小さいぜ。でも、こいつは肩に乗れる。そこは勝ってる。

Souta

なにしてたの。ずっとスマホみてた。

Tamotsu

ポケモンを探してたんだ。見るか?

タモツはしゃがんだまま、画面をソウタのほうへ向けた。ルカーノもひざを折って、二人のうしろからのぞきこむ。噴水の前で、大きな大人が二人、子どもと同じ高さに並んでいた。

Tamotsu

これはな、スマホが自分のいる場所を分かってて、ほんとうに歩いた場所でポケモンを探すゲームなんだ。ほら、この地図、いまオレたちがいる公園だぜ。[1]

Souta

ふんすい、ある。ここに、ぼくたちいるの?

Tamotsu

いる。この真ん中のがオレだ。ソウタが一歩うごいても、この地図は動かないけどな。オレのスマホだから。

Souta

ふうん。じゃあ、タモツさんがあるかないと、だめなんだ。

Tamotsu

そういうこと。それでいま、たまごを一個持っててさ。

Souta

たまご?

Tamotsu

決まった距離を歩くと、たまごからポケモンが生まれるんだ。あとちょっと歩けばかえりそうなんだけど、ひとりで噴水を回ってたら、さすがに目が回ってきてな。[1]

Souta

それだったら、みんなであるく。ぼくが、まわる数かぞえる。

Lucano

いい案だね。タモツさん、ご一緒してもいいですか。

Tamotsu

願ってもないぜ! 三人と一匹でかえそう。

三人は噴水のまわりを歩きはじめた。先頭はソウタで、指を一本ずつ折りながら数えている。タモツはその横を、画面をソウタの目の高さに下げたまま歩く。ルカーノは少しうしろから、二人の背中と足もとを見ていた。

噴水のしぶきが風で流れて、ときどき三人の頬に届いた。ソウタはそのたびに目をつぶり、それでも数える声だけは止めなかった。ギアドラは少し高いところを、三人の歩く速さに合わせてついてきた。

Souta

ねえ、つかまえたポケモンって、さみしくないの。ずっとスマホのなかでしょ。

タモツは一瞬、足を止めかけた。それから、ソウタの横顔を見て、ゆっくり歩きなおした。

Tamotsu

いい質問だぜ。このゲームはな、持ってるポケモンの中から一匹を相棒に選んで、一緒に歩けるんだ。[1]

Souta

いっぴきだけ?

Tamotsu

いっぺんにはな。オレはときどき相棒を交代してる。ずっと待ってるだけのやつがいないように。

Souta

じゃあ、ひとつだけルール。こうたいは、いちばんながく、まってた子から。

Lucano

いいね。待ってた子から、か。いちばん待たせた服から直す、って僕の仕事場の決まりと同じだ。

Tamotsu

決めた。今日から、そのルールでいくぜ。ソウタのルールだ。

ソウタが三周目を数えはじめたころ、ルカーノがタモツの半歩うしろに並んだ。

Lucano

さっきから気になってたんですが、その上着、肩の縫い目がいい仕事ですね。どこで仕立てたんです?

Tamotsu

旅先の町の、小さな仕立て屋だぜ。言葉はほとんど通じなかったけど、カードを一枚見せたら、この金の色を出してくれた。

Lucano

言葉より先に色見本が通じたんだ。……それは、いちばんいい注文の仕方かもしれない。

Souta

おじさんたち、ふたりとも、めがね、くろい。

ルカーノとタモツは顔を見合わせて、同時にサングラスの縁を指で押さえた。どちらも外さなかった。ソウタは「へんなの」と言って、また指を折りはじめた。

Tamotsu

それとな、あの噴水みたいに町の目印になってる場所には、道具をもらえる場所が置かれてることが多いんだ。旅先の知らない町でも、目印の前に行けば、たいてい何かある。[1]

Souta

しらないまちでも、やってるの?

Tamotsu

やってるぜ。知らない町の噴水の前でも、たまごをかえしに来てる子に会うことがある。今日のソウタみたいにな。

四周目に入ったところで、画面の中のたまごが揺れはじめた。ソウタは数えていた指を全部ひらいて、画面に顔を近づけた。

Souta

うごいた! うごいてる!

Tamotsu

来るぞ……! ソウタ、いっしょに見るぜ。

たまごが割れて、小さなポケモンが一匹、画面の真ん中に出てきた。ソウタは声を出さずに、両手をぎゅっと胸の前で握った。ルカーノはうしろで、その手の形を目に焼きつけるように見ていた。

Souta

うまれた。……ぼくたちがあるいたから?

Tamotsu

そうだぜ。三人と一匹で四周したからだ。こいつ、今日の相棒にする。いちばん新しいけど、ソウタと一緒にかえしたからな。

Souta

おじさん、いまのたまご、かいて。もようも。

Lucano

了解。殻の模様は、あとで手帳に描こう。いまは、ソウタくんの目でよく見ておいてね。

タモツは立ち上がりかけて、肩にかけたカバンに手を入れた。中には、旅先で配るための小さな物がいくつか入っている。けれど、カバンの口に手をかけたまま、少し考えて、その手を出した。

Tamotsu

何かあげたいとこだけど、物はやめとく。かわりに、また会う日を決めないか。

Lucano

……いい選択だと思います。物は、持って帰るとそこで止まるけど、約束は次まで続くから。

Souta

いつ?

Tamotsu

オレはまた旅に出るから、ソウタが決めてくれ。

ソウタはいちょう並木を見上げた。緑の葉のあいだに、黄色い葉がまだらに混じっている。

Souta

はっぱが、ぜんぶきいろになった日。

Lucano

Ecco。それなら、来月のはじめの日曜くらいかな。お母さんにも聞いて、僕がまた連れてくるよ。

Tamotsu

決まりだぜ。ギアドラ、記録しといてくれ。

ギアドラが噴水の上で一回転した。「記録しました。いちょうが全部黄色の日。お昼。この噴水の前。タモツが遅れないよう、前の晩に一度お知らせします」。

Souta

ねえ、そのときも、ドラゴンつれてきて。あと、さっきうまれた子も。

Tamotsu

約束だ。そいつ、来月までに少しは大きくしとくぜ。

Tamotsu

ルカーノさん、今日は助かったぜ。オレ、子どもと遊ぶと本気になりすぎるから、横にいてもらえると安心なんだ。

Lucano

本気の大人が一人いると、子どもは遊びを信じられるんです。僕のほうこそ、いい日曜をもらいました。

帰りの坂を下りながら、ソウタは何度もふり返った。タモツは噴水の前でしゃがんだまま、ソウタが角を曲がるまで手を振っていた。ルカーノは歩きながら手帳を出し、いちょうの枝と、三人で回った噴水の形を、一本の線でさっと描きとめた。

Souta

おじさん。きいろになるの、まえより、まちどおしい。

Lucano

うん。待つ日があると、木を見るのも楽しくなるね。来週も、ここの坂を上って、どのくらい黄色くなったか見に来ようか。

本文中的作品

Pokémon GO
遊戲 2016 · 手機應用程式(iOS·Android)
講述者 Tamotsu 從未放手所愛的、長大的「被選召的孩子」 閱讀更多 Tamotsu 的文章 →

接著讀

全部文章

回到頁首