ふだんはほとんど口をきかない、ギターのジンとベースのレン。でも、この作者の話になると少しだけ会話が続きます。バンド漫画の作者は、不良ものの漫画から連載を始めていました。
バンド漫画の前に
ジン。『BECK』の作者の、ほかの作品は読んだ?
……『ゴリラーマン』なら。
それが連載デビュー作だって、知ってた?
知らなかった。
講談社の『BECK 新装版』1巻のページの著者紹介によると、ハロルド作石さんは1987年に『そうはいかん』で第17回ちばてつや賞の最優秀新人賞をとりました。連載デビューは88年の「ヤングマガジン」で、作品は『ゴリラーマン』。そのあと『バカイチ』『ストッパー毒島』を連載し、99年から「月刊少年マガジン」で『BECK』を描きはじめた、とあります。事実[1]
時系列で並べると、88年の連載デビューから99年の『BECK』まで、およそ11年。そのあいだに『ゴリラーマン』を含めて連載が三つ。根拠のある推測
下積みが長い。……そういう話は、嫌いじゃない。好み
強さを誰も知らない転校生
講談社の『ゴリラーマン』1巻の紹介によると、池戸定治は白武高校へワケあって転校してきた生徒です。ただならぬ見た目から「ゴリラーマン」と呼ばれるようになりますが、校内には彼の正体も強さも知る者がいない、とされています。事実[2]
強いのに、誰も知らない。それがいい。強さを見せびらかさないやつの話だ。解釈
ここからは僕の読み方。校内の誰も知らない正体と強さを、読者は気にしながら読み進める。そういう待たせ方の作りなんじゃないかな。解釈
……お前はいつもそういう言い方をする。
ジンはいつも「それがいい」で終わる。
それでいい。説明すると、ゴリラーマンの強さが減る気がする。好み
……それは少し分かる。種明かしをしない強さ、だね。僕は説明しすぎるって、よく言われる。好み
知ってる。リハでもそうだ。……でも、お前のベースは説明しなくても分かる。
40歳のゴリラーマン
著者紹介には、2022年に『ゴリラーマン』の続編にあたる『ゴリラーマン40』を連載した、ともあります。事実[1]
『ゴリラーマン40』1巻の紹介では、池戸定治は高校時代、見た目のせいで「ゴリラーマン」と呼ばれた男です。40歳になったいまも、あの不思議な強さは衰えておらず、サラリーマンとして忙しい毎日を過ごしている、とされています。紙版の1巻は2022年4月6日に発売されました。事実[3]
40歳。……俺と近い。
ジンは見た目が若いから、時々忘れる。
忘れてろ。
そしてまたバンドの話へ
同じ著者紹介の最後には、2024年から「月刊少年マガジン」で『THE BAND』の連載を始めた、と書かれています。事実[1]
不良ものから始まって、バンド漫画に来て、続編を描いて、またバンドの題名。作中の観察
拳の話と、音の話。俺の好きなものが、一人の作者の中に両方ある。……これは、たぶん偶然じゃない。強さを見せびらかさないやつと、音で人をつかむやつは、どっちも黙って腕を磨いてる。解釈
その読み方は、僕も賛成。解釈
……リハ、行くぞ。
『BECK』のハロルド作石さんの連載デビューは、1988年の「ヤングマガジン」の『ゴリラーマン』。2022年には40歳になった続編『ゴリラーマン40』も描いている。