アニメが終わっても、手の中に残るものがある。タカシが少しだけ目を輝かせて持ってきたのは、プラモデルの年表でした。
プラモデルって、なんですか? 小さなゴーレムですか?
動きはしませんが、部品を自分で組み立てて作る模型です。……今日は少し、私の好きな話をさせてください。好み
1977年 映画館の行列
『宇宙戦艦ヤマト』は1974年にテレビ放送が始まった作品です。公式サイトの解説によると、1977年8月に『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』が公開されたとき、映画館を取りまく若者たちの行列が「アニメブーム到来」とマスコミに大きく報道され、その熱気はファン層を広げ、アニメ専門雑誌創刊の呼び水にもなりました。事実[1]
子どもだけじゃなくて、若者が並んだんだ。見る人の年齢が、ぐっと上に広がった感じ?根拠のある推測
公式の解説が書いているのは「若者たちの行列」と「ファン層を広げた」までです。どの年齢まで、とは書いていません。ただ、見る人が変われば、届ける商品も変わっていきます。解釈
BANDAI SPIRITSのヒストリーには、1977年11月に「宇宙戦艦ヤマト」プラモデル発売、1980年7月にガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」発売と記されています。事実[2]
放送が終わってから
あれ、ガンプラの発売は1980年7月だよね。放送が終わって、半年くらいあとだ。根拠のある推測
そうなんです。放送中ではなく、放送が終わったあとに生まれている。バンダイホビーサイトでも、ガンプラは1980年に誕生した「1/144ガンダム」から始まったと紹介されています。事実[4]
それって、冒険が終わったあとに、吟遊詩人の歌で英雄の人気が出るようなものですか?
近いかもしれません。ただ、歌は聞くものですが、プラモデルは自分の手で組むものです。作品の時間が終わっても、組み立てる時間の中で、もう一度その世界に入れる。私はそこが大きいと思っています。解釈
敵の側の機体も
タカシさん、どの機体が好きなの?
……ランバ・ラルの乗る機体です。部下を連れて、敵の側で戦う指揮官でしてね。あの人の背中を手元に置けるなら、と思って、若いころに……いえ、今日はプラモデルの話でした。好み
いいじゃん、その熱。主人公の側じゃない人も、手元に置けるのがプラモデルなんだね。解釈
はい。敵の側にも暮らしと部下がいる。それを知った作品だからこそ、両方の側を並べて飾りたくなるのかもしれません。解釈
僕、説明書を見ながら一歩ずつ組み立てるの、けっこう好き。終わったら、自分で作ったって思えるし。好み
ハルさんらしいですね。……つい、何か道具を贈りたくなってしまいますが、今日はやめておきます。解釈
物語が終わっても、組み立てるたびに続きが始まるんですね。
ヤマトのプラモデルは劇場版と同じ1977年、ガンプラは放送終了から半年後の1980年7月。作品のあとに、組み立てる時間が始まった。