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Anime & manga trivia

『PERFECT BLUE』はビデオから映画になった

今敏さんの初監督作『PERFECT BLUE』は、ビデオ用のアニメとして作られ、完成の直前に映画として公開が決まりました。作り手をたどるのが癖のミナトが、子どものころ隣の家にいたハヤテに、原作との違いと一枚のアルバムの話をしました。

For people who
ネット発の謎や、どこまでが本当か分からない話が好きな人へ。国内ではR-15指定の映画なので、15歳以上の人に。
Spoiler range
No spoilers 物語の出発点(アイドルグループ「CHAM」の霧越未麻がグループを抜けて女優を目指し、やがてネット上に「未麻の部屋」というウェブサイトがあると知る)と、原作小説との関係・制作のいきさつ・監督と音楽家のつながりまで。事件の中身と真相、関わった人物、後半の展開と結末には触れません
Who's talking
Minato × Hayate
Types of claims: Fact Observation from the work Grounded inference Interpretation Preference
Contents 4 sections, ~4 min
  1. アイドルをやめて女優へ
  2. 原作とは大きく違う
  3. 監督は漫画家だった
  4. 一枚のアルバムから

日曜の夕方、駅前のハンバーガー屋。隣の県のカート場でレースを終えたハヤテが、帰りの電車の前に、子どものころ隣の家にいたミナトに連絡をくれました。トレーを挟んで向かい合うのは、何年ぶりか。ハヤテの質問は短いものでした。「最近、何を観ましたか」。

アイドルをやめて女優へ

Minato

『PERFECT BLUE』。切り抜きで監督の名前が流れてきて、その日の夜に観た。……R-15だけど、ハヤテはもう大丈夫か。

Hayate

はい、19です。……どんな話なんですか。

『PERFECT BLUE』(パーフェクトブルー)は、今敏さんが監督した日本のアニメ映画で、日本公開は1998年2月28日。上映時間は81分、アニメーション制作はマッドハウスです。国内の区分はR-15指定になっています。Fact[1]

主人公の霧越未麻は、アイドルグループ「CHAM」の一員でした。その未麻が、アイドルをやめて女優になる道を選びます。やがて未麻は、ネットに「未麻の部屋」というウェブサイトがあると知ります。もともと未麻は、パソコンにもインターネットにも詳しくない人でした。Fact[1]

Minato

話せるのは、ここまで。先は、観るなら言わない。

Hayate

ネットのページの話が、インターネットが家庭に広がりはじめたころの映画に出てくるんですね。Observation from the work

1998年公開

Minato

俺が生まれる前。だから逆に新しかった。いまのSNSじゃなくて、誰かが作った一個のページ。俺はネット怪談を集めるのが脇の趣味だから、こういう入口には弱い。当時のネットの手ざわりが残ってるのが、俺にはうれしい。Preference

原作とは大きく違う

映画の原案は、竹内義和さんが書いた小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』。ただ、中身はかなり別物です。竹内さんが出したのは、主人公はB級アイドルに、ジャンルはホラー映画に、といった条件です。それさえ守れば話は好きに変えていい、という許可があったことも、今さんが監督を引き受けた理由の一つでした。もう一つは、初めて監督できるという魅力に勝てなかったことです。Fact[1]

Hayate

条件がいくつかだけ。レースで言うと、車両の規定だけ決まっていて、走り方は自由、みたいなことですか。Interpretation

Minato

近い。決まりだけ守って、あとは作り直した。元ネタにたどると、原作とまるで別物っていうのはよくある。俺はそういう差分を見つけると、一晩そこにいる。Preference

これが今敏さんの初監督作品です。もとはビデオで出すアニメの企画でしたが、完成間近になって、急に映画としての公開が決まりました。日本での公開に先立ち、カナダ・モントリオールのファンタジア国際映画祭にも出品されています。Fact[1]

監督は漫画家だった

今敏さんは1963年生まれのアニメ監督で、漫画家でもあります。大学にいた1984年に『週刊ヤングマガジン』のちばてつや賞で優秀新人賞を取り、翌1985年に漫画家としてデビュー。それがきっかけで、大友克洋さんの下でアシスタントを務めるようになりました。1996年には漫画の仕事から退き、アニメづくり一本に絞っています。Fact[2]

Minato

漫画家から入って、誰かのアシスタントをして、自分の一本を撮る。この順番、前に読んだWeb漫画の作者と同じだった。作り手をたどると、だいたいどこかで誰かの横に座ってる。Interpretation

Hayate

カートでも、最初はメカニックの人の手元をずっと見ていました。……ミナトさん、昔から調べるのが速かったですよね。庭の花ごしに、知らないことを聞くと、すぐ答えが返ってきた。

Minato

覚えてない。……いや、覚えてる。

一枚のアルバムから

今さんは「現実と虚構」というコンセプトを、平沢進さんの『Sim City』から得たとしています。劇中の画面には、平沢さんやそのバンドP-MODELの名前、曲名が出てきます。二人が組んで仕事をするのは、次の『千年女優』からです。Fact[1]

Minato

これを知ったとき、手が止まった。好きな曲の作り手の初期作までさかのぼるのは、俺もいつもやってる。映画の監督が、同じことをアルバム一枚から始めてた。その夜は映画を観終わってから、アルバムを聴いて、寝るのが遅くなった。Preference

ステージの場面は、プロのダンサーが実際に踊ったビデオを参考に描かれました。踊りの振り付けも、振り付け師に頼んだものです。ただし、絵を映像になぞって描くロトスコープとは違う、とされています。Fact[1]

Hayate

本物の動きを見て、でもなぞらない。僕が走りの映像を見て、頭の中で一周するのと少し似ています。Interpretation

Minato

観るなら、倍速はなしで。俺も最初の一回は等速で通した。分かった所を飛ばす映画じゃないと思う。気になったら、ステージの場面で一回止めればいい。Preference

Hayate

はい。……帰りの電車で、そのアルバムから聴いてみます。

Minato

どこからでもいい。順番は、ハヤテが決めればいい。

『PERFECT BLUE』は今敏さんの初監督作。ビデオ用の企画から映画になり、「現実と虚構」というコンセプトは平沢進さんのアルバム『Sim City』から生まれた。

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