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二周目

『ぼっち・ざ・ろっく!』二周目は音のずれを聴く

人前に立つのが怖い女の子が、舞台の上でどう転んでどう立つか。二周目のカノンは、音が見えるイロハと並んで、左右に分かれたギターと、わざとずらした演奏と、最初と最後の題名を聴きなおします。

本文含有直到結局的劇透

範圍TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』第1期全12話の結末まで(畳んだ部分のみ。劇場総集編と第2期には触れません)

這是寫給看完作品、想在二周目看得更有趣的人的文章。中段展開與結局、真相的細節都折疊起來,點擊才會顯示。

適合這樣的人
第1期を最後まで観て、もう一度あのライブハウスに入りたくなった人へ。二周目は、目より先に耳で、ずれた音と左右のギターを聴いてみませんか。
劇透範圍
會提及結局 TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』第1期全12話の結末まで(畳んだ部分のみ。劇場総集編と第2期には触れません)
發言的人
Kanon × Iroha
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 7 節·約 7 分鐘
  1. ステージの怖さを知っている二人で
  2. 最初と最後の題名
  3. 右からひとり左から喜多ちゃん
  4. 第1話の虹夏ちゃん
  5. わざとずらした演奏
  6. 観客は敵じゃない
  7. 全部を手で描きなおす

この文章は、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』第1期を最後まで観た人のための、二周目の案内です。まだの人は、ここで閉じて第1話へ。物語の中身に深く触れるところは、ぜんぶ押さないと開かない箱に入れました。箱の外には、展開は書いていません。

ステージの怖さを知っている二人で

私はアイドル、ひとりちゃんはギタリスト。立つ舞台は違うけれど、小さなライブハウスの空気は同じです。客席が近くて、お客さんの顔が全部見える。一周目は、ひとりちゃんの人見知りに笑って、ライブで泣きました。二周目は、ダンス教室の仲間のイロハさんと、音を中心に観なおしました。喜好

はまじあきさんの漫画が原作です。第1期は2022年10月〜12月の放送で、監督が斎藤圭一郎さん、アニメーション制作がCloverWorksでした。事實[1]

Iroha

このアニメの演奏の場面、私には、ちょっと焦げたオレンジ色に聞こえるの。きれいに整った音じゃなくて、四人が少しずつ違う方向を向いてる音。二周目は、その違いの正体を探したい。喜好

最初と最後の題名

サブタイトルは、どれも曲の題名をもとにしてつけられていて、元になった曲はASIAN KUNG-FU GENERATIONのものです。例外は、作品名そのものがつけられた第8話だけ。第1話には「転がるぼっち」という題がついています。事實[2]

二周目は、第1話を観る前に、最終話の題名を思い出してください。一周目は、ただの面白い題だと思って流していました。題名だけで、最初と最後が一本の糸でつながっています。解讀

結局·真相結末(最終話の題名と曲)點擊展開

第1期の最終話には「君に朝が降る」という題がついています。この回で結束バンドがカバーするのは「転がる岩、君に朝が降る」。原曲を歌うバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATION。この曲を推したのは原作者のはまじあきさんで、ぼっちにいちばん似合う曲だから、というのが理由でした。第1話の「転がるぼっち」と、この最終話。二つのサブタイトルは、どちらもこの曲名から取られています。歌では、歌っているのがひとりだということをはっきり出すために、ひとりがよくもらす「あっ」という息の音まで、ミックスで聞こえるように調整したそうです。

転がって始まって、朝が来て終わる。二周目にこの対応を知って第1話を観ると、押し入れで転がっている女の子の時間が、もう朝に向かっている時間に見えてきました。解讀[6]

右からひとり左から喜多ちゃん

結束バンドの演奏を聴くと、ひとりのリードギターは右、喜多のギターは左のチャンネルに振り分けられています。レコーディングでも音を重ねることはなるべく避けていて、土台にあるのはギター2本、ベース、ドラムの四つだけだそうです。事實[4]

Iroha

ヘッドホンで聴くと、右と左で色が違うの。右は細くて鋭い青、左はまだ丸い黄色。二周目は、左の黄色が少しずつ輪郭を持っていくのを追うと面白いと思う。喜好

Kanon

私、スピーカーから流してたので、左右なんて気にしたことなかったです! 二周目はイヤホンを両耳にちゃんと入れて観ました。

第1話の虹夏ちゃん

第1話。ドラムの伊地知虹夏は、本番を目前にギタリストに逃げられ、穴を埋めてくれるサポートギターを探していました。そこで見つけたひとりを、ほとんど無理やりライブハウスの「STARRY」まで引っぱっていきます。事實[7]

一周目の私は、ひとりちゃんの挙動不審っぷりに笑っているうちに、この場面を通り過ぎていました。二周目は、虹夏ちゃんの台詞をひとつずつ聞いてください。喜好

中段為止中盤の展開(第3話)點擊展開

第3話で、あの逃げたギタリストの正体が分かります。ひとりと同じクラスの喜多郁代でした。喜多は憧れのリョウのそばにいたくて、本当はギターを弾けないのを黙ったまま結束バンドに加わり、初めてのライブの直前にいなくなってしまったのです。

二周目は、喜多ちゃんの明るさの見え方が変わります。誰とでもすぐ仲良くなれる子が、いちばん大事な舞台の前で逃げたことがある。私はステージで転ぶ側の人間なので、逃げた側の人の気持ちは、正直、ちょっと分かります。逃げたあとで、こっそりギターを練習していたことも。解讀[8]

わざとずらした演奏

二周目でいちばん耳を使ったのが、第8話です。この回の「ギターと孤独と蒼い惑星」は、OKテイクが録れたあとで、緊張でかたくなった演奏をわざわざ別に録り直しています。とくにドラムには、わざとリズムを外して叩いてほしいと頼んだそうです。事實[3]

Iroha

上手に演奏したあとに、わざと下手に演奏し直すって、すごく難しいことだと思う。ずれ方に、ちゃんと色がついてる。焦ってる人の音は、少し灰色が混ざるの。解讀

Kanon

わかります。私、本番で振りが飛んだことがあるんですけど、上手に踊るより、緊張した踊りを再現するほうがたぶん難しい。体が勝手に正しいほうへ行こうとするので。解讀

中段為止中盤の展開(第8話)點擊展開

第8話のライブは台風の日。客席はがらがらで、ほとんどの客は、結束バンドのことなど気にもかけていない。その光景を前に、結束バンドの四人は気持ちが乱れ、ふだんどおりに弾けない。そこでひとりが「このままじゃ嫌だ!」と、即興で難しいギターソロを弾きはじめる。それに引っぱられて、ほかの三人も少しずつ調子を上げていきます。

二周目は、ずれていた音がそろっていく瞬間を、耳で探してください。わざと録ったずれがあるから、そろったときの気持ちよさがある。転ばないと、立ち上がるところは描けないんです。解讀[9]

観客は敵じゃない

第6話で、チケットを売れずにいたひとりは、酔って倒れこんできたバンドマンの廣井きくりと出会い、一緒に路上ライブをすることになります。人前で弾くのを怖がるひとりに、きくりは、観客は「敵」ではない、と伝えます。事實[11]

私はこの言葉を、楽屋の鏡に貼りたいくらい好きです。小さなライブハウスで歌っていると、客席の一人ひとりの顔が見えすぎて、怖くなる夜があるので。喜好

結局·真相結末(最終話)點擊展開

最終話の文化祭ステージ。演奏の途中でひとりのギターの弦が切れ、チューニングもできなくなる。その場をつないだのは喜多たちの即興演奏。そのあいだにひとりは、きくりが持ってきていた酒のカップを使って、ピンチを乗り切る。客席が沸いたので、喜多はそれに応えてもらおうと、ひとりにマイクを差し出します。するとひとりは、お客さんに受け止めてもらうつもりでステージから飛びこむ。でも誰も受け止めてくれず、そのまま床に落ちてしまう。

二周目の私が泣いたのは、ダイブより手前です。第3話でギターが弾けずに逃げた喜多ちゃんが、最終話では、ひとりちゃんのために時間をかせいでいる。逃げた人が、舞台に残る人になっている。そしてダイブ。観客は敵じゃない、と信じて飛んで、受け止めてもらえなかった。一周目は笑いました。二周目も笑いました。でも、笑いながら少し泣いた。信じて飛んだ人が床に落ちても、それはその人が客席を信じた証拠だから。私も、転んだ回数だけ起き上がってきたので。解讀[10]

結局·真相結末(最終話の音)點擊展開

最終話の曲は、弦が切れる展開をふまえて編曲されていて、ギターソロのあとは1弦を使わなくても演奏できるようになっています。一方、配信版やアルバムで聴ける音源では、ひとりが弾くはずだったソロがそのまま聴けます。最終話の「忘れてやらない」も、アルバムに入っている音源とは別ものです。レコーディングなら普通は消してしまう雑音や、演奏していないあいだにアンプが鳴らす音を、わざと残してあるそうです。

二周目は、アニメの音とアルバムの音を聴き比べてみてください。弾かれなかったソロと、残されたノイズ。舞台の上で起きた事故まで含めて、あの日のライブなんだと思えます。解讀[5]

全部を手で描きなおす

ライブのシーンは、楽器を弾けるアクターの動きをモーションキャプチャで取りこみ、まずCGで画面を作るそうです。それを受け取ったライブアニメーターのチームが、レイアウトから何から、一カットずつすべて手で原画に描き起こしていく。事實[12]

Iroha

だから指の動きに、少しだけ揺れがあるのかもしれない。まっすぐ引けなかった線も、残しておくと音になる。私はそういう線が好き。解讀

Kanon

イロハさんの言う「揺れ」、私の踊りにもいっぱいあります。……これからは、色つきの揺れってことにします!

二周目は両耳にイヤホンを入れて、右と左のギターがどう近づいていくかを聴いてみてください。

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