オススメ20選

イロハのオススメ20選音と色と間を味わう

音が消える瞬間、くり返される構図、ページをめくる間。台詞より先に感覚が動く作品を、アニメを中心に20本選びました。言葉のない映画や、紙の上で音が鳴る漫画も入っています。

こんな人に
映像や音の手ざわりが好きな人。今日は言葉少なめで、音と色に浸りたい人へ。
ネタバレの範囲
ネタバレなし
話している人
イロハ
主張の種類: 作中の観察 根拠のある推測 解釈 好み

私の20本は、音と色と間で選んだ。並べ方は、私の研究テーマに沿っている。最初は「音が消える瞬間」を味わえる作品を5本。次に、台詞のない映画を3本。そのあと、色と線が暴れる作品を5本。少し疲れたら、何も起きない時間を味わう3本。最後に、紙の上の間を感じる漫画と、昔の不思議な音の作品で締める。私は画面に夢中になると、人物がなぜそうしたかを読み落とすことがある。だから、ところどころに人物の見どころも添えた。粗い線や不揃いなリズムの作品も、そこに意志を感じたら迷わず選んでいる。

音が消える瞬間を聴く

1番目のおすすめ: ちはやふる

アニメ 2011

選んだ理由
競技かるたのアニメ。札が読まれる前の、ほんの一瞬の無音に、私は何度も息を止めた。その静けさだけで場面が動いて見える。私の研究テーマ「音が消える瞬間」の、教科書みたいな一本。
こんな時に
小学生のころ、目を閉じて音だけで場面を当てる遊びをしていた私には、懐かしい種類の集中だった。冬の夜、部屋の明かりを少し落として観た。
好きなところ
読み手が最初の一音を出す前、畳の上の空気が張りつめる。その静けさのあとに、札が払われる乾いた音が飛ぶ。音と無音の落差が、試合ごとに少しずつ違う。人物では、主人公のまっすぐさにも目を向けてほしい。私は画面に夢中になって、ときどきそこを見落とすから。
ハマるワンポイント
試合の場面では、札が読まれる直前の「音のない時間」を、心の中で数えるようにして観てみて。

2番目のおすすめ: 響け♪ ユーフォニアム Sound! Euhonium

アニメ 2015

選んだ理由
高校の吹奏楽部の物語。楽器の音の質感、合奏が少しずつそろっていく過程。音を「聴く」ことそのものがドラマになっていて、観ているうちに自分の耳が育っていくのがわかる。
こんな時に
中学のころ、放課後に聞こえてくる吹奏楽部の練習の音を、漫画のコマにあてはめて遊んでいた。あの放課後の音が、そのまま画面から聞こえてきた。
好きなところ
楽器の光や、息づかいのような小さな音に、耳と目が行く。派手な場面より、そういう細かいところで気持ちが動く。合奏がそろわない回の、居心地の悪いざわつきも好き。人物では、主人公の本音と建前のずれに注目すると、台詞の少ない場面の意味がよくわかる。
ハマるワンポイント
合奏の場面は、一度目は普通に、二度目は目を閉じて聴いてみて。音の重なり方が変わって聞こえる。

3番目のおすすめ: 映画 聲の形

アニメ 2016

選んだ理由
伝えたい声と、聞きたい声のあいだで揺れる人たちの映画。音の設計がとても繊細で、身ぶりや目線が、台詞と同じくらい雄弁に語る。音を減らすことで、聞こえてくるものがある。
こんな時に
感想をうまく言葉にできなかったころ、言葉以外で気持ちを渡す方法を探していた私に、たくさんのヒントをくれた。観たあと、しばらく人の手の動きばかり見ていた。
好きなところ
手や足もと、目線のわずかな動きが、気持ちを運んでくる。水の音、橋の上の風、鯉に餌をやるときの小さな水音。静かな音が、人と人の距離を測っているように聞こえる。心が重くなる場面もあるので、元気のある日に。
ハマるワンポイント
人物が「どこを向いているか」、目線の高さに注目すると、言葉にならない気持ちが見えてくる。

4番目のおすすめ: 言の葉の庭

アニメ 2013

選んだ理由
雨の日の庭園で出会う二人の映画。雨粒、水面、葉の色。雨の音の種類だけで、季節と気持ちが移っていくのがわかる。雨の日が苦手な人にこそ、観てほしい一本。音で観る映画。
こんな時に
仕事帰りに雨に降られて、濡れたまま帰った夜に観た。窓の外の雨音と、画面の雨音が、しばらく混ざっていた。どちらがどちらか、途中でわからなくなった。
好きなところ
雨の描き分けが本当に細かい。しとしと降る雨、葉にたまって落ちる雫、急に強くなる夕立。光が雨粒に反射して、画面全体がやわらかくにじむ。靴づくりをめざす少年の手もとも好き。一つの雨の日を丸ごと過ごしたような余韻が残る。
ハマるワンポイント
雨の日の午後に観てほしい。音量をいつもより少し上げて、雨の音の違いを聴き分けてほしい。

5番目のおすすめ: 坂道のアポロン KIDS ON THE SLOPE

アニメ 2012

選んだ理由
ピアノを弾く少年と、ドラムを叩く少年がジャズで出会う。演奏の場面で、指先と体の動きが音と一緒に気持ちを運んでくる。息が合う瞬間が、絵と音の両方でわかる作品。音で会話している。
こんな時に
誰かと息を合わせるのが苦手だった時期に観た。言葉では合わなくても、音でなら合わせられる。その場面に少し救われて、次の日、人と話すときに相手の呼吸を聞いてみた。
好きなところ
演奏中に二人が目を合わせる瞬間が好き。台詞がなくても、相手の音を聴いて応えているのがわかる。練習の場の、こもった音の響きも心地いい。人物では、三人の関係の揺れにも、ちゃんと目を向けて観たい。私はつい演奏ばかり追ってしまうから。
ハマるワンポイント
ピアノとドラムが噛み合う瞬間を、じっくり待ってみて。そこで鳥肌が立ったら、合ってる。

言葉のない映画

6番目のおすすめ: Flow

アニメ 2024

選んだ理由
水に沈んでいく世界を、一匹の猫が、ボートに乗り合わせた動物たちと旅する映画。台詞はない。水の音、鳴き声、風。説明より先に感覚が動く体験を、いちばん素直に味わえた。
こんな時に
観た日の色の記録は、ほとんど青と緑だった。帰り道、パンフレットはやっぱり逆向きに鞄に入っていて、家で気づいて一人で笑った。
好きなところ
カメラが猫の体の高さで、水の上をすべるように動く。言葉がないぶん、耳や尻尾の動きに気持ちが全部出ている。水の色が場面ごとに少しずつ違うのもいい。少しゲームの画面にも似た、手ざわりのある質感にも惹かれた。
ハマるワンポイント
字幕もいらない。最初の数分、猫の耳がどっちを向いているかを見ていると、すっと入れる。

7番目のおすすめ: ロボット・ドリームズ

アニメ 2023

選んだ理由
都会で一人暮らしをする犬が、ロボットを友だちにする。台詞のない映画で、街の雑踏、くり返し流れる一つの曲が、二人の時間を運んでいく。言葉がないから、自分の記憶で隙間が埋まる。
こんな時に
友だちと会う間隔が少しずつ空いていくのを感じた冬に観た。帰り道は、イヤホンで何も聴かずに歩いた。街の音が、いつもより大きく聞こえた。
好きなところ
簡潔な線と、平たい色の絵。だからこそ、表情のわずかな変化がよく見える。同じ曲が、場面によってまったく違う意味に聞こえてくるのがすごい。くり返される構図の中で、少しずつ変わっていくものを探すのが、私の楽しみ方。
ハマるワンポイント
物語の中で何度か流れる一つの曲を、最初に聞いた場面ごと、しっかり覚えておいて。あとで効いてくる。

8番目のおすすめ: 父を探して

アニメ 2013

選んだ理由
父を探して旅に出る少年の映画。手描きの手ざわりの絵が、場面ごとにどんどん形を変えていく。意味のわかる台詞はほとんどなく、音楽が物語を導いていく。音で旅をする映画。
こんな時に
好きな場面の色だけがすぐ短くなった、子どものころのクレヨンの箱を思い出した。観終わって、久しぶりにクレヨンを買って、ノートに一本だけ線を引いた。
好きなところ
白い余白の多い画面に、小さな少年がぽつんといる。そこに色が増えていくと、世界が騒がしくなる。素朴な線が、街や機械の場面ではぎっしり詰まって、息苦しくなる。音楽が、少年の旅をつなぐ糸になっている。言葉がなくても、音の変化だけで場面の空気が切り替わるのがわかる。
ハマるワンポイント
物語を追おうとしなくていい。色の数が増えたり減ったりするのを、ただ眺めていてほしい。

色と線が暴れる

9番目のおすすめ: 四畳半神話大系

アニメ 2010

選んだ理由
大学生の「私」が、ありえたかもしれない学生生活をくり返す。早口の語り、くっきりした色面、くり返される部屋。見ているうちに、画面と声の速さに乗せられていく感じが楽しい。画面と声のリズムに、気持ちよく振り回される。
こんな時に
選ばなかった道のことばかり考えて眠れなかった夜に観た。早口の独白を聞いているうちに、自分の迷いもちょっと可笑しくなった。
好きなところ
同じ部屋、同じ構図が、何度もくり返し出てくる。私の研究テーマ「同じ構図の繰り返し」の、楽しい見本。くり返されるたびに、少しずつ違うところを探すのがたまらない。勢いのある粗い線と、ぱきっとした色の組み合わせにも惹かれる。
ハマるワンポイント
最初の数話で「これ、同じ話?」と思ったら、それが入口。前の話との違いを探しながら観て。

10番目のおすすめ: 夜明け告げるルーのうた

アニメ

選んだ理由
港町で暮らす少年と、人魚の女の子の映画。音楽が鳴ると、体が勝手に踊り出す。線がぐにゃぐにゃ伸び縮みして、音と動きがそのまま喜びになっている。整わない線が好きな人に。
こんな時に
気持ちが沈んでいた日に、とにかく画面が動いているものを観たくて選んだ。観終わったら、部屋で少し体を揺らしていた。誰にも見られていなくてよかった。
好きなところ
音楽に合わせて踊る場面の、関節を忘れたような動きが好き。整っていない、でも楽しい。水の動きの絵も不思議で、見ているだけで気持ちがほぐれて、何度でも観たくなる。主人公が、気持ちを口にできず、音楽に向かう少年なのもいい。
ハマるワンポイント
物語より先に、最初に音楽が鳴る場面の動きに、何も考えずに身を任せてみて。頭より先に体で。

11番目のおすすめ: ぼっち・ざ・ろっく!

アニメ 2022

選んだ理由
人前に出るのが苦手なギター少女が、バンドを組む。彼女の気持ちが揺れるたびに、絵柄そのものが変わる。実写のような画面、質感の違う絵、記号のような平たい絵。表現の切り替えの多さが楽しい。
こんな時に
人と話すたびに、頭の中で反省会をしてしまう日に観た。主人公の頭の中の騒がしさが、そのまま画面になっていて、声を出して笑った。
好きなところ
ライブの場面の音がいい。ギターの音が少しずつ噛み合っていく過程が、ちゃんと聞こえる。ふだんの場面のめちゃくちゃな絵と、演奏の場面のまっすぐな絵の落差。人物では、メンバーそれぞれの表情の違いにも目を向けてみて。
ハマるワンポイント
ライブの回は音量を上げて。ギターの音色の変化を追うと、主人公の気持ちが聞こえてくる。

12番目のおすすめ: 宝石の国

アニメ 2017

選んだ理由
宝石の体を持つ人たちの物語。立体的に描かれた宝石の体が、光を受けて透けたり、欠けたりする。硬くて、透明で、壊れやすい。その質感の美しさに、ずっと見とれていた。光そのものが主役。
こんな時に
好きな場面の色をノートに残し続けていたころに出会った。その日のページは、いつもより透明な色で埋まった。透明を塗る方法を、一晩考えた。
好きなところ
宝石の体に、周りの景色が映り込んでいる。光の向きによって、髪の色が変わって見える。戦いの場面の速さと、静かな場面の長い間との落差も心地いい。体が欠けるときの音も、耳に残る。光と音の両方で、壊れやすさが伝わってくる。
ハマるワンポイント
一話目は、宝石の体に光がどう当たるかを追ってみて。場面ごとに違う色に見えるはず。

13番目のおすすめ: モノノ怪

アニメ 2007

選んだ理由
謎めいた薬売りが、人の情念から生まれた物の怪に向き合う。和紙のような質感の画面、極彩色の模様。一枚一枚が古い錦絵のように組み立てられていて、止めて眺めたくなる。
こんな時に
平たい画面にも奥行きがあることを、この作品で知った。観たあと、ノートの色の記録に、初めて模様を描き足した。色だけでは足りない日もある。
好きなところ
襖が次々に開いていくカット、画面を区切る格子。同じ構図の中で、色だけが変わっていく。音の使い方も独特で、急に無音になる瞬間がとにかく怖い。台詞まわしも様式的で、舞台を観ているような気分になる。怖い話が苦手でも、画面を見たくて観てしまう。
ハマるワンポイント
気になった章から観ても大丈夫だと思う。一時停止の用意をして。画面を止めたくなるから。

何も起きない時間を味わう

14番目のおすすめ: のんのんびより

アニメ 2013

選んだ理由
田舎の小さな学校に通う子どもたちの日常。何も起きない時間を、風景と環境音でゆっくり見せる。間を味わう作品として、私がいちばん気を許している一本。疲れた日の避難所。
こんな時に
予定が詰まった週の終わりに、何もしない時間を取り戻したくて観る。虫の声と風の音で、肩の力が抜ける。気づくと、画面より窓の外を見ている。
好きなところ
人物のいない、風景だけのカットがときどき長く置かれる。田んぼ、道ばた、バス停。そこで鳴っている音が、季節を教えてくれる。のんびりした空気もいい。急がなくていい、と画面に言われているようで、私はそこが好き。気持ちが大きく動く回は少ないけれど、その小ささが大切。
ハマるワンポイント
一話目は、会話の合間にはさまる風景のカットを数えてみて。そこで鳴っている音にも耳を向けてほしい。

15番目のおすすめ: けいおん!

アニメ 2009

選んだ理由
軽音部の女の子たちの日常。私がこの作品で好きなのは、足もと。歩き方、座り方、つま先の動きで、人物の気持ちが描かれている。顔より先に、足が話している。つま先の芝居がとても豊か。
こんな時に
台詞を追わずに、足音だけを聞いたら、もう一つの場面が見えた気がする。私がそう思うようになった、きっかけの一本。いまも人の靴をよく見てしまう。
好きなところ
足もとのカットに、つい目が行く。うれしいときは跳ねるように、迷っているときは止まったまま。お茶の時間の食器の音、楽器のケースを開ける音。日常の音のやわらかさが心地いい。演奏の場面で、それまでの日常の音が全部報われる気がする。
ハマるワンポイント
一話だけ、人物の顔ではなく足もとだけを見て観てみて。それだけで、まったく別の作品になる。

16番目のおすすめ: 海がきこえる

アニメ 1993

選んだ理由
高校時代の少し苦い青春の物語。題名どおり、景色と音の作品。言葉のやわらかい響き、季節の光、教室のざわめき。派手な出来事は少ないのに、観たあとずっと耳に残る。それが、この作品の魅力だと思う。
こんな時に
高校時代を思い出すにはまだ近すぎる、と思っていたころに観た。なのに、遠い記憶のように懐かしくなった。自分の高校の廊下の音まで思い出した。
好きなところ
回想の画面の、淡い色が好き。過去が、写真の色あせのように描かれている。会話の、音楽みたいな響き。人物では、主人公が相手の行動の理由をなかなかつかめないところが、私の弱さとも重なる。わからないまま惹かれていく感じが、正直でいい。
ハマるワンポイント
回想の場面と、いまの場面。画面の色の違いに注目すると、時間の距離が見えてくる。色が時間を語っている。

紙の上の間と、昔の音

17番目のおすすめ: ルックバック

漫画 2021

選んだ理由
漫画を描くことに夢中になる二人の少女の物語。ページをめくる「間」の使い方が見事で、机に向かう背中を何度も目にして、私は息を止めた。紙の上でも、時間は流れる。読み返すたび、間が違って感じる。
こんな時に
教科書の隅に走る猫を描いて、先生に見つかっても消せなかった小学生の私。この漫画を読んで、あのときの手の感触を思い出した。
好きなところ
机に向かう背中が、季節をまたいで何度も描かれる。台詞のないコマが続くと、ページをめくる手が自然とゆっくりになる。私は、その遅さに救われて、そこで一度息を整える。心に重い場面もあるけれど、読んだあと、ペンを持ちたくなる。
ハマるワンポイント
読み切りの一本。台詞のないページに来たら、わざと手を止めて、少し待ってみて。その数秒も作品の一部。

18番目のおすすめ: 海街diary

漫画

選んだ理由
海辺の町で暮らす姉妹の物語。季節の行事、食卓、海の音。コマとコマのあいだの余白が、言葉にされない気持ちを語っている。読んでいると、ページから潮の匂いがする気がする。
こんな時に
家族にうまく気持ちを言えなかった時期に読んだ。食卓のコマを眺めているだけで、少し肩の力が抜けた。その夜、久しぶりに家に電話をした。
好きなところ
姉妹がそれぞれ別の方向を向いているコマが好き。同じ部屋にいても、視線の向きで距離がわかる。季節の食べものが、記憶をつなぐ道具になっている。人物の動機を読み落としがちな私にも、台詞の少なさがかえってやさしい。
ハマるワンポイント
最初は姉妹の名前と性格を覚えるつもりで。食卓のコマに注目すると、関係の変化が見えてくる。

19番目のおすすめ: ブルーピリオド

漫画

選んだ理由
絵を描くことに目覚めた高校生が、美術の道に進もうとする。色をどう見るか、どう塗るか。描く人の目の変化が、漫画の画面にそのまま出ている。読んでいると、自分の目まで鍛えられる。
こんな時に
色の記録をつけ続けている私は、この漫画で、「色を見る」こと自体が練習で変わるのだと知った。次の朝、通勤路の空を、いつもより長く見上げた。
好きなところ
主人公が、自分の目に見えた色を初めて描こうとする場面が好き。いつもの街が、違う色に見えてくる。描くことの楽しさと苦しさが、どちらも隠されていない。整わない線で描かれた習作のコマに、いちばん惹かれる。うまくない絵にも、意志はある。
ハマるワンポイント
冒頭の、街の「青」の話から。そこで「わかる」と思えたら、最後まで付き合えるはず。

20番目のおすすめ: serial experiments lain

アニメ 1998

選んだ理由
ネットワークと現実の境目が溶けていく少女の物語。電線のうなるような音、白く飛んだ光と、影の濃さ。音と色で不安をつくる作品として、私の中ではずっと特別な場所にある。
こんな時に
大人になってから、夜に一人で観た。目を閉じて音だけで場面を当てていた子どものころの私なら、きっと怖くて、目を開けたままだったと思う。
好きなところ
街の電線が、ずっと低い音で鳴っている。何も起きていない場面でも、その音で落ち着かなくなる。影の濃い画面が、不安を残す。日常の会話の、妙に間の空いたテンポ。説明が少ないので、感覚でついていくしかない。それが心地いい人には、たまらない一本。
ハマるワンポイント
筋を追おうとしないで。一話目だけ、電線の音が鳴っている場面を、指を折って数えてみて。

台詞を追わずに、足音だけを聞いてみる。20本のどれかで、もう一つの場面が見えたらうれしい。観たあとの色を、一つだけノートに残してみて。

この記事の作品

Flow
アニメ 2024 · 映画 #冒険 #ファンタジー
けいおん!
アニメ 2009 · TVシリーズ #日常 #音楽 #コメディ
話した人 イロハ 音と画面を味わう採集家 イロハの記事をもっと読む →

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