TVアニメ『約束のネバーランド』第1期を最後まで観た人向けの、二周目の案内です。まだの人はここで閉じてください。最初の一話で世界がひっくり返る瞬間は、知らずに観てこそのものです。中盤の秘密と結末は、押さないと開かない箱に入れました。
題名は数字だけ
Wikipediaの記事によると、原作は白井カイウさん・出水ぽすかさんの漫画で、TVアニメは監督が神戸守さん、シリーズ構成が大野敏哉さん、アニメーション制作がCloverWorks。第1期は2019年1月11日から3月29日まで放送されました。Fact[1]
第1期の各話の題名は六桁の数字です。EPISODE.01は「121045」、02は「131045」、03は「181045」と続き、09が「031145」、10で「130146」になり、最終話のEPISODE.12は「150146」です。Fact[1]
一周目の僕は、この数字を暗号っぽい飾りだと思っていました。二周目に並べてみると、日・月・年の順に読める並び方に見えます。そう読むと、09から10のあいだで数字が大きく跳んでいる。物語の中で、時間がまとめて過ぎた場所が、題名の列にだけ記録されているように見えるんです。これは僕の読みで、作り手がそう説明しているわけではありません。Grounded inference
数字が跳んだところ、私は覚えてる。空気が変わった回。何が変わったのかは言えないけど、子どもたちの声が少し低くなった気がした。Interpretation
スイの耳と、僕の数字が同じ場所を指してる。二周目は、跳ぶ前と跳んだあとの声を聞き比べてみる。
置き忘れた人形
原作のあらすじでは、コニーに里親が見つかり、外へ出ていくことになります。ところがコニーは人形を置き忘れていて、エマとノーマンが届けに行く。向かった先は、近寄ってはいけないと禁じられていた「門」。二人の目の前で、コニーは食肉として出荷されていく。その瞬間を、二人は見てしまうのです。Fact[1]
二周目の一つ目の見どころは、人形が置き忘れられるまでの数分です。一周目には、送り出しの場面はただの温かい別れでした。二周目は、誰がコニーに何を言い、誰がどこに立っているかを観てください。全部を知ったうえで観ると、同じ笑顔が、それぞれ違う重さを持っています。Interpretation
ママの声の高さ
原作のあらすじでは、ハウスは、血のつながらない兄弟姉妹が一緒に暮らす場所。子どもたちが「ママ」と慕うのは、院のシスターのイザベラです。子どもたちが聞かされていたのは、6歳から12歳までの間に、それぞれ里親のもとへ送り出されるということでした。Fact[1]
二つ目の見どころは、イザベラの声です。一周目の第1話では、僕にはやさしい母親の声に聞こえました。二周目は、子どもたちに向ける声と、一人きりのときの声を分けて聞いてみてください。声の芝居が、場面ごとに少しずつ違う高さに置かれているように聞こえます。Interpretation
三人の目線を追う
原作のあらすじでの紹介は、エマが身体能力、ノーマンが知略に優れた子で、レイは博識なリアリスト。この三人がドンとギルダを仲間に加えて、脱獄の計画を動かしはじめます。Fact[1]
三つ目の見どころは目線です。三人が同じ部屋にいるとき、誰が誰を見ているか。一周目の僕は、会話の中身ばかり追っていました。二周目は、話している人ではなく、黙っている人の目を観ると、心理戦のもう一つの盤面が見えてきます。Interpretation
黙っている人の目、私も観たい。言葉にしない子ほど、ほかの子のことをよく見てる気がするから。Interpretation
スイの言うとおり、この作品の会話の場面は、声を出している人より、出していない人のほうが情報を持っていることが多いように見えます。二周目のノートには、台詞の横に「このとき黙っていた人」を一人ずつ書き足しました。その列が、一周目の僕には見えなかった、もう一つの台本になりました。Interpretation
Up to midway中盤の展開(隠されていたこと)Tap to open
原作のあらすじによると、監視役を増やすために「シスター」が送り込まれ、そのうえ、レイがイザベラのスパイだったことが判明します。イザベラは管理を保ちたい。ノーマンはその思惑を逆手にとって、レイを二重スパイとして自分たちの側に引き入れます。
二周目は、第1話からレイの目線だけを追ってみてください。一周目には、冷めた子の無関心に見えた目が、二周目には、誰より先に全部を知っていた子の目に見えます。Interpretation[1]
レイの目、私は一周目から好きだった。何か言いたいのに言わない目。理由を知ってから観ると、言わないことが、レイなりの守り方に見える。Interpretation
ノーマンの下見
Up to midway中盤の展開(ノーマンの選択)Tap to open
原作のあらすじでは、下見をしていたことがイザベラに知られ、エマは足を折られ、ノーマンには出荷が言い渡されます。レイとエマが立てた作戦は、ノーマンの発信器を無効にして、隠れていてもらうこと。けれど、それではほかの子どもたちの脱獄の妨げになる。そう恐れたノーマンは、発信器を生かしたまま下見に向かい、そのまま戻ってきます。その下見で分かったのは、ハウスの周りが崖で、外へ出られるのは本部とつながる橋だけということ。ノーマンは、エマたちにミネルヴァのペンを託し、ハウスを去ります。シスターが遺したペンでした。
四つ目の見どころは、ノーマンが「戻ってくる」場面です。一周目は、どうして逃げないのかと叫びたくなりました。二周目は、ノーマンが計算しているものが何なのかを、彼の視点から追ってみてください。自分が残す情報の量を、最後まで管理しているように見えます。Interpretation[1]
最終話の作戦
Ending and reveals結末(脱獄の夜)Tap to open
原作のあらすじによると、レイの出荷の日、レイはハウスに火をつけて警備の目をハウスに集め、橋から逃げる作戦を立てます。レイ自身はハウスと一緒に燃えるつもりでしたが、エマがそれを止める。エマはノーマンの伝言に従い、年少の子のうち一番成績のよかったフィルに真実を打ち明けて、ほかの年少の子を任せます。そして、5歳以上の子どもたちが全員で脱獄します。
二周目は、最終話の作戦と第1話の門を比べてみてください。第1話で子どもたちが近づけなかった場所と、最後に越えていく場所。行き先の地図が、12話かけて書き換わっています。Interpretation[1]
最後に、僕の二周目のやり方です。題名の数字をノートの左端に縦に並べ、その横に、その回で誰が誰に嘘をついたかを書く。嘘の数が増える回と、本当のことを打ち明ける回が、数字の跳ぶ場所の前後でくっきり分かれて見えました。Preference
私は嘘の数じゃなくて、誰かが誰かの手を握った回を数えたい。たぶん、レンの表と同じところで増えてる気がする。Preference
二周目は、第1話の題名「121045」をメモしてから再生を。最終話の「150146」まで、数字の跳ぶ場所で一度止まってみてください。