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那部作品幫了我

失敗した夜に『Hades』を一回だけ

働き始めて何年かたったころ、自分の得意だと思っていたことで大きくつまずいた。毎晩一回だけ遊んだゲームが、なぜ支えになったのか。ノアが、聞き手のハルと一緒に振り返ります。

適合這樣的人
仕事でつまずいて、毎晩同じことを考えてしまう人へ。立ち直るより先に、まず同じ場所に戻ってくるだけの夜があってもいいと思いたい人にも。
劇透範圍
無劇透 『Hades』の公式FAQにある基本の遊び方まで。物語の展開・結末には触れません
發言的人
Noa × Haru
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 6 節·約 6 分鐘
  1. 得意だと思っていたことでつまずいた
  2. 夜十一時の一回だけ
  3. 戻るたびに違う言葉がかけられる
  4. 耳の言葉と目の言葉
  5. God Modeをオンにした夜
  6. いまの小さな習慣

「しおりのある部屋」で、ハルがノアに聞きました。6選の中に一本だけゲームが入っているのはどうして? 返ってきたのは、働き始めて何年かたったころの、少し苦い話でした。

得意だと思っていたことでつまずいた

Haru

ノアの好きな作品って本や映画やアニメが多いのに、ゲームなら『Hades』でしょ。前から気になってたんだ。何かきっかけがあったの?

Noa

あるよ。ちょっと格好悪い話なんだけど、いい?

Haru

もちろん。今日はどれくらい話せそう? しんどかったら途中でやめていいからね。

Noa

ありがとう。働き始めて何年かたったころ、背景の違う人たちが集まる仕事で、間に立つ役をまかされたの。私、そういうの得意だと思ってた。違う言葉で話す人どうしの「同じところ」を見つけるのが、昔から好きだったから。

Haru

ノアらしいね。

Noa

でも、それが裏目に出た。二つのチームの話を聞いて、私は「だいたい同じことを言ってるね」ってまとめちゃったの。本当は、大事なところが違ってた。違いを小さく扱ったまま進めたら、後になって大きな行き違いになって。誰かに強く責められたわけじゃないんだけど、自分がいちばん得意だと思っていたことで失敗したのが、すごくこたえた。

Haru

……それは、きついね。

夜十一時の一回だけ

Noa

そのころは、毎晩十一時くらいに帰ってた。駅前のコンビニでおにぎりを二つ買って、着替えもしないで床に座って食べる。本を開いても、同じ行を何度も読んで、ちっとも頭に入ってこない。大好きな『モモ』でさえ、そうだった。

Haru

ノアが本を読めないって、相当だね。

Haru

あと、ごめん、関係ないかもしれないけど、床に座っておにぎりって聞いただけで、ちょっと泣きそうになった。僕、誰かがごはんを用意したり食べたりする場面に弱いんだ。喜好

Noa

ふふ、ありがとう。でも本当に、あのころのいちばんちゃんとした時間は、おにぎりを食べてる数分だったかもしれない。そのあと、何をしていいかわからなくなるの。喜好

Noa

そう。それで、前に買って少しだけ遊んでいた『Hades』を、なんとなく起動したの。冥界から外を目指す、ギリシャ神話のゲーム。決めたのは一つだけ。一晩に一回だけ挑戦して、終わったら寝る。

開発元の公式FAQは、ローグライクというジャンルを、戦いながら強くなり、ほぼ避けられずどこかで倒れ、その知識を持って次の挑戦へ進むゲームだと説明しています。事實[1]

Haru

倒れるのが前提のゲームなんだ。失敗した日に、よく選べたね。

Noa

逆に、それがよかったんだと思う。このゲームでは、倒れるのは「終わり」じゃなくて、次の一回の始まりなの。毎晩、私は倒れて、戻ってきて、また始める。その繰り返しを手でなぞっているうちに、失敗って、そこで全部が止まるものじゃないのかもしれないって、少しずつ思えてきた。解讀

戻るたびに違う言葉がかけられる

Haru

じゃあ、何度も挑戦して、最後には立ち上がれたっていう話? 僕、そういうの大好きで——

Noa

ふふ。ハル、ちょっと急いだね。

Haru

……あ、ほんとだ。ごめん。また前向きな結論に飛びついちゃった。

Noa

ううん。でもね、私にとっては「立ち上がった」っていうより、「毎晩同じ場所に戻ってきた」っていう感じのほうが近いの。それで、戻ってくるたびに、登場人物たちが前と少し違う言葉をかけてくれる。同じ失敗のあとでも、毎回同じ反応じゃない。解讀

Haru

同じ場所なのに、違う言葉。

Noa

そう。それが、仕事の失敗の受け取り方を変えてくれた気がする。あのときの私は、自分の失敗に一つの判決を下して、毎晩それを読み返してた。でもゲームの中では、同じ出来事にも、言う人によって、言うタイミングによって、違う言葉がある。失敗の意味は一つに決めなくていいんだって、手で教えてもらった感じ。解讀

耳の言葉と目の言葉

公式FAQによると、本作の文字と音声は英語です。事實[2]

日本語を含む複数の言語に、文字の翻訳が用意されています。事實[4]

Noa

私は日本語の文字で遊んでたけど、聞こえてくる声は英語。目で読む言葉と耳で聞く言葉が、ほんの少しずつずれてるの。ある晩、そのずれにはっと気づいて。

Haru

ずれに?

Noa

うん。同じ一言のはずなのに、声の言葉と文字の言葉は、ぴったり同じじゃない。どっちが間違いってわけでもない。それを聞きながら、ああ、私が仕事でやったのは、このずれを「同じ」にして消しちゃうことだったんだって思った。似ているって言う前に、違いを一つ丁寧に見ればよかったんだ、って。解讀

Haru

ゲームの中で、自分の失敗の形を見つけたんだね。

Noa

見つけた、っていうほど立派じゃないけどね。でも、責めるための材料じゃなくて、次に気をつける場所として見えたのは大きかった。

God Modeをオンにした夜

Noa

もう一つ、白状すると。私、途中で「God Mode」をオンにしたの。

公式FAQによると、God Modeはいつでも使える機能で、ダメージに強くなり、倒れるたびに少しずつ頑丈になっていくそうです。事實[3]

Haru

それ、悔しくなかった? 僕なら意地になって、オフのまま粘っちゃいそう。

Noa

最初はちょっと悔しかった。ずるをしてる気がして。でも、その夜は本当に疲れてたの。物語の続きを見たい気持ちと、もう何も頑張りたくない気持ちが、両方あって。オンにしたら、肩の力がすっと抜けた。助けを借りても、物語はちゃんと私のものなんだって思えた。

Haru

……それ、仕事の話にも聞こえるな。

Noa

そうかも。少しして、私は職場で、違いを見落としたことを正直に話して、確認できる人に手伝ってもらうことにしたの。全部を自分でつなごうとしなくていい。それも、あの夜のGod Modeから始まった気がする。

いまの小さな習慣

Haru

いまも『Hades』、遊んでる?

Noa

たまにね。でも、あのころほどじゃない。代わりに残ったのは、小さな習慣。誰かの話を聞いて「同じだね」と言いたくなったら、その前に、違うところを一つだけメモするの。手帳の端に、一行だけ。

Haru

一行だけ、か。それならできそう。

Noa

それと、週末にいつもの喫茶店で『モモ』をまた開けるようになったのは、あの冬が終わってから。読めない夜があったからこそ、読める日がうれしい。

Haru

今日、話してくれてありがとう。僕、次に誰かの話を聞くときは、結論を急ぐ前に、一回だけ待ってみる。

Noa

うん。ハルの「一歩」も、ちゃんと好きだよ。ただ、一歩の前に、同じ場所に戻ってくるだけの夜があってもいいと思うんだ。解讀

何かにつまずいた夜、立ち直ろうとしなくてもいいのかもしれません。好きな作品のところへ、一回だけ戻ってくる。それだけで、次の日の自分が少しだけ違って見えることがあります。解讀

持ち帰るしおり:「同じだね」と言いたくなったら、その前に違うところを一つだけ書き留めてみる。

本文中的作品

講述者 Noa 連結國家、語言與媒介的旅人 閱讀更多 Noa 的文章 →

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