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我的6部作品

『モモ』をいまの私と読み直す

読んでもらった幼いころ、別の箇所が気になった中学生のころ、そして同じ喫茶店で開くいま。ノアが、人生のいろいろな時期に持ち歩いてきた一冊と、そのたびに変わった「好きな場所」について書きます。

適合這樣的人
子どものころに『モモ』を読んだきりの人へ。一冊の本を、何年もかけて読み直す楽しみを知りたい人にも。
劇透範圍
無劇透 出版社の紹介文にある基本の設定と、目次の章題(第一部)まで。展開・結末には触れません
發言的人
Noa × Sui
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 7 節·約 5 分鐘
  1. 話を聞く時間を好きになった
  2. 好きな理由1:モモは聞く人
  3. 好きな理由2:章の題名だけで旅ができる
  4. 好きな理由3:訳された言葉の向こうにもう一つの言葉
  5. 同じ一冊を同じ喫茶店で
  6. 久しぶりに読む人への入口
  7. ほかの好きな作品とのつながり

6選の最後は、ミヒャエル・エンデの『モモ』です。私の6選の中で、いちばん長く付き合っている作品。そして、いちばん何度も鞄に入れて持ち歩いている本です。旅に出るときも、近所の喫茶店に行くときも。荷物は少なくしたいのに、この一冊だけはいつも入っています。

話を聞く時間を好きになった

最初の『モモ』は、自分で読んだのではなく、読んでもらった物語でした。まだ小さかった私は、筋はほとんど覚えていません。覚えているのは、ページをめくる音と、読んでくれる声が少しゆっくりになるところ。物語の中身より、話を聞いている時間そのものを好きになった。それが、私と『モモ』の始まりです。喜好

出版社の紹介では、時間どろぼうと、女の子モモをめぐる「ふしぎな物語」とされています。作はミヒャエル・エンデ、訳は大島かおりさんです。事實[1]

いま私が持ち歩いているのは、岩波少年文庫の一冊(通し番号127)。この版の刊行日は2005年6月16日です。喜好[2]

作者のエンデが生まれたのは1929年、場所は南ドイツのガルミッシュです。亡くなったのは1995年でした。事實[3]

1970年にイタリアへ移り住み、『モモ』などの作品を発表した、と紹介されています。事實[4]

好きな理由1:モモは聞く人

私がモモを好きなキャラクターに挙げているのは、人の話を聞くという行為に、こんなに力があるのかと思わせてくれるからです。モモは、何かをうまく説明する人ではありません。相手の話を、ただ聞く。その聞き方に、私は子どものころから憧れてきました。解讀

Sui

聞くって、黙っていることとは違うよね。返事を急がないで、相手が言葉を見つけるまで待っている感じ。解讀

スイの言葉に、私は大きくうなずきました。言葉の違う友人と話がかみ合わなかったとき、私に足りなかったのは、うまい説明ではなく、待つことだったのかもしれません。モモの聞き方は、言葉の壁の前で立ち止まったときにも、ずっと私の手本です。解讀

好きな理由2:章の題名だけで旅ができる

目次を開くと、「無口なおじいさんとおしゃべりな若もの」や「おおぜいのための物語と、ひとりだけのための物語」といった章題が並んでいます。事實[5]

私は目次を眺めるのが好きです。章の題名を読むだけで、そこにどんな人がいて、どんな時間が流れているのか、想像が広がっていく。中学生のころ読み返したとき、私は物語の筋より、こうした章の手ざわりや、脇にいる人たちの言葉が気になるようになっていました。同じ本なのに、気になる箇所が変わる。本が変わったのではなく、私が変わったのだと気づいた最初の経験でした。喜好

好きな理由3:訳された言葉の向こうにもう一つの言葉

私が読んでいる『モモ』は、別の言葉で書かれた物語を日本語に訳したものです。私は原文の言葉が読めないので、比べることはできません。でも、だからこそ想像してしまいます。モモの静かな一言が、もともとの言葉ではどんな響きだったのか。訳者が一つを選ぶとき、そばにどんな候補があったのか。答えを確かめられない問いを、一冊の本と一緒に持ち歩く。それも、翻訳された本を読む楽しみの一つだと私は思っています。解讀

同じ一冊を同じ喫茶店で

旅好きを名乗っているのに、私は何年も同じ喫茶店に、同じこの一冊を持って通っています。窓ぎわの席で、決まった飲み物を頼んで、適当なページを開く。何度も読んだはずなのに、そのたびに、前とは違う一行で手が止まります。喜好

店の人とは、ほとんど言葉を交わしません。それでも、私が本を開くと、何も言わずにお水を足してくれる。その距離感も、どこかモモの聞き方に似ている気がして、この店に通い続けているのかもしれません。喜好

Sui

同じ本を同じ場所で読むと、変わったのが自分だけだって、よくわかるね。解讀

そうなんです。場所も本も同じだから、変わったものがはっきり見える。遠くへ行く旅と、同じ場所に戻ってくる旅。私にとって『モモ』は、後者の旅のための一冊です。解讀

久しぶりに読む人への入口

子どものころに読んだきりなら、最初から順番に読まなくてもかまいません。目次を開いて、気になる章題を一つ選び、そこから読んでみてください。昔の自分が気にしていなかった人の言葉に、思いがけず立ち止まるかもしれません。分厚さが気になる人は、一晩に一章ずつ。急がずに読むほうが、この本には似合う気がします。喜好

ほかの好きな作品とのつながり

『千と千尋の神隠し』で知らない場所へ連れていかれ、『魔法使いハウルと火の悪魔』で二つの扉を知り、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』と『時光代理人 -LINK CLICK-』で棚の外へ橋をかけ、『Hades』で物語を手で読んだ。そのどの旅のあとにも、私はこの一冊のところへ戻ってきました。私の好きな作品は、遠くへ出かける作品と、帰ってくる場所でできているのだと思います。喜好

持ち帰るしおり:昔読んだ本を目次から一章だけ読み直してみる。前と違う一行で手が止まったら、それがいまのあなたです。

本文中的作品

講述者 Noa 連結國家、語言與媒介的旅人 閱讀更多 Noa 的文章 →

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