目錄
6選の四本目は『アイカツ!』です。いちごちゃんのステージを観て、私も自分の衣装を作ろうと決めました。……結果は、聞かないでください。今日は、その決心のほうの話をします。
家を飛び出したころ
アイドルになりたいと言ったら、家の者には一人残らず反対されました。それでも家を出て、小さな事務所のオーディションを何度も受けて、何度目かでやっと受かった。狭い部屋に段ボールを積んだまま、毎晩観ていたのがこのアニメです。まだ何者でもない私に、いちごちゃんのまっすぐさがまぶしかった。喜好
どんなお話か
アニメの公式サイトでの『アイカツ!』の紹介文は、トップアイドルを目指す女の子たちの、スポ根のサクセスストーリー、というものです。事實[1]
シリーズの公式ポータルサイトによると、テレビアニメ『アイカツ!』は2012年10月8日から始まりました。事實[2]
初めて観たとき、私はちょうど事務所に入ったばかりで、レッスンのたびに自分の足りなさを思い知らされていました。だから、いちごちゃんがアイドルの学校で、一つずつできることを増やしていく姿に、自分を重ねずにはいられませんでした。私のほうは、できることより転んだ回数のほうが、ずっと早く増えていきましたけど。喜好
好きな理由その一 衣装を選ぶ瞬間
このアニメでは、ステージの前に衣装を選ぶ場面があります。どの服を着て、どんな自分で舞台に立つか。その選ぶ瞬間が、私にはたまらなく好きなところです。衣装はただの飾りじゃなくて、その日の決意そのもの。袖を通した瞬間に、顔つきまで変わって見えるんです。解讀
好きな理由その二 スポ根の汗
きらきらしたアイドルのお話なのに、練習の場面がけっこう体育会系なんです。走って、鍛えて、何度もやり直す。可愛い衣装の裏側に、こんなに汗があるんだって、初めて観たときに驚きました。可愛さの裏にある、とんでもない努力の量。私がアイドルを観るときに必ず見たいところが、ちゃんと描かれています。解讀
好きな理由その三 いちごちゃんの笑顔
いちごちゃんは、とにかく明るくて、まっすぐな女の子です。うまくいかない日も、次の日にはまた笑って学校へ向かう。その毎日の積み重ねが、物語の芯になっている気がします。器用な子じゃなくても、まっすぐなら舞台に立てる。そう言ってもらえているようで、何度も励まされました。解讀
私の見方 衣装は動くもの
観終わってすぐ、事務所で初めての衣装を自分で作ろうとしました。羽根を八枚と、鎖と、ハートをたくさん。完成品を見せたら、事務所の全員が黙りました。あの静けさは、今でも忘れられません。それから少しして、衣装を自分で作るレイさんが、見かねて手を貸してくれるようになりました。喜好
羽根は二枚。待って、ここ大事だから。ターンしたときに羽根が八枚あったら、隣の子に当たる。衣装は止まってる絵じゃなくて、舞台の上で動くものだから。……今の、長かった?
ぜんぜん長くないです! 二枚……。でも、二枚でも、いちごちゃんみたいに袖を通した瞬間に顔が変わる衣装にしたいです。
レイさんに教わってから、アニメの衣装の見え方が変わりました。ステージで回ったとき、裾がどう広がるか。腕を上げたとき、袖がどう揺れるか。衣装は、着る人と一緒に踊るものなんですね。解讀
好きな理由その四 仲間でありライバル
いちごちゃんのまわりには、一緒に頑張る友だちと、目標にしたい先輩がいます。仲良しなのに、舞台の上では負けたくない。その気持ちの両方が、まっすぐに描かれているのが好きです。仲間がいるから頑張れるし、仲間がいるから悔しくもなる。どちらも、舞台に立つ人にはきっと必要な気持ちなんだと思います。解讀
私もダンス教室の仲間には負けたくないし、でも誰かが新しい振りを覚えられたら、自分のことみたいにうれしい。……私が覚えるのは、たいてい最後なんですけど。オーディションに落ちた日も受かった日も、帰り道はいちごちゃんの笑顔を真似して歩きました。あの顔をしていると、不思議と次の日も事務所に行けたんです。喜好
このアニメを観ていると、衣装には作った人の考えがこもっていることも伝わってきます。誰かが、誰かのために考えて作った服。それを選んで着ることは、その思いごと背負って舞台に立つことなんだと思います。ルカーノさんのアトリエで型紙を直してもらうたびに、私はこのことを思い出します。喜好
苦手かもしれない人への入口
子ども向けのアニメだと思って、手が伸びない大人もいると思います。そういう人こそ、練習の場面を見てほしいです。スポーツものを観るつもりで観ると、まっすぐな努力にちゃんと心が動きます。気に入ったら、衣装を選ぶ場面だけを何度も見返すのもおすすめです。喜好
ほかの6選と
スクールアイドルを始める『ラブライブ!』とは、ゼロから舞台を目指すところでつながっています。可愛くて器用なメイさんに憧れて衣装作りに再挑戦したのは『マリッジトキシン』のころ。最初に「自分の衣装を作る」と決めたのは、このアニメでした。喜好
衣装はその日の決意そのもの。袖を通すとき、どんな自分で舞台に立つかを選んでいる。