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我的6部作品

『【推しの子】』とキャラを作る重さ

マネージャーさんの方針で、クールなキャラで売り出していた時期がありました。天然が隠しきれず、一言ごとに笑いが起きたころ。芸能界の光と影を描くアニメを、アイドル候補生のカノンが自分の迷走と重ねて語ります。

適合這樣的人
人前で「キャラ」を演じることに疲れたことがある人へ。芸能界ものに興味はあるけれど、怖い場面が少し心配な人にも。
劇透範圍
無劇透 アニメ『【推しの子】』が芸能界を描く作品であることと、公式サイトのキャッチコピーまで。物語の展開・登場人物の秘密には触れません
發言的人
Kanon × Jin
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 9 節·約 5 分鐘
  1. クール路線で迷走したころ
  2. どんなお話か
  3. 好きな理由その一 笑顔の作り方
  4. 好きな理由その二 舞台の裏の努力
  5. 好きな理由その三 怖さと可愛さが同居する
  6. 私の見方 キャラと本当の自分
  7. 好きな理由その四 客席の本気
  8. 苦手かもしれない人への入口
  9. ほかの6選と

6選の五本目は『【推しの子】』です。キャラを作って舞台に立つことの重さが、少しだけ分かる気がします。怖い場面もありますが、私は平気です。頑張る女の子がいれば、最後まで観ます。物語の大事なところは書きません。

クール路線で迷走したころ

事務所に入ってしばらくして、マネージャーさんの方針で、クールなキャラで売り出すことになりました。無口で、ミステリアスで、笑わない。私の顔立ちは綺麗系なので、見た目だけは合っていたんです。見た目だけは。喜好

ところが私は、流行にも世間の常識にもうとくて、天然が隠しきれませんでした。クールに決めたはずの一言が、ことごとく客席の笑いに変わる。緊張すると「苦しゅうない」みたいな古めかしい言い回しまで出てしまって、もう、クールどころじゃありませんでした。そのころ、家に帰って毎晩観ていたのがこのアニメです。喜好

どんなお話か

アニメの公式サイトは、赤坂アカさんと横槍メンゴさんが組んで、これまでにない角度から”芸能界”を描く作品だと紹介しています。キャッチコピーは、この芸能界では「嘘は武器だ」と言い切る一文です。事實[1]

第1期のテレビ放送は、2023年4月12日から始まりました。事實[2]

このアニメを観ていると、舞台に立つ人だけでなく、その人を支える大人たちの仕事も見えてきます。マネージャー、演出、作り手。私のマネージャーさんがクール路線を考えたのも、きっと私を売り出すために悩んだ結果だったんだと、今なら少しだけ分かります。本当に、少しだけです。喜好

好きな理由その一 笑顔の作り方

このアニメには、アイドルや役者が「見せる顔」を作る場面がたくさん出てきます。カメラの前の顔、舞台の上の顔、楽屋に戻ったあとの顔。その切り替わりが、表情の細かい変化でていねいに描かれていて、目が離せません。可愛さは生まれつきなのか、作るものなのか。私がずっと考えていることを、この作品は真正面から見せてくれます。解讀

好きな理由その二 舞台の裏の努力

華やかな場面の裏で、オーディションを受けたり、稽古をしたり、うまくいかなくて悩んだりする姿が、しっかり描かれています。表に出るのはほんの一瞬なのに、その一瞬のために積み上げる時間がとても長い。私も小さなライブハウスの舞台に立つたびに、そのことを思い出します。解讀

好きな理由その三 怖さと可愛さが同居する

このアニメには、どきっとする怖い場面もあります。でも私は、ホラーや怖い作品も平気なほうです。怖い場面の隣で、女の子たちが本気で舞台に向かっている。その姿があるから、私は最後まで観られます。怖い場面があるぶん、ステージの明るさがいっそうまぶしく見えるんです。喜好

私の見方 キャラと本当の自分

舞台の上のキャラと本当の自分は、どこまで同じでいいのか。クール路線のころ、私はそれが分からなくなっていました。作ったキャラが悪いわけじゃない。でも、自分が好きになれないキャラを演じつづけるのは、思っていたよりずっと重かった。このアニメを観ていて、その重さに初めて名前がついた気がしました。解讀

あのころのライブにも、いちばん後ろのほうに、なぜかいつもジンさんが立っていました。喜好

Jin

……偵察です。クールな時期のも、全部見てました。ただ、その……笑いが起きたときのほうが、客席はあったまってたと思います。……別に、応援とかじゃないです。

Kanon

ジンさん、なんでいつも私にだけ敬語なの? でも、ありがとう。今のは、ちゃんと覚えておくね。

好きな理由その四 客席の本気

アイドルを応援する人たちの目線が描かれるのも、この作品の好きなところです。ペンライトを握って、推しの一瞬を見逃さないように息をつめる。偵察と称してほかのアイドルのライブに通っている私には、その気持ちが痛いほど分かります。舞台の上の人も、客席の人も、それぞれ本気。だから舞台は成り立っているんだと思います。帰りの電車でペンライトを握ったまま続きを観ていると、自分がどっち側の人間なのか、ときどき分からなくなります。たぶん、両方なんですね。喜好

それから、このアニメの歌の場面は、とにかく楽しいんです。物語の中にどんな影があっても、ステージが始まった瞬間は、光のほうが勝つ。私はそこを観るたびに、アイドルという仕事が好きだと思い直します。クール路線で迷っていたころも、ステージの場面だけは、毎回元気をもらっていました。喜好

苦手かもしれない人への入口

怖い場面が心配な人は、最初は明るい時間に、誰かと一緒に観るのがおすすめです。物語の行き先を追うより、登場人物が「見せる顔」と「本当の顔」を切り替える瞬間を探しながら観ると、芸能界のお話がぐっと身近になります。前情報はなるべく入れずに観てください。喜好

ほかの6選と

作った可愛さを努力の形として見せてくれる『マリッジトキシン』とは、キャラを作るという点でつながっています。クール路線のあと、私は自分の好きな可愛い路線に戻しました。戻れたのは、作ったキャラの重さを、このアニメで先に知っていたからかもしれません。喜好

作ったキャラでも、好きになれるキャラを選んでいい。舞台の上の顔と本当の顔を、行き来しながら観てみてください。

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