ダイヤのAのアニメの、最初のシーズンを二回観た。漫画は兄ちゃんの本棚で、まだとちゅう。アニメは父ちゃんと、土曜の昼に配信で観てる。二回目は、ピッチャーじゃなくて、内野ばっかり見た。ここから先は、最初のシーズンを最後まで観た人むけ。畳んであるところは、まだの人は開かないで。
二周目は内野から
父ちゃん、二回目は、ショートとセカンドだけ見るって決めた。
一回目は、だれが投げるかしか見てなかった。でも、おれはショートだから、ほんとはうしろのほうが気になる。
少年野球で、おれはショートを守ってる。セカンドのとなり。試合中は、バッターと、となりのセカンドと、ピッチャーの背中を見てる。アニメの一回目は、テレビの中のピッチャーの顔ばっかり見てた。二回目は、自分がいつも立ってる場所から観ることにした。喜好
二遊間ってのは、船で言うと、甲板の真ん中で網をさばく二人だ。息が合わねぇと、網がからまる。
からまったことある?
ある。若いころ、先輩と逆に引いてな。……あとで、こっぴどく言われた。
父ちゃんは野球の話になると長い。少年野球の日は、父ちゃんもグラウンドにいる。でも、アニメの内野の話は、ちゃんと聞いてくれた。喜好
一回目のとき、父ちゃん、試合の場面になるたびに立ち上がってた。
立ってねぇよ。……ちょっと腰が浮いただけだ。
テレビの前で立つの、おれだけじゃなかったね。
決まりは決まりだ。父ちゃんでも座る。
一年生チームの試合
最初のほうに、一年生と、二年生・三年生のチームが試合をする回がある。一回目は、沢村が試合に出られるかどうかでどきどきしてた。喜好
一年生、上の学年とやるの、こわそうだった。
上の学年ってのは、それだけででかく見えるもんだ。
おれ、四年生になって、五年生とか六年生と試合すると、あれになる。ボールが来る前から、体がかたくなる。
そういうときは、どうしてる?
グローブを二回たたく。そしたら、ちょっと動く。
いいじゃん、それ! 自分で動き出すスイッチを持ってるやつは強ぇ。
二回目は、春市ばっかり見てた。だって、ここが春市の最初の見せ場なんだよ。
あの小さい坊主か。……一回目は、沢村のおまけだと思ってたな、俺は。
おまけじゃないよ。沢村に、どうやったら塁に出られるか言ってるの、春市だもん。
二回目に観ると、春市が最初の回から、もうバットで仕事をしてるのが分かる。体は小さい。でも、どこに打てばいいか分かってる顔をしてる。おれも、チームでいちばん小さいほうだから、春市の打席になると、ちょっと前のめりになる。解讀
体のでかさで決まらねぇってのは、海でも同じだ。でけぇ船より、小回りのきく船のほうが先に港に入ることもある。
春市、兄ちゃんと同じセカンドなんだよね。兄ちゃんが三年生で、レギュラー。
兄貴と同じ場所をねらうのか。……そりゃ、たいへんだ。
春市、ちっちゃいころ、兄ちゃんに守ってもらってたんだって。
守ってくれた兄貴と、同じ場所をとりに行くのか。……そりゃ、守られっぱなしじゃいられねぇってことだろうな。
おれも、兄ちゃんに守ってもらったこと、ある。公園で、上の学年の子とけんかになったとき。
あったな。あいつ、帰ってきても、ひとこともしゃべらなかった。
兄ちゃんは、そういうの言わないもん。
うちにも兄ちゃんがいる。兄ちゃんも野球をやってるけど、守る場所はおれとちがう。だから、けんかにならない。春市は、兄ちゃんと同じ場所。おれだったら、どうするか。二回目は、そればっかり考えながら観てた。喜好
最初に勝負した先輩
一回目は、沢村が青道に来るまでの話は、早く終わってほしかった。早く試合が見たかったから。二回目は、そこに大事な人が出てたって気づいた。喜好
沢村、まだ青道に入ってないのに、三年生と勝負するんだよ。
見学に来ただけの中学生が、いきなり四番みたいなやつとだもんな。度胸だけはある。
それに、見学に来ただけなのに、三年生とバッテリー組んでるんだよ。
初めての船に乗って、初めての船長の号令で網を入れるようなもんだな。……俺の最初の漁も、そんな感じだった。
こわかった?
こわいより、腹が減ってた。朝飯食うひまがなかったんだ。
おれも、知らないチームの人とでも、すぐ勝負したくなる。
知ってる。こないだも公園で、知らねぇ上の学年の子にかけっこ申しこんでたろ。
一回目は、東さんは、沢村がすごいってことを見せるための人だと思ってた。二回目に、最後まで観てから戻ったら、東さんの見え方が変わった。解讀
中段為止決勝の前點擊展開
夏の大会の決勝が近づいたころ、OBの東がグラウンドに戻ってきて、沢村との再戦になります。
いちばん最初に沢村と勝負した相手が、いちばん大きな試合の前に、また向き合ってくれる。ホマレはここを「勝負した人が、あとで練習の相手になってくれた」と言いました。勝ってから仲よくなるのがいちばん好きなホマレには、二周目でいちばんうれしかった場面のひとつです。ゲンの言い方では「先輩ってのは、卒業してからが先輩なんだよ」。
ホマレはノートに、東の行を「最初の勝負の相手」「あとで練習の相手」と書きました。ゲンが「お前の表は、どの話にも使えるな」と言うと、ホマレは「勝負した人が、あとでどこにいるか見ればいいだけだもん」と答えました。事實[1]
東さんの行、二回目に書き足した。
書き足すとこがあるってのは、いい話だ。
夏の大会のとちゅう
夏の大会のとちゅうに、春市が出てくる回がある。おれが二回目でいちばん止めたのは、そこ。喜好
中段為止夏の大会の一場面點擊展開
明川学園との試合のとちゅう、片岡監督は代打に春市を送ります。春市はそれにこたえてヒットを打ち、そのあと沢村、倉持が続いて、好打者の亮介が打席に入ります。チャンスの場面で亮介が選んだのは、スクイズでした。
一年生の春市が出て、倉持がつないで、亮介が決める。ホマレはここを「二遊間と、二遊間になりたい人が、一本の線でつながってる」と言いました。二周目は、この三人の打席を続けて観ると、あとの回の意味が変わってきます。
ゲンは「スクイズってのは、自分はアウトになってもいいって打ち方だ。三年の、それも好打者がやる」と言いました。ホマレは、少年野球でまだスクイズのサインを出されたことがありません。「いつか出たら、亮介さんみたいに、迷わない顔でやりたい。打てる人が、打たないで仲間を還すのは、かっこいい」と言いました。事實[1]
あそこ、三回巻き戻した。
三回か。俺は一回目で、もう泣きそうだったけどな。
父ちゃんは、いつも九回の前に泣くじゃん。
野球ってのは、九回まで待ってくれねぇんだよ。
二回目は、一回目より、ベンチから出てくる人のほうが気になるようになった。代打で出る人は、ずっとベンチで、自分の番が来るのを待ってる。待ってる時間のほうが、打ってる時間よりずっと長い。解讀
おれ、まだ代打で出たことない。ずっと守ってるから。
代打で呼ばれるのは、ベンチでちゃんと試合を見てたやつだ。船でも、代わりに舵を持たされるのは、ずっと横で見てたやつだった。
背中の後ろの声
ピッチャーが打たれて、ピンチになる回。一回目は、ピッチャーの顔ばっかり見て、こっちまでどきどきしてた。喜好
ここ、二回目は、うしろの先輩たちのほうを見た。だって、言われてるのはおれたちのことだもん。
お前たち?
内野のこと。ピッチャーのうしろにいる人。
……そうか。お前、試合でピッチャーに声かけてるか?
かけてる。でも、父ちゃんの声のほうが大きくて、たぶん聞こえてない。
……そりゃ、悪かったな。
ピッチャーは一人でマウンドにいるけど、ほんとは一人じゃない。二回目は、ピッチャーが打たれたとき、内野の人がどんな顔をしてるかを見てほしい。おれは、倉持さんの顔をさがしてた。ああいうショートになりたい。喜好
ふざけてるやつが、いちばん人を見てる。船にもそういうやつがいた。冗談ばっかり言って、時化の日に一番先に新入りの手をつかむ。
準決勝の朝
二回目に観ると、準決勝の日も、夏の大会のとちゅうの回とつながって見える。解讀
準決勝の朝の、頭のとこ。二回目も笑った。
あれな。バリカンの長さのやつを付け忘れたんだろ。俺も若いころ、船で同じことやった。
え、父ちゃんも?
そうだ。三か月は帽子を取らなかった。……母ちゃんに会う前の話だぞ。
試合の前の日の夜とか朝とかに、こういう回があると、ちょっとほっとする。二回目は、試合のあいだの、こういうところも好きになった。喜好
中段為止準決勝の一場面點擊展開
仙泉学園との準決勝。エースの丹波に代わって、春市が代打で打席に立ちます。相手のエース真木に追いこまれ、ツーストライクになった春市は、真木のカーブにていねいにバットを合わせて、大事な長打を打ちます。
ホマレはここで「追いこまれてから打つのが、春市っぽい」と言いました。ゲンは「腹をくくったやつは、二つ取られてからが強い」と答えました。事實[1]
代打って、出番が一回しかないじゃん。
一回しかねぇから、ベンチにいるあいだに、ずっと準備してるんだろ。漁も同じだ。網を入れるのは一回でも、そのための支度は前の晩からだ。
おれ、追いこまれると、すぐあせる。
俺は、あせったら一回手を放して、持ちなおす。網を引くときの話だけどな。そのほうが、結局早い。
それ、ほんと? 網と野球、同じ?
知らん。俺は網のほうしか分からん。
次の試合で、追いこまれたら、一回バットを持ちなおしてみる。父ちゃんの網と同じになるか、ためす。喜好
不作と呼ばれた三年生
大きな試合の前の日の回。一回目は、早く試合が見たくて、ほとんど流して観てた。二回目は、そこが好きになった。喜好
不作って、なに?
畑で、野菜があんまりとれなかった年のことだ。漁なら、不漁だな。
じゃあ、三年生は、あんまりとれなかった年の人たちってこと?
最初は、そう言われてたってことだ。とれねぇ年でも、手を入れりゃ、次の年は変わる。畑も、海も、人もな。
おれたちの学年も、上の学年に「今年の四年は弱い」って言われた。
言われたな。で、どうした。
くやしいから、昼休みもキャッチボールしてる。まだ勝ってないけど。
そりゃ、三年生と同じ道だ。……続きは、お前らで書け。
一回目は、三年生はみんな最初から強い人だと思ってた。二回目にこの回を観たら、最初は強くなかったんだって分かった。そうすると、そのあとの試合で三年生が打ったり守ったりするたびに、ちょっとちがって見える。解讀
降谷くん、最初は、ひとりで投げてるみたいな顔してた。
ああいう顔のやつは、船にもいる。でも、うしろのやつらの苦労を知ると、顔が変わる。
二回目は、降谷くんがマウンドからうしろを見るとこを、さがしてた。
見つかったか。
まだ数えてるとちゅう。三回目にもさがす。
監督が自分でずっとノックを打つって、うちの監督はやらない。
やったら、俺が止める。……いや、俺が止められる側か。
中段為止決勝の朝の発表點擊展開
決勝の先発メンバーが発表されたとき、三年生の坂井は、そこに自分の名前を見つけられませんでした。
ホマレがこの回で長く止めて観たのは、発表された直後の坂井の顔でした。ホマレは「名前が呼ばれないの、いちばんいやだ」と言い、少年野球でベンチに座っていた日のことを少しだけ話しています。ゲンはそれを聞いて、しばらく何も言いませんでした。そのあとで「名前を呼ばれるやつがいれば、呼ばれねぇやつもいる。でもな、呼ばれなかったやつが、そのあとどんな顔してベンチにいるかで、チームの強さが分かるんだ」と言いました。事實[8]
攻守交替の呼び止め
決勝の試合は長い。一回目は、ずっと息を止めて観てた。父ちゃんは、九回になる前から泣いてた。喜好
泣いてねぇ。目にゴミが入っただけだ。
声、でかい。
父ちゃんの声が大きいときは、うそのとき。でも、今日はそれを言うのはやめておいた。決勝の話のほうが大事だから。喜好
二回目は、ここで止めた。倉持さんが亮介さんを呼び止めるとこ。
守りにつくとき、ってのがいいな。二人で並んで走っていく、そのとちゅうだ。
二遊間だから、いちばん近くにいるんだよ。だから、いちばん先に気づく。
船でもな、となりで網を引いてるやつの手が止まったら、すぐ分かる。顔を見なくても、網の重さが変わる。
網の重さ?
おう。片っぽが力を抜くと、こっちの手にずしっと来る。それで分かる。言葉より早い。
ショートとセカンドは、試合中、ずっととなりにいる。ゴロが来たら、どっちが取るか、どっちがベースに入るか、声と顔で決める。だから、となりの人がいつもとちがったら、すぐ分かる。二回目に観る人は、決勝の回で二遊間の二人が走っていくところを、二人ぶん見てほしい。解讀
結局·真相決勝の代打點擊展開
決勝の終盤、青道が反撃を始めた場面で、亮介に代わって代打に春市が送られます。春市は塁に出て、チャンスをつなぎます。そのあとは、四番の結城と、稲城実業のエース成宮との勝負です。
ホマレは、明川戦で兄のスクイズの前に代打で出た春市と、決勝で兄の代わりに打席に立つ春市を、続けて観たと言いました。同じ弟が、一回目は兄の前に出て、二回目は兄の場所に入る。ゲンは「そりゃ兄貴も、弟にしか渡せねぇよ」と言いました。事實[9]
木のバットって、少年野球だとだれも使ってない。
重いし、芯をはずすと飛ばねぇからな。わざとむずかしいほうを持つってのは、勝負好きのやることだ。お前に似てるぞ。
おれ、むずかしいほうで勝つの、好き。太鼓のゲームもそう。
夏のあとの二遊間
決勝のあとも、アニメは続く。一回目は、試合のない回は、ちょっと早送りしたくなった。二回目は、そこから先で、いっぱい見つけた。喜好
結局·真相決勝の結末と、そのあと點擊展開
決勝は九回裏に稲城実業が逆転し、青道は甲子園まであとアウトひとつのところで敗れます。
三年生が引退し、新しいチームのキャプテンには御幸が選ばれます。副キャプテンになるのは、倉持と前園です。
ホマレはここで、ノートに「ショート 倉持さん 副キャプテン」と書きました。やんちゃな倉持が、チームを引っぱる側になる。二周目は、倉持が最初の回からまわりの人とどう話していたかを見ていくと、この役目がしっくりきます。
ホマレは、三年生が引退して、亮介が二遊間からいなくなるところで、しばらく画面を止めていました。「倉持さん、となりがいなくなる」と言うと、ゲンは「となりがいなくなったら、今度は自分がだれかのとなりになる番だ」と答えました。事實[9]
大きい試合のあと、だれが次に何をするかって、おれ、それを見るのが好きなんだ。
知ってる。お前は、ベイで負けたら、次の勝負の作戦をすぐ考えてる。
このアニメ、大きい試合のあとの回が長いじゃん。それがいい。
大きな仕事のあとの朝ってのは、漁でもある。獲れても獲れなくても、次の日にもう一回船を出せるかどうかだ。……出すしかねぇんだけどな。
結局·真相新しいチームの秋點擊展開
新しいチームになってから、沢村は思うように投げられなくなり、イップスに苦しみます。仲間たちは、黙ってランニングを続ける沢村を信じて見守ります。
ホマレは、ここでも内野を見ていたと言いました。投げられなくなったピッチャーのうしろで、守る人たちは何をしているか。答えは「待ってる」でした。ゲンは「待つのも仕事のうちだ。網を入れたら、上げる時まで待つ」と言いました。事實[10]
待ってるのって、何もしてないみたいに見えるけど、ちがうんだね。
ちがう。待ってるやつは、待ってるあいだに自分の仕事を増やしてる。……母ちゃんもそうだった。俺が海に出てるあいだ、ずっとな。
母ちゃん、待ってるとき何してたの?
それは、母ちゃんに聞け。俺が言うと、話が大きくなる。
あとで台所の母ちゃんに聞いたら、「ごはんを作ってたのよ」って、それだけだった。父ちゃんの話より、ずっと短かった。喜好
最後の試合の九回
最初のシーズンの、最後の何回か。一回目は、沢村のことばっかり心配してた。喜好
結局·真相最後の回點擊展開
結城から、片岡監督が辞めるつもりでいることを聞かされた三年生たちは、新しいチームのために、自分たちの引退の前の試合を監督に願い出ます。結城は、新キャプテンの御幸に、チームの先頭に立つ者としての言葉を渡すのです。
最終話、試合は三対三の同点。九回、沢村がマウンドに上がり、三年生チームが代打に送るのは、クリスです。
ホマレがこの試合でいちばん見ていたのは、新しいチームの側の内野でした。ついこのあいだまで同じチームで守っていた三年生と、向かい合う側に立つ。ゲンの感想は「船の乗組員が入れかわっても、船は同じ船だ」。
ホマレは「引退する人と、残る人が、最後にちゃんと勝負するのがいい」と言いました。勝負してから仲よくなるのが好きなホマレにとって、もう仲間の人たちと、最後にもう一度だけ本気で勝負する試合は、二周目でいちばん長く観ていたい回になりました。事實[10]
伊佐敷さんって、最初ピッチャーだったんだって。
ほう。持ち場を変えて、それでもレギュラーになったのか。……そういうやつは、強ぇぞ。
おれも、最初はピッチャーやりたかった。でも、ショートになった。いまは、ショートでよかったって思う。
なんでだ?
ピッチャーの顔は見えないけど、ピッチャーより先に、いろんなことに気づけるから。
……お前、それ、監督に聞かせたいくらいだ。
やだ。父ちゃんが言ったら、声でかくて、また止められるもん。
俺が言うとは言ってねぇ。
それを言ったら、父ちゃんは何も言わないで、おれの頭の帽子を、うしろ向きから前向きに直した。それから、また後ろ向きに戻した。どっちがいいか、まよったんだと思う。作品中的觀察
で、三回目は何を見るんだ。
三回目は、外野。白州さんとか、伊佐敷さんとか。父ちゃんは?
俺は、ベンチだ。試合に出てねぇやつの顔を見る。出てるやつより、よっぽど野球してる顔をしてるからな。
それ、父ちゃん、二回目のときも言ってた。
……ばれたか。俺はもう二回目からベンチを見てたんだよ。
父ちゃん、おれ、二回目で一個決めた。
何をだ。
試合でピッチャーが打たれたら、すぐ声かける。父ちゃんより先に。
……俺より先か。そりゃ、俺が黙ってなきゃ無理だな。
黙ってて。
……わかった。
父ちゃんは、言い返さなかった。たぶん、次の試合も、黙っていられないと思う。でも、おれのほうが先に言う。ショートからは、ピッチャーの背中がよく見えるから。喜好
二回目は、ピッチャーをお休みして、内野ばっかり見た。漫画の続きは兄ちゃんの本棚でまだとちゅうだから、沢村がこれからどうなるかは知らない。でも、それを知らなくても、二回目は楽しかった。三回目は、外野の番。喜好
二周目は、夏の大会のとちゅうで春市が出てくる回から観てみてほしい。そこで二遊間の二人がどこにいて、何をしているかを見ていると、内野の見え方が変わる。