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二周目

『ちはやふる』二周目は太一の顔から

姉の隣で観た一周目は、札が飛ぶ瞬間ばかり追っていた。二周目は、言いかけては黙る人の顔を追ってみる。剣道と空手のアカリと通話しながら、イトが『ちはやふる』を観直して見つけた、もう一回止めたくなる場所。

本文含有直到结局的剧透

范围テレビアニメ『ちはやふる』第1期から第3期の最終話まで。原作漫画の、アニメより先の展開と結末には触れません

这是写给看完作品、想在二周目看得更有趣的人的文章。中段展开与结局、真相的细节都折叠起来,点击才会显示。

适合这样的人
テレビアニメの第3期まで観終えた人へ。二周目を、札を取る速さではなく、言わないでいる人の顔から観直したい人に。
剧透范围
会提及结局 テレビアニメ『ちはやふる』第1期から第3期の最終話まで。原作漫画の、アニメより先の展開と結末には触れません
发言的人
Ito × Akari × Shizuka
主张的种类: 事实 作品中的观察 有依据的推测 解读 喜好
目录 共 10 节·约 17 分钟
  1. 二周目はだれの顔を追うか
  2. 小学校の大会の日
  3. 見ている人の席
  4. 奏ちゃんの見ているもの
  5. 千早の家の居間
  6. 白いたすき
  7. 遠くにいる新
  8. 太一の顔をもう一度
  9. 動く前と動いたあと
  10. 二周目に最初に見るところ

テレビアニメ『ちはやふる』を、第3期の最終話まで観た人に向けた二周目の話です。一周目は姉の隣で、札が飛ぶ瞬間ばかり追いかけていました。二周目は、目の置き場所を一人ぶんずらして、言いかけては黙る人の顔を追いました。日曜の昼、居間の家族のタブレットでアカリさんと通話しながら、台所の母にも少しだけ手伝ってもらって書きます。真ん中から先の話と最後のほうの話は、畳んであります。

二周目はだれの顔を追うか

一周目の私は、千早しか見ていなかった。札が読まれる前の千早の目、払ったあとの千早の手。主人公だから当たり前なんだけど、ずっと千早の顔の正面に座っているような観方だった。喜好

二周目は、その席から一つ横にずれてみた。千早の隣にいて、何か言いかけて、言わないで、別の話をする人。太一。そうやって座り直すと、同じ場面なのに、画面の端のほうが急ににぎやかになる。解读

Akari

太一ね。私、あの人見てるとじれったくなる。言えばいいのに。

Ito

言わないところがいいです。言わない時間が長いから、二周目で最初のほうの顔が全部ちがって見えます。

Akari

ふうん。じゃあ最初から行こ。私、稽古のあとだから、手短にね。

Shizuka

アカリさん、お昼は食べましたか。イトが長くなったら、遠慮なく止めてくださいね。

Akari

食べました。大盛りで。……止めるのは、たぶん無理です。

Akari

私、一周目は取る瞬間ばっかり見てた。剣道の一本と同じで、そこだけ巻き戻して観てた。

Ito

私も一周目はそっち側でした。二周目は、一日に一話ずつ、夏休みの昼に観ました。一話ごとに、太一の顔を一つだけクロッキー帳に描くって決めて。

Akari

一話に一つ? 全部の回で?

Ito

描けない回もありました。太一が画面に映らない回は、描けないから、空いてるページがあります。

Akari

空いてるページも、記録じゃん。

Ito

はい。空いてるページのほうが、なんだか長く見ていられます。

小学校の大会の日

最初のほうの、小学校のかるた大会。福井から来た転校生の新と、千早と、太一。一周目は、ここはただの「始まりの事件」だと思っていた。意地悪をした子が謝って、三人でかるたをするようになる。物語の入口によくある形。だから、早く高校の話にならないかな、くらいの気持ちで観ていた。喜好

中段为止小学校の大会の裏で(中盤の展開)点击展开

新が千早と仲よくなったのが面白くない太一は、大会のさなかに新の眼鏡を隠してしまう。眼鏡のない新に代わって、太一の相手は千早がつとめる。あとで太一は新に謝り、このことを千早には知られたくない、言わないでほしいと頼む。事实[1]

Ito

私は二周目、謝るところの太一の顔で一回止めました。目の前の新に謝っているのに、目がどこを向いているか。

Akari

私、そこは単純に怒る。試合の途中で相手の道具に手を出すの、いちばんダメ。礼が先でしょ。

Ito

怒っていいです。私も一周目は怒りました。二周目は、怒りながら、あの頼みごとのことを覚えておくことにしました。

Akari

覚えとくと、なんかあるの?

Ito

あると思いました。だいぶ先で。

太一のお母さんは、勝つことを何より大事にする人として出てくる。小学生の太一の背中には、いつもその声が乗っているように見える。二周目で観ると、太一がこのあとずっと、その声を捨てられないまま大きくなったように見えた。事实[1]

Shizuka

お母さまの言い方、母親の側からは、少し分かる気もするんです。負けて帰ってくる顔を見たくない、という気持ちは。

Ito

母ちゃんは、そういうとき何も言わないで、汁ものを一杯よそうでしょ。

Shizuka

あら。よく見ていますね。

その日の夜、クロッキー帳に小学生の太一を描いた。頭を下げているところ。前髪で目が隠れるから、描くときは、目を描かないで済む。描いてから気づいた。目を描かないと、この子が誰に向かって謝っているのか、絵の中では分からなくなる。だから私は、前髪の下の目の向きを、二周目でいちばん気にして観た。喜好

Akari

描いたの、あとで見せて。

Ito

……目のないやつですよ。

見ている人の席

高校でかるた部ができてから、二周目でいちばん忙しくなるのは目だった。試合の場面で、私は札じゃなくて、試合を見ている側の人を見ることにした。誰が誰の試合を見ていて、誰が誰を見ていないか。畳の上の一枚より、壁ぎわに並んで座っている人たちの首の向きのほうが、話を先に知っている気がした。解读

中段为止部長になる人(中盤の展開)点击展开

高校に入った千早がかるた部を立ち上げようとすると、はじめは気の進まなかった太一も、結局その中に引っぱりこまれる。太一は部長になり、勝てずに落ちこむ部員がいる大会では、部長としてチームを一つにまとめようとする。事实[1]

Ito

部長の太一は、試合のあいだ、ずっと部員の顔を見てます。自分の札より、まわりの顔。それを見るたびに、この人は自分のことだけは後回しにする人なんだと思いました。

Shizuka

世話を焼く人ほど、自分のお茶碗は最後によそうものです。

中段为止新しい部員(中盤の展開)点击展开

第2期のはじめ、かるた部には新入部員が来る。その一人の花野菫は、もともと太一が目当てで入部してきた子として描かれる。事实[6]

Akari

目当てで入ってくる子、道場にもいる。最初の一週間で、だいたい分かる。

Ito

菫ちゃんは、そこから残る子です。恋の話しかしない子に見えて、人が誰を見ているかは、いちばん早く気づく。

Akari

恋の話は無理。でも、気づくのが早いのは認める。

菫ちゃんは、最初は自分の目当てのことしか口にしない子として出てくる。一周目の私は、正直ちょっと苦手だった。二周目で見ると、この子はずっと、人が誰を見ているかを見ている。私と同じ係の人だ、と思った。そういう係の人は、気づいても、たいてい自分の得にはならない。それでも見てしまう。見てしまったら、どこかで言うか言わないかを決めなきゃいけなくなる。解读

结局·真相結末にふれます点击展开

第3期の終わりのほうで、菫は太一に自分の気持ちを伝える。そのうえで、先輩も自分の好きな人に気持ちを言ってください、と太一の背中を押す。事实[1]

Ito

菫ちゃんの場面は、畳んだところに書きました。私は、何回観ても、そこで手が止まります。

Akari

私も好き。筋が通ってる。

奏ちゃんの見ているもの

奏ちゃんは、歌の意味をいちばん知っている人。前に6選で書いたときは、好きなものを好きと言える人として書いた。二周目で気づいたのは、奏ちゃんが、歌と同じくらい、部室の人の顔もよく見ていることだった。解读

中段为止奏の夢(中盤の展開)点击展开

奏は、試合で歌を読む専任読手という役目にあこがれ、いつかそれを目指したいと考えるようになる。ただ、そのためにはまず自分がA級にならなければならない、という高い壁がある。事实[1]

中段为止奏が気づいていること(中盤の展開)点击展开

奏は、太一が千早をどう思っているかに早くから気づいていて、機会があるたびに、太一と千早が近づくように手を回す。事实[1]

Akari

気づいて、手を回すのか。言うんじゃなくて。

Ito

はい。奏ちゃんは、言わないで動かす人です。菫ちゃんは、また違うやり方をする人。同じことに気づいてるのに、動き方が違う。

Akari

それ、稽古の先輩と同じ。言葉で直す人と、黙って相手を組ませる人がいる。

奏ちゃんがいいなと思うのは、自分では札を取らない場面でも、歌の話をやめないところ。かるた部は勝つための部なのに、奏ちゃんだけは、ずっと歌そのものの話をしている。速さの話をしている部屋の中で、一人だけ、歌が作られた季節の話をしている。読む人になりたい子は、たぶん、聞く人の顔をいちばん知っている子でもあるんだと思う。解读

Shizuka

読む人は、聞く人の顔を見て、声の速さを変えるのでしょうね。台所でも、食べる人の顔を見てから、汁を足すかどうか決めますから。

千早の家の居間

私は五人きょうだいの四番目だから、千早の家の場面は人ごとじゃなかった。家族の目が、ほかのきょうだいのほうを向いている日。そういう日が、どの家にもある。うちでも、上の兄や姉の行事が重なる週は、夕飯の話題がずっとそっちになる。それがさびしいとかじゃなくて、ただ、自分の話をする順番が来ないまま一週間が終わることがある。千早の家の居間の場面は、その一週間の感じがよく出ていると思った。喜好

Shizuka

お母さまの顔、一周目の私は、少し苦手でした。二周目は、上の子のことで台所から出られない顔に見えました。

Ito

二周目、母ちゃんもいたんだ。

Shizuka

ええ。私はいつも、同じ回を初めてのように観ていますけれど。

中段为止姉の千歳(中盤の展開)点击展开

姉の千歳は、はじめは千早のかるたにあまり関心を向けない。それでも、千早が本気でかるたに打ちこむ姿を見るうちに、千歳の気持ちも少しずつ動いていく。事实[1]

Ito

うちにも、私の絵を見て、何も言わないで自分の机に戻っていく姉がいます。戻ったあと、だいたい何かを始めてる。

Akari

……うちの兄貴もそう。何も言わないで、次の日には何か変わってる。

中段为止家族が見ていたもの(中盤の展開)点击展开

全国大会を前に重圧を感じていた千早を元気づけるのは、思ってもいなかった人たちの応援だった。父は、千歳の記事をまとめるのと同じように、千早の大会の記事もちゃんと切り抜いて取っておいた。第2期では、母が千早のために着物を用意する。事实[1]

Shizuka

畳んだところのお父さま、うちの人とは正反対の方でした。うちの人は、思ったことを全部、先に泣きながら言ってしまいますから。

Ito

父ちゃんは集めない。全部しゃべる。

うちの父ちゃんは、思ったことが声の大きさで全部出る。母ちゃんは、思ったことを台所の手つきで出す。千早の家は、どっちとも違って、思っていることが机の引き出しにしまってある家だった。家によって、気持ちのしまい場所が違う。二周目でそれに気づいてから、ほかの登場人物の家も、どこに何をしまっているのか気になりはじめた。解读

私が家族の顔で一回止めたのは、最初の小学校の大会の日に、家族が千早のほうを見ていない場面。そこで顔を覚えておくと、あとで畳んだ場面に来たとき、その顔の重さが変わって見えた。言わないで見ている人は、かるた部の中だけにいるわけじゃなかった。解读

白いたすき

詩暢ちゃんは、一人で強くなった人として出てくる。一周目の私は、こわい人だと思っていた。千早のことを笑うし、服はちょっと変だし、試合では一枚も取らせないって顔をする。二周目に見ると、詩暢ちゃんは「友だち」という言葉が出そうになるたびに、自分でそれを引っこめる人だった。解读

中段为止詩暢の小さいころ(中盤の展開)点击展开

詩暢は小さいころ、強くなるためにと、かるた会でほかの子どもたちから離されて育った。同じ年ごろの友だちがいないまま、一人で札と向き合って強くなっていく。事实[1]

Ito

一人で強くなった人が、誰かから何かを受け取る場面があります。私は、そこに来るまでの詩暢ちゃんの横顔を、全部覚えておきたいと思いました。

结局·真相結末にふれます点击展开

クイーン戦で、詩暢は挑戦者に一試合を取られ、ひどく動揺する。そこへ、会場に来ていた千早が、手持ちの布で急いでたすきをこしらえて、詩暢を送り出す。詩暢はそのあと接戦をものにして、クイーンの座を守る。事实[1]

Akari

畳んだとこ、かっこいい。道場でも、相手の帯がほどけてたら、組手を止めて結び直すまで待つ。

Shizuka

急いで、手元にあるものでこしらえる。そういうものほど、渡された人は長く使うものです。上等な品より、間に合わせのほうが、ずっと残ることがあります。

Ito

ここは、二人ともほとんど何も言わないのに、ちゃんと通じる場面です。言わないのがうまくいくほうの例。

Akari

言わないのがうまくいくときと、ダメなときがあるってこと?

Ito

はい。この作品、両方あります。だから二周目が忙しい。

詩暢ちゃんの場面で、二周目にもう一つ気になったのは手元。かるたの試合は、着物の袖が札の上を通る。袖が重いと、手が一拍遅れる。一周目は着物をきれいだなと思って観ていただけだったのに、二周目は、誰が何を身につけて畳に座っているかが、全部その人の今の気持ちに見えてきた。解读

遠くにいる新

新は、ずっと遠くにいる人。福井と東京で、会えるのはだいたい大会の日だけ。一周目の私は、新が何を考えているのか、ほとんど分からないまま観ていた。二周目は、新の黙り方を、太一の黙り方と並べて観た。解读

中段为止小学校の終わりの約束(中盤の展開)点击展开

小学校を卒業するとき、新は福井へ帰ることになる。三人は、かるたさえやめなければいつかまた会える、と約束して離ればなれになる。事实[1]

Akari

約束して別れるの、いいじゃん。稽古も、また来週って言って終わる。

Ito

いいです。でも二周目だと、その約束を、三人がそれぞれ違う重さで持って帰ったように見えました。太一は、あの日、新に頼みごとをしたままだったから。

中段为止新が離れていた理由(中盤の展開)点击展开

高校生になった千早と太一が福井まで訪ねていくと、新はかるたをやめていた。大好きだった祖父が亡くなった日が、新がA級に上がる大会に出ていた日と重なってしまったことが、そのきっかけだった。事实[1]

新は、言わない人というより、言えなくなった人なんだと思う。二周目は、黙っているあいだに新が何を抱えていたかを知ったうえで、福井の場面を観る。同じ黙り方なのに、太一の黙り方とは中身がまるで違う。解读

中段为止祖父のかるた(中盤の展開)点击展开

第3期、名人への挑戦者を決める試合で、新は相手のペースに振り回される。そこで千早の言葉をきっかけに、永世名人だった祖父のかるたを思い出し、試合の流れを自分のほうへ引き戻していく。事实[15]

Shizuka

おじいさまの取り方が、新さんの手の中にちゃんと残っていたんですね。台所でも、祖母に教わった手つきは、体のほうが先に覚えています。

Ito

言葉をかけたのは千早で、取ったのは新の手で、取り方はおじいちゃんの。一枚の札に三人いるみたいでした。

结局·真相結末にふれます点击展开

第2期の終わり、高校選手権の個人戦A級の決勝は、新とクイーンの若宮詩暢の試合になる。新は、最強と言われる詩暢を破って優勝する。事实[8]

结局·真相結末にふれます点击展开

名人の挑戦者を決める試合で、新は原田先生に敗れる。思い入れの強い札にこだわりすぎたことを悔やんだあと、新は千早に気持ちを伝える。千早は返事ができないまま、試験勉強にも身が入らなくなる。事实[1]

Akari

新の場面、私は稽古の帰りに、もう一回観る。

Ito

はい。新の黙り方は、太一とは別の重さがあるので、並べて観ると面白いです。

太一の顔をもう一度

ここからは、小学校の大会の日に一回止めた太一の顔を、ずっと頭のすみに置いたまま観た。一周目の私は、第3期の後半を、ただびっくりして観ていた。二周目は、びっくりする前に、小学校の大会の日の顔がちらちら重なって、観ていて落ち着かなかった。解读

中段为止修学旅行の日(中盤の展開)点击展开

第3期の前半、千早は、将来は先生になりたいという気持ちから、クイーン戦の予選に出ないで修学旅行に行くことを選ぶ。同じころ、太一は千早に言わないまま、名人戦の予選に出ている。旅行先の千早は、太一の試合が気になって上の空になる。事实[19]

Akari

言わないで出るの、ずるくない?

Ito

ずるいかどうかは、私も決めてないです。でも、小学校の大会の日に止めた顔を思い出しました。あの日も、太一は千早に言わない側でした。

Shizuka

言わないでいるのも、言うのと同じくらい、力のいることですよ。

中段为止名人との練習の日(中盤の展開)点击展开

第3期、千早と太一は、名人の周防と練習で手合わせする機会を得る。千早は、周防の冷たい態度と、クイーンにはなれないという言葉にひどく傷つく。事实[14]

Akari

そういう言い方する人、いちばん嫌い。説明しないで決めつけるの。

Ito

私も。でも、そのあとの太一の顔は、私は一周目より長く見ました。

结局·真相結末にふれます点击展开

名人戦・クイーン戦のあと、太一は東京に戻らず、一人で別の大会に出ることを決める。前にも一度あった太一の抜けがけで、どうして太一はいつも何も教えてくれないのか、と千早は悩む。事实[11]

结局·真相結末にふれます点击展开

第3期の終わりで、太一は胸の奥にずっと置いていた気持ちを、とうとう千早に打ち明ける。千早はそれを受け取ることができない。太一は部に来なくなり、千早は、長いあいだそばにいた人の気持ちに気づかなかった自分を責めて、畳の前に座っても札を払えなくなる。事实[12]

结局·真相結末にふれます点击展开

小学校の大会の日、太一は千早に知られたくないことを、千早には言わないでほしいと新に頼んだ。第3期の後半では、太一が何も言わずに一人で動き、千早は、どうして教えてくれないのかと悩む。二周目の私には、この二つが同じ人の同じ癖に見えた。そして最後に、その人が、いちばん言わずにきたことを自分の口で言う。解读

Akari

……畳んだとこ、私はやっぱり、じれったい。

Ito

じれったいです。……見てた? 頭を下げたときの太一。

Akari

見てた。あれ、謝ってる顔っていうより、こわがってる顔でしょ。

Ito

はい。私は二周目、何回もあの顔に戻ってきました。

第3期の終わりの場面を、私はクロッキー帳には描いていない。描こうとして、やめた。描くと、自分が勝手に何か言ってしまう気がしたから。その代わりに、小学校の大会で頭を下げている太一の絵の隣のページを、空けたままにしてある。空いているページがあるほうが、この作品らしい気がする。喜好

Shizuka

言わないで黙っている人は、何もしていないように見えて、ずっと気を張っているものです。台所で帰りを待つ人と、少し同じところがあります。

動く前と動いたあと

最後に、アカリさんとずっとかみ合わなかった話。速さの話。

中段为止原田先生の言葉(中盤の展開)点击展开

第1期の後半、速さが持ち味の千早に、原田先生は、速く取るのをやめなさいと言う。千早はそこで、自分のかるたと向き合い直す。事实[1]

Akari

それ、私が言われたら、なんで?って三回聞く。

Ito

千早も最初は、そういう顔をしてました。

Akari

でも、説明してもらえたらやる。先生が理由を言ってくれるなら。

中段为止A級への近道(中盤の展開)点击展开

A級に上がる近道が目の前にあっても、太一はそれを選ばない。逃げない人になりたい、という理由で。事实[1]

Akari

それは好き。近道を断る人、道場にもいる。そういう人が、いちばん最後まで残る。

Ito

近道を断るのは言えるのに、自分の気持ちは言わない。太一の中で、そこだけずっと逆なんです。

太一のほうは、速さじゃなくて、運の話がついて回る人として描かれる。肝心なところで、札の運が向こうに行くことが多い。一周目の私は、それをちょっとかわいそうな設定だと思っていた。作品中的观察

中段为止団体戦の決勝の最後の一枚(中盤の展開)点击展开

第2期の全国大会の団体戦の決勝は、最後に運命戦までもつれこむ。そこで瑞沢の側の札が読まれ、瑞沢高校が優勝する。事实[1]

Ito

ずっと待ってた人のところに、札が来る。私、あそこの太一の顔を、三回止めて描きました。

Akari

見たい。待ってた人が取る一枚、いちばん重いから。

中段为止個人戦のB級(中盤の展開)点击展开

第2期の終わり、太一は高校選手権の個人戦B級で優勝し、A級に上がる。千早はそれを、自分のことのように喜ぶ。事实[18]

Ito

千早が自分のことみたいに喜ぶ顔を、太一がどんな顔で見ていたか。私はそこを止めて描きました。描いてみたら、私の絵では、うれしいのに少しだけ困った顔になりました。

Akari

結局、私は動いたほうが勝ちだと思う。千早は動くのが速いから、あそこまで行けた。

Ito

千早はそうです。でも太一は、動く前のコマがいちばん長い人なんです。

Akari

動く前が長い人の試合、見てて疲れる。

Ito

疲れます。でも、その疲れ方が好きです。札が読まれる前の一秒が、太一だけ一年くらいある感じ。

Akari

一年は言いすぎ。……でも、言いたいことは分かる。

アカリさんは、動いた人の一歩目を見る。私は、動く前の顔を見る。同じ場面を観ているのに、二人で見ている場所が半分ずれている。どっちが正しいかは決めなくていいと思った。千早と太一と新も、三人とも違う場所を見ながら、同じ一枚を待っていたから。解读

二周目に最初に見るところ

私の二周目は、第1期のはじめの小学校の大会から始めた。太一が頭を下げる場面で、一回止めた。顔の向きと、口の形を見た。そのあとは飛ばさずに、順番に観た。菫ちゃんが入ってくる春、奏ちゃんの夢、千早の家の居間、白いたすきを通るたびに、言わない人と言う人の顔が入れ替わった。私はそれを、クロッキー帳に一つずつ描きながら観た。 私は一周目、姉の隣で千早の正面の席に座って最後まで観た。その一周目があったから、横にずれた二周目で、景色の違いがよく分かった気がする。喜好

一周目と二周目のあいだで変わったのは、作品じゃなくて、私の座る場所だけ。それでも、座る場所を一つずらすと、同じ三期ぶんの話が、ほとんど別の話になる。三周目は、たぶん奏ちゃんの席に座ってみると思う。歌の意味を知っている人の耳で、読まれる前の一秒を聞いてみたい。喜好

Shizuka

三周目のときは、私も最初から座りますね。今度は、同じ回を初めてのようにではなく。

Ito

母ちゃんは、たぶんまた初めてのように観ると思う。

Akari

じゃあ私も、来週の稽古の前に、最初の大会のとこだけ観る。止めたとこ、あとで教えて。

私の二周目は、第1期のはじめの小学校の大会から。頭を下げる太一の顔で一回止めて、その顔を覚えたまま先へ進むと、太一が黙っている場面が全部ちがって見えた。

本文中的作品

讲述者 Ito 连画格外的表情都会读的14岁少女漫画迷 阅读更多 Ito 的文章 →

出处

  1. ちはやふる(Wikipedia 日本語版) ja.wikipedia.org
  2. ちはやふる(コトバンク デジタル大辞泉プラス) kotobank.jp
  3. List of Chihayafuru episodes(Wikipedia 英語版) en.wikipedia.org
  4. 第2首「からくれなゐに」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる」公式サイト) www.ntv.co.jp
  5. 第12首「むらさきのゆきしめのゆき」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる」公式サイト) www.ntv.co.jp
  6. 第1首「はなのいろは」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる2」公式サイト) www.ntv.co.jp
  7. 第4首「ひとにはつげよ あまのつりぶね」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる2」公式サイト) www.ntv.co.jp
  8. 第25首「ふじのたかねにゆきはふりつつ」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる2」公式サイト) www.ntv.co.jp
  9. 第十五首 ながれもあへぬ もみぢなりけり(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  10. 第十八首 あらざらむ(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  11. 第二十一首 ひともをし(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  12. 第二十四首 かぜをいたみ(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  13. 第17首「みちこそなけれ」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる」公式サイト) www.ntv.co.jp
  14. 第十六首 ぬさもとりあへずたむけやま(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  15. 第十三首 ふりゆくものはわがみなりけり(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp
  16. 第4首「しつこころなくはなのちるらむ」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる」公式サイト) www.ntv.co.jp
  17. 第10首「ゆくもかへるもわかれては」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる」公式サイト) www.ntv.co.jp
  18. 第24首「かくとだに」ストーリー(日本テレビ アニメ「ちはやふる2」公式サイト) www.ntv.co.jp
  19. 第八首 これやこの(日本テレビ TVアニメ「ちはやふる3」公式サイト) www.ntv.co.jp

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