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『PSYCHO-PASS サイコパス』の二周目。一周目は、常守朱が何を選ぶのかだけ見てた。二周目は違う。朱が選ぶたびに、その横で誰が何を払ったのかを数える。そうすると、同じ22話が、ずいぶん別の話に見えてくる。展開や結末にふれる部分は全部畳んでおくから、まだ見終わってない人はそこを開かないで。
二周目は年表を横に置く
公式サイトの第1期スタッフ欄には、総監督が本広克行さん、監督が塩谷直義さん、ストーリー原案と脚本が虚淵玄さん(ニトロプラス)、アニメーション制作がProduction I.Gと書かれている。Fact[1]
で、二周目で私がいちばん使ったのは、本編じゃなくて公式サイトのストーリーのページ。そこには各話の紹介といっしょに「WORLD CHRONICLE」という年表が載ってる。何年何月に何が起きたか、誰がいつ配属されたか。作中の出来事が、役所の記録みたいな乾いた一行で並んでる。Preference[2]
これが効く。本編は人の顔と声で見せてくる。年表は顔を消して、一行にする。その二つを並べると、仕組みが人をどう「記録」するのかが、いやでも見える。この作品が見せたかったものの半分は、たぶんその落差にある。Interpretation
年表から読むっていうのは、僕のやり方に近いね。町内会の議事録だけ読んで、その年に何があったかを想像するみたいな。
いや、ガクのは楽しんで読むやつでしょ。私は腹を立てながら読む。議事録に書かれなかった人を探すために。
それは、たしかに違う読み方だ。今日はそっちに付き合うよ。
その仕組みは何のために始まったか
一周目では気にしてなかったけど、年表は物語のずっと前から始まってる。読んでいくと、人の心を測る仕組みの出発点は、裁くためじゃなかった。仕事を失った人の就職を助けるために、まずマークシート式の「職業適性考査」が入った、と書いてある。Fact[4]
ここは僕の担当だね。制度っていうのは、たいてい善意の顔で始まる。最初は「困ってる人を助ける窓口」なんだ。それが便利だから、ほかの用途にも使い回される。適性を測る道具が、いつのまにか人を分ける道具になっていく。Interpretation
厄介なのはそこ。始まりがいい話だから、あとで誰も止められない。「助けるための仕組みでしょ」って言われたら、文句言う側が悪者になる。Interpretation
年表にはもう一つ、二周目の私をぞっとさせた一行がある。食料の話。外国に頼らない体制をつくるために、北陸を大きな無人の穀倉地帯にして、食料自給率100%を達成し、鎖国政策が完了した、と書いてある。Fact[5]
一周目では、ただの世界設定の説明だと思って読み飛ばした。でもこれも、二周目に効いてくる一行。その話は畳んだ中で書く。Grounded inference
第1話はもう全部を言っている
第1話「犯罪係数」について、公式サイトの紹介文が最初に置くのは、人格を数値にできるようになった未来。最後は、戸惑いを抱えたまま現場へ向かう朱で締めくくられる。Fact[11]
二周目に第1話を見ると、この「戸惑い」の中身がもう答えになってることに気づく。新人の監視官が、配属初日に、仕組みが出した数字とは違う判断をする。そのことで誰かが救われて、誰かが痛い目を見る。この作品は22話かけて、その一回の判断の値段を計算し直してる。Interpretation
Up to midway第1話の終盤Tap to open
第1話の終盤、人質にされた女性の数値が、恐怖のせいで跳ね上がる。被害者だったはずの人に、銃口が向く。朱はそこで、数値に従わず、目の前の人を守る判断をする。数字に従えば彼女は処分される。朱は数字じゃなくて、目の前の人の怯えを見た。一周目の私は「かっこいい新人だな」くらいで流してた。二周目に見ると、ここで朱が守ったものと、そのために朱が引き受けたもの(同僚との摩擦と、自分の判断の重さ)の両方が、この先ずっと勘定に入っていく。第1話でもう、この作品の帳簿は開いてるんだよ。Observation from the work
一行で書かれた人たち
年表で私がいちばん長く止まったのは、縢秀星の行。厚生省の5歳児検診で潜在犯と認定された、とある。Fact[3]
5歳。いや、5歳だよ。本人が何かをしたからじゃない。測ったら、そういう数字が出た。それだけで、その子の人生の行き先が決まった。本編の縢は軽口が多くて、明るくて、ゲームが好きで、執行官として一係にいる。一周目の私は、彼をにぎやかしの人として見てた。二周目は、あの軽さが全部、5歳のときに閉じられた扉の前で身につけたものに見える。Interpretation
ほかの執行官も、年表の上ではみんな一行。六合塚弥生は、サイコパスの悪化で公認芸術家から除名された、と書かれてる。征陸智己は、警察制度の廃止にともなって厚生省公安局へ異動した、と書かれてる。Fact[14]
征陸は、この仕組みができる前の「刑事」を知ってる人。年表には、警察という制度そのものがなくなった、とさらっと書いてある。Fact[13]
一係の執行官たちは、仕組みに外されて、それでも仕組みのために働いてる人たち。私は、この人たちの一行を読むたびに、自分の言いたいことの芯がここにあると思う。その人が弱いことと、雑に扱っていいことは、別。数字が低い人を「使える道具」として扱うのも、雑に扱う一つの形。Interpretation
制度の側から言わせてもらうと、執行官っていう枠は、潜在犯を隔離するだけじゃなくて、役に立つ場所を与える仕組みでもある。そこまで悪い設計とは言い切れない。Interpretation
うん、それは分かる。でも役に立つ場所を「与える」って言い方、上からなんだよ。与えた側は、いつでも取り上げられる。その一行の後ろにいる人は、取り上げられる側。Interpretation
……そうだね。僕は、枠があることを評価して、枠の外に出る自由がないことを見落としてた。
Up to midway中盤の展開(第12話まで)Tap to open
二周目でいちばん見方が変わるのは、征陸と宜野座の会話。一周目は、口うるさい上司と、それをなだめるベテランの部下に見える。でも二人が親子だと知ってから見ると、宜野座の執行官への冷たさは、ほとんど全部が父親への怒りと怖さでできてる。執行官になった親を持つことで、自分の数値まで疑われてきた人。だから彼は部下に厳しいんじゃなくて、自分が向こう側に落ちるのを怖がってる。親が数字で外された家では、子どもまで数字を気にして生きる。代償って、本人だけじゃなくて家族にも回ってくる。六合塚の過去が描かれる第12話も、同じ線の上にある。才能があっても、数値が悪くなった時点で舞台を降ろされる。Observation from the work
事件の後ろにいる人の手つき
公式サイトの各話紹介を読み返すと、第6話のあたりで、狡噛が自分の苦い過去である「標本事件」と、それまでの工場の事件やアバター乗っ取り事件とのつながりに気づく、と書かれてる。Fact[17]
一周目は、一話ごとの事件として見てた。二周目は、最初の数話の犯人たちを並べて見直すことになる。そうすると、事件の種類はばらばらなのに、共通してるものが見えてくる。どの犯人も、仕組みの中で居場所がないと感じてた人。その先は畳む。Grounded inference
Up to midway中盤の展開(第4〜10話)Tap to open
差し出してるのは槙島聖護。彼は、仕組みに外されたと感じてる人を見つけて、その人の怒りや欲に形を与える。それだけ聞くと、切り捨てられた側の味方に見える。一周目の私は、正直ちょっと惹かれた。本を引用して、静かに話して、仕組みの欺瞞を言い当てる人だから。でも二周目に手つきを見ると、彼は誰の味方でもない。手を貸した相手が思いどおりに動かなくなったら、興味をなくして手放す。協力者だった人たちも、用が済めば舞台から降ろされる。私が一番嫌いな「人を雑に扱う」を、彼はいちばん上品な顔でやってる。仕組みが数字で人を道具にするなら、槙島は理屈で人を道具にする。二周目は、この二つが鏡みたいに向かい合って見える。Interpretation
仕組みを批判する言葉そのものは、槙島のほうがずっと鋭いんだよね。僕は一周目、彼の台詞にうなずきかけたことがある。Preference
分かる。言ってることが正しいかと、人をどう扱ってるかは、別の帳簿につけないとだめなんだよ。正しいことを言う人ほど、そっちの帳簿を見せたがらない。Interpretation
第11話を見直す
Up to midway中盤の展開(第11話の紹介文)Tap to open
第11話「聖者の晩餐」の中身を、Production I.Gの各話紹介はこう書いてる。ゆきを連れ去った槙島を朱が追い、その先で、信じがたい光景を目の当たりにする。Fact[16]
ここから先は畳む。この回は、一周目と二周目でいちばん痛みの種類が変わる回だと思う。Preference
Ending and reveals第11話の後半と、そのあとの記録Tap to open
朱が向けたドミネーターは、槙島を「執行対象ではない」と判定する。数字の上では、目の前で人を殺そうとしている男が、まっさらな市民。朱は友だちの舩原ゆきを救えない。ゆきは殺される。一周目の私は、槙島の怖さに震えてた。二周目は、ゆきのほうを見る。ゆきは公安局の人間じゃない。事件にも関係ない。朱の友だちだった、というだけで、狩りの囮にされて、最後に命を払った。そして年表では、この出来事は、槙島聖護の顔を特定した、という一行になってる。舩原ゆきの名前は、その殺害の重要参考人という言い方の中に残ってるだけ。殺された人の名前が、犯人を特定した成果の文の中に入ってる。私は、ここで二周目のスイッチが入った。Interpretation[12]
Ending and reveals結末と正体(第16〜20話)Tap to open
一周目でいちばん驚くのは、たぶんシビュラシステムの正体。人の心を測っていたのは、公平な機械じゃなかった。仕組みでは裁けない、数値に表れない特別な体質の人たちの脳を集めて、つないだものだった。二周目に見ると、序盤から「仕組みの中身を誰も見たことがない」ことが、何度も遠回しに置かれてるのが分かる。局長の不自然な落ち着き、誰も口にしない中枢、数値だけが一方的に降ってくる感じ。そして、仕組みは槙島を罰するんじゃなくて、自分たちの一部に迎え入れようとする。数字で人を外す仕組みの中心に、数字では測れない人たちが座ってた。Production I.Gの各話紹介にも、第20話で、ドミネーターに導かれた朱がシビュラシステムについての真実を知る、とある。Interpretation[15]
Ending and reveals終盤の展開(第16〜17話)Tap to open
縢は、槙島を追って厚生省の中に入り、その中枢を見てしまう。そして局長の手で消される。本編はそれをはっきり見せる。でも組織は、それを書かない。Production I.Gの第17話の紹介文では、行方が分からなくなった縢を、公安局が逃亡犯だと断定して、一係に捜索を命じることになってる。公式サイトの年表にも、縢の行は「逃亡、依然行方不明」で止まってる。私はこれを読んで、しばらく画面の前で動けなかった。年表は作中の公式記録の形をしてる。だからこそ、5歳で数字をつけられた人は、最後も組織の都合のいい一行で終わる。本編が見せた真実と、記録に残った一行の差。それがこの作品の言いたいことそのものだと、私は受け取った。Interpretation[6]
Ending and reveals終盤の展開(第20〜22話)Tap to open
最終盤、槙島が狙うのは食べ物の仕組み。公式の年表には、公安局が槙島のバイオテロ計画をつかんだ日付が残ってる。そして第21話で、朱たちは巨大な穀倉地帯に足を踏み入れる。ここで、さっき書いた年表の一行がつながる。外国に頼らず、一つの作物と無人の畑で国じゅうの食べ物をまかなう。そうやって完成した「鎖国」の土台を、槙島は壊しにいく。仕組みが一番自信を持っていた場所が、一番もろい場所でもあった。一周目は、きれいな麦畑で決着がつくのを、絵としてきれいだと思って見てた。二周目は、あの麦の一本一本が、仕組みの安心そのものに見える。Interpretation[8]
Ending and reveals結末(第21〜22話)Tap to open
年表には、同じ日付に二つの行がある。征陸智己執行官が殉職した、という行。それから、狡噛慎也が槙島聖護を殺害し、そのあと逃亡した、という行。征陸は、息子の宜野座をかばって命を落とす。宜野座も深い傷を負う。そして狡噛は、麦畑の中で槙島を撃つ。朱は間に合わない。一周目の私は、狡噛と槙島の決着を見届けた気になってた。二周目は、決着のために誰が何を払ったかを見る。刑事という制度がなくなった時代から来た人が、最後に払ったのは命。仕組みが裁けなかった男を止めたのは、仕組みの外に出た人間の手。どっちも、仕組みが自分で払わなかった代償。Interpretation[7]
第14話と第15話をもう一度
この二話は、一周目と二周目で見る場所がいちばん変わる回。中身は畳む。Preference
Up to midway中盤の展開(第14話の紹介文)Tap to open
Production I.Gの第14話の紹介によると、白昼堂々、監視の目の下で殺人が起きる。しかも犯人のサイコパスは、犯行のあいだもクリアカラーと計測され続けていた。Fact[18]
Up to midway中盤の展開(第15話の紹介文)Tap to open
第15話の紹介文は、こう続く。仕組みへの信用は地に落ち、恐怖に駆られた市民が、自分の身を守ろうとして武器を取る。Fact[19]
Up to midway中盤の展開(第14〜15話)Tap to open
一周目は、街が壊れていく派手な回として見た。二周目は、事件の起きた最初の場面の「まわりの人」を見てほしい。誰かが目の前で傷つけられているのに、まわりの人は止めに入らない。数字が警報を鳴らさないから、何が起きてるのか判断できない。自分で判断する練習を、ずっとしてこなかった人たち。
ここ、私はいちばん怖い。悪い人がいる怖さじゃない。判断を全部預けてきた人が、預け先を失ったときの怖さ。そして預け先が戻ってこないと分かった途端、今度は自分で武器を取る。止めないことと、やりすぎること。どっちも、自分の目で見る力を仕組みに渡してきた結果に見える。Interpretation
制度が便利すぎると、人はその制度なしで動く筋肉を失う。町内会で、いつも同じ人が全部決めてくれてたら、その人が倒れた日に誰も回覧板の回し方を知らない、みたいなことだね。Interpretation
そう。で、その日にいちばん困るのは、回覧板の端っこに住んでる人。Interpretation
狡噛が払ったもの
二周目にもう一人、払った側として見直したいのが狡噛慎也。一周目は「頼れる猟犬」に見える。彼について二周目に見えてくることは、畳んだ中で書く。Observation from the work
Up to midway中盤の展開Tap to open
狡噛も、もとは監視官の側にいた人。ある事件を追いかけすぎて、数値が悪くなって、執行官に回された。追いかけること自体が、彼の数字を濁らせた。Observation from the work
Ending and reveals結末(第18〜22話)Tap to open
最後、狡噛は公安局を離れて、一人で槙島を追う。仕組みの手続きに乗せられない相手を止めるために、仕組みの外に出る。そして撃つ。年表の行は「その後逃亡」で終わってる。朱は、彼を止めることも、守ることもできなかった。私は二周目のこの流れで、狡噛を英雄とは呼べなくなった。かといって悪者でもない。仕組みが自分で手を汚さなかった仕事を、一人の人間が背負って、そのまま社会からいなくなった。英雄の話にすると、その背負わされた重さが見えなくなる。だから私は、彼を「払わされた人」の列に入れておく。Observation from the work
朱の色が濁らないことの意味
この作品では、心の状態が「色相」という色で示される。ストレスを受けると濁る。濁れば疑われる。一周目の私は、朱の色がなかなか濁らないのを、主人公の強さの印として見てた。Observation from the work
Ending and reveals終盤の展開Tap to open
二周目に引っかかったのは、ゆきを失ったあとの朱。あれだけのことがあっても、朱の色相はほとんど濁らない。周りも驚くし、本人もそれをどう受け止めていいか分からないような顔をする。一周目は「さすが朱」だった。二周目の私は、そこで少し泣いた。色が濁らないのは、傷ついてないって意味じゃない。眠れない夜も、自分を責める時間も、ちゃんとある。ただ、数字がそれを拾わないだけ。仕組みは、槙島の殺意を見落とした。そして朱の悲しみも見落とした。片方では人を危ないと決めつけ、片方では人の痛みを無かったことにする。測れないものを、測れないまま放っておく。数字のいちばん冷たいところは、そこだと思う。Interpretation
最終話の朱をどう見るか
ここは、一周目と二周目で私の評価がいちばん動いたところ。結末にふれるので、また畳む。Preference
Ending and reveals結末(第22話)Tap to open
仕組みの正体を知った朱は、それでも公安局に残る。仕組みの側に向かって、あなたたちを正しいとは認めない、と言い切ったうえで。いつか人がこの仕組みを必要としなくなる日が来る、という立場を手放さずに、仕事は続ける。中学生の私は、正直、ここで少しがっかりした。全部ぶっ壊して出ていってほしかった。でも二周目の私は、ここがいちばん筋が通ってると思う。出ていけば、自分の手はきれいなまま。残れば、仕組みの中で、また誰かが払わされる場面に立ち会うことになる。朱は、手が汚れるほうを選んだ。逃げずに、雑に扱われる人の横に立ち続けるほうを。Interpretation
制度論で言うと、内側に残って異議を言い続ける人は、いちばん報われにくい立場なんだ。外から壊す人のほうが物語としては気持ちいい。Interpretation
うん。気持ちよくないほうを選ぶ主人公だから、信用できる。
ちなみにProduction I.Gの各話紹介によると、最終話の第22話は、コンテと演出を監督の塩谷直義さん自身が担当してる。それを知ってから見直すと、最終話の静かな場面ほど、手ざわりが濃く感じる。Interpretation[9]
中学生の私と今の私
最初に見たのは中学生のころ。夜中に一人で見て、腹が立って眠れなかった。あのときの私は、朱がもっと怒ってくれればいいのにと思ってた。仕組みを壊して、偉い人たちに頭を下げさせてほしかった。Preference
今の私は、少しだけ大人の側に回った。働いて、払うものを払って、自分の生活の外にも責任を持つようになった。そうすると、朱が怒鳴らないことの重さが、前より分かる。怒るのは一回で済む。言い続けるのは、毎日。毎日のほうがしんどい。Preference
それでも、中学生の私が腹を立てた場所は、今も間違ってなかったと思ってる。あの夜に見た一人ひとりのことを、仕方なかったで片づけたくない。二周目は、あの夜の怒りに、名前のついた行を一つずつ足していく作業だった。Preference
二周目を見る人への手順
やり方は簡単。各話を見る前に、公式サイトの年表で、その回に対応する日付の行を先に読む。それから本編を見る。見終わったら、もう一度その行を読む。一行に入りきらなかったものが、本編の中に何だったのかを確かめる。私はこれを「行の外を見る」って呼んでる。Preference
もう一つ。朱だけを追わないで、その回でいちばん損をした人を一人決めて、その人の顔を最後まで追ってみてほしい。たいてい、台詞が少ない人。一周目に見えなかった帳簿が、少しずつ埋まっていく。Preference
それと、しんどくなったら止めていい。暴力の場面も、気分の悪い事件も多い作品だから。二周目は内容を知ってるぶん、身構える場面がかえって増える。私も夜中に一気見はやめて、一日二話まで、と決めて見直した。Preference
僕は二周目、年表の「施行」とか「確立」とかの行ばかり読んでた。ミコと並んで見て、同じ年表に名前のある人の行があることに、やっと目が行ったよ。
どっちも要るんだよ。ガクが仕組みの行を読んで、私が人の行を読む。それで一冊になる。Interpretation
公式記録の一行と、本編のその人の顔を並べて見る。一行に入りきらなかったものが、その人が払った代償。