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Second viewing

『鬼滅の刃』立志編の二周目は刀を収める手から

一周目は呼吸の技と太刀筋を追っていた。二周目、ゴウが目を止めたのは、刀を収める手と、匂いの色と、炭を背負う背中だった。同じ道場のアカリと、立志編の26話を頭から観直した。

This article spoils the ending

CoversTVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編(全26話)の結末まで

Written for people who have finished it and want more from a second viewing. Midway developments and the details of the ending are folded away until you tap them.

For people who
TVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編を最後まで観た人へ。刀を抜く場面より、収める場面を観直したい人に。
Spoiler range
Touches on the ending TVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編(全26話)の結末まで
Who's talking
Go × Akari
Types of claims: Fact Observation from the work Grounded inference Interpretation Preference
Contents 8 sections, ~5 min
  1. 二周目を始める前に
  2. 第一話で収められる刀
  3. 匂いの色を見る
  4. 錆兎と真菰の稽古
  5. 炭焼きの家に伝わるもの
  6. 題名に書かれた稽古の言葉
  7. 二つの家族の題名
  8. オープニングの成長

ゴウだ。TVアニメ『鬼滅の刃』竈門炭治郎 立志編の二周目の話をする。全26話を観終えた人向けだ。展開にかかわるところは畳んである。聞き手は同じ空手教室のアカリ。この作品は、あいつの6選に入っている。

二周目を始める前に

立志編は、原作コミックスの第1巻から第7巻冒頭までを映像化したTVアニメで、2019年4月から9月まで放送された全26話。Fact[1]

Akari

ゴウが鬼滅を二周するの、ちょっと意外。技の名前とか叫ぶの、苦手そうじゃん。

Go

……叫ぶのは苦手だ。だが、この話は刀を抜く前と、収めた後がいい。二周目はそこだけ観た。Preference

第一話で収められる刀

時は大正。炭治郎は亡き父親の跡を継ぎ、炭焼きをして家族の暮らしを支えていた。家族を鬼に奪われ、鬼になった妹に襲われた炭治郎を救ったのは、冨岡義勇と名乗る剣士だった。義勇は妹を斬ろうとするが、兄妹の絆が確かに残っていることに気づいて剣を収める。Fact[2]

Go

一周目は、炭治郎の叫びばかり聞いていた。二周目は義勇の手を見た。抜くのは一瞬だ。収めるには、判断がいる。強い者が、斬れる相手を斬らないと決める。俺が考えている問いが、第一話にもう置いてある。Interpretation

Akari

分かる。組手でも、止めるほうが難しい。当てるのは誰でもできる。Preference

Up to midway中盤の展開(第二十三話まで)Tap to open

那田蜘蛛山の戦いの後、炭治郎と妹は産屋敷邸で処遇を問われる。柱合裁判で柱たちの厳しい追及を受けるが、妹が血への欲望を耐えきったことで、二人は鬼殺隊にいることを認められる。第一話で義勇が見た「残っている絆」が、ここでは妹自身の我慢として、柱たちの前に差し出される。二周目に第一話と第二十三話を並べると、立志編は、斬れる者が斬らずに済む理由を、二度試す話に見える。Fact[2]

匂いの色を見る

炭治郎の能力である匂いの色は、観る側に状況が分かりやすいように、危険がないときは青色、鬼を感知したときなど危険があるときは赤色に設定されているという。Fact[1]

Akari

え、それ知らなかった。一周目、なんとなく怖いとは思ってたけど。

Go

二周目は、匂いの色が変わる瞬間を探せ。青から赤へ移る前後で、人の顔つきがどう動いているかを見る。俺は口より、その色のほうを信じた。Interpretation

錆兎と真菰の稽古

育手の鱗滝左近次のもとで、炭治郎は剣の修行を積む。第三話の題名にもなる錆兎と真菰は、炭治郎の修行に関わる二人だ。一周目は、ただ強い兄弟子と姉弟子に見えた。Observation from the work

Up to midway中盤の展開(第五話まで)Tap to open

錆兎と真菰は、かつて鬼との戦いで命を落とした鱗滝の弟子で、炭治郎は二人の亡霊との稽古で成長を遂げる。2年後、命を賭けた選別試験で、炭治郎は二人の仇である鬼を倒し、鬼殺隊に入る。二周目に第三話を観ると、二人の稽古は、自分たちが越えられなかったものを後輩に越えさせるための稽古に見えてくる。教える側が、もう剣を振れない。それでも型は渡せる。Fact[2]

Akari

それ、竜山先生っぽい。先生、自分ではもう組手しないのに、私たちの組手は全部見てるもん。Preference

Go

……先生の前で、それを言うな。押忍と言って終わる話だ。

炭焼きの家に伝わるもの

竈門家には、正月に先祖と炭竈の神に奉納する神事が代々伝わっている。正月の日没から翌朝の夜明けまで神楽を舞い続ける、過酷なものだという。Fact[2]

二周目に第一話を観ると、炭を背負って山を下りる炭治郎の足取りが、もう稽古に見えた。家業を続けることと、型を受け継ぐことが、同じ一本の道の上にある。一周目なら数秒で忘れる山道の場面を、二周目は止めて観た。重い荷を背負っても、足の運びが乱れない。毎日の積み重ねは、こういうところに出る。Interpretation

Ending and reveals終盤の展開(第十九話)Tap to open

第十九話「ヒノカミ」は、テレビシリーズで炭治郎の最後のバトルシーンとなるため、観る側が最大のカタルシスを得られるよう、シナリオ構成の初期段階から力が注がれたという。父・炭十郎の神楽舞は、振付師の踊った映像をもとに、衣装の動きまで含めて全て作画で描かれている。累との戦いで、炭治郎は父の神楽を剣として使う。二周目にこの回を観るなら、技の派手さより、父の舞の足運びを見てほしい。炭焼きの家で、剣を知らないまま受け継がれてきた型が、息子の命を救う。俺は、流儀がどこから生まれるのかという問いに、一つの答えをもらった気がした。Fact[1]

題名に書かれた稽古の言葉

那田蜘蛛山の数話には、稽古の心得のような題名が並ぶ。第十六話は「自分ではない誰かを前へ」、第十七話は「ひとつのことを極め抜け」。Fact[1]

Akari

「ひとつのことを極め抜け」って、道場の壁に貼ってありそう。私は剣道と空手の両方やってるから、ちょっと耳が痛い。Preference

Go

……両方やるのは悪くない。だが、迷ったときに戻る型を一つ持て。第十七話を二周目に観ると、その言葉の重さが変わる。Interpretation

Akari

一つって言われても、まだ選べないよ。……でも、選べないうちは両方ちゃんとやる。それなら文句ないでしょ。Preference

Go

……ああ。文句はない。途中でやめなければ、それでいい。

二周目は、題名を読んでから本編を観るといい。一周目は戦いの結果を追うだけで精一杯だった。題名を先に頭に入れておくと、誰が誰を前に出したのか、誰が何を極めていたのかが、場面ごとに見えてくる。戦いの最中に、仲間を先に行かせる判断がいくつも重なっている。俺はそこで、何度か巻き戻した。Observation from the work

二つの家族の題名

第十八話の題名は「偽物の絆」、第二十話は「寄せ集めの家族」。並べると、題名だけで対になっている。Fact[1]

Akari

寄せ集めって、悪口みたいなのに、なんかあったかい。うちも母と兄と私の三人で、寄せ集めって言われたら、まあそうかもって思う。Preference

Go

……寄せ集めでも、筋が通っていれば家族だ。偽物かどうかは、血ではなく、互いに何を守るかで決まる。二周目は、この二つの題名を頭に置いて、那田蜘蛛山の数話を観直せ。Interpretation

オープニングの成長

オープニング映像は「炭治郎の成長」を描くことになり、最初期から修行、最終選別、入隊以降の展開を追いながらキャラクターを紹介する形になったという。Fact[1]

Akari

飛ばさずに毎回観る派だったけど、二周目は意味が変わるね。最初の回で観たときは、これから起きることの予告だったのに。Interpretation

Go

……ああ。二周目は、振り返りになる。同じ映像が、前を向いていたのに、後ろも向くようになる。Interpretation

二周目は第一話、義勇が刀を収める手から観る。斬れる者が斬らないと決めるところに、立志編の軸がある。

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