『ハイキュー!!』のアニメ第1期を最後まで観た人向けの、二周目の話。展開にかかわるところは畳んである。まだ観てない人は、畳んだところは開かないで。聞き手はカオル。昼の公園でキャッチボールをする仲で、昔は野球チームのエースで4番だった人。投げる人と受ける人の話なら、カオルに聞くのが一番早いと思った。
第1期の確認
古舘春一の漫画が原作。テレビアニメの第1期は全25話で、2014年4月6日に始まって9月21日に終わった。監督は満仲勧で、Production I.Gがアニメーション制作を担った。Fact[1]
25話あるんやったら、半年かけてじっくりやな。私は一周目、日曜に半分ずつ観たで。二周目は一気やったけど。Preference
私は兄貴と二回観た。一回目は試合の勝ち負けばっかり見てた。二回目は、ボールが上がる前の、誰がどこを見てるかばっかり見てる。Preference
第1話の題名から始める
第1話の題名は「終わりと始まり」。あらすじでは、日向は中学3年の夏にやっとメンバーをそろえ、最初で最後の公式戦に出る。相手の北川第一中には天才セッターの影山がいて、影山は「コート上の王様」と呼ばれている。日向たちは、そのチームに惨敗する。Fact[1]
一周目の私は、この題名を「日向の中学が終わって、高校が始まる」って意味だと思ってた。二周目は、終わったのは日向だけじゃないって分かる。勝った側の影山も、この試合で何かが終わってる。勝ったのに。Interpretation
勝ったのに終わってる、て。……あるわ。勝った試合のあとのベンチが、いちばん静かやったこと。Preference
王様というあだ名
原作の人物紹介によれば、中学時代の影山は勝ちへのこだわりが強すぎて仲間とのあいだに溝ができ、孤立していく。そこでチームメイトがつけたのが、「コート上の王様」という皮肉まじりのあだ名だった。県予選の決勝でも、影山はスパイカーの意思にかまわず速いトスを上げ続ける。トスを上げた先に、誰も跳んでいなかった。チームメイトからの拒絶だった。このときの傷は、そのあとも長く影山のプレーに残る。Fact[1]
一周目は「王様」ってかっこいい呼び名だと思ってた。二周目は、この言葉が出るたびに胃が痛い。説明もしないで「こっちに合わせろ」ってやったら、誰もついてこない。私が一番嫌いなことを、影山がやってたんだって分かる。でも影山は、それで本当に一人になった。Interpretation
キャッチャーのおらんマウンドや。どんなにええ球投げても、受ける人がおらんかったら、ただの暴投やもんな。Interpretation
Ending and reveals終盤の題名Tap to open
第24話の題名は「脱・“孤独の王様”」。
二周目は、第1話から、影山が「王様」と呼ばれたときの顔を追ってみて。怒る顔から、黙る顔、言い返さない顔へ。題名にたどり着くまでの24話分、影山の返事が変わっていく。Interpretation[1]
体育館を追い出された理由
あらすじでは、烏野高校で一緒になった日向と影山が、入部初日から主将・澤村の言うことを聞かずにいがみ合う。腹を立てた澤村は、二人がお互いをチームメイトだと自覚するまで練習には入れない、と言い渡し、体育館から追い出してしまう。Fact[1]
説明のないルールが嫌いな私でも、これは納得した。澤村さんは、ちゃんと理由を言ってから追い出してる。二周目に観ると、この決まりは二人を罰するためじゃなくて、二人に同じ方向を向かせるための決まりに見える。体育館の外に出された二人が、初めて同じボールを追いかけ始めるように私には見えた。そこが、この作品の一歩目だと思う。Interpretation
うちのチームの監督もやってたで、それ。ケンカしたらキャッチボールだけさせられんねん。会話せんと投げられへんから、勝手に仲直りすんねんな。Preference
目を閉じる速攻
「変人速攻」は二人が編み出したクイック攻撃で、日向はトスを見ない。いちばん最初の変人速攻では、日向は目を閉じたままスイングしていて、影山はその打点めがけて、ピンポイントの精密なトスを合わせていた。Fact[1]
一周目は、すごい技としか思ってなかった。二周目は、日向の目を見てる。目を閉じて跳ぶって、信じてないとできない。でも、見ないで任せるのは、本当に信じてるのか、考えるのをやめてるのか。二周目の私は、そこが気になって仕方なかった。Interpretation
サインどおりに投げるのと、キャッチャーと一緒に考えて投げるのは、全然ちゃうもんな。どっちも信頼やけど、片方は相手まかせや。Interpretation
エースと呼ばれる人の回
第8話の題名は「“エース”と呼ばれる人」、第9話は「エースへのトス」。あらすじでは、烏野のエースの東峰が、昔の試合で負ったトラウマのせいで、まだ部活に戻ってこられずにいる。Fact[1]
ここは私、語らせてもらうで。エースって、打たれたあとがいちばんしんどいねん。マウンド降りたあと、誰とも目ぇ合わされへん。せやから、もう一回立とうとする人の一歩目は、ほんまに重い。Preference
一周目は、東峰さんがどうなるかばっかり気にしてた。二周目は、東峰さんがどこに立ってるかを見てる。体育館の中か、外か、入口か。立ってる場所が、気持ちの距離になってる気がする。それと、エースにトスを上げる側の顔。上げる人も怖いんだって、二周目に初めて分かった。Interpretation
Up to midway中盤の展開Tap to open
あらすじでは、東峰は町内会チームとの練習試合をきっかけに、部へ戻ってくる。
二周目は、戻ってきた日の最初のスパイクの前に、まわりが何を言うかを聞いてほしい。誰も「待ってた」とは言わないのに、全員が待ってたのが分かる。私にはそう聞こえた。Interpretation[1]
天才ではないと題された回
第20話の題名は「及川徹は天才ではない」。Fact[1]
私がずっと気になってるテーマが「才能がないと言われた後の一歩」。一周目は、この回の相手を強い敵としてしか見てなかった。二周目は、題名を先に読んでから観て。天才じゃないって言われた人が、どうやってコートに立ってるか。努力が結果につながる瞬間を見るのが好きな私は、この回で一番熱くなった。Preference
Ending and reveals第1期の結末Tap to open
あらすじでは、インターハイ予選3回戦の相手が、及川率いる青葉城西。烏野はフルセットまで粘るけど、あと一歩届かずに負ける。日向と影山の変人速攻も、完全に止められた。原作ではこのあと、悩んだ3年生4人が残ると決めて、全員で春高を目指す。最終話の題名は「三日目」。
第1話の題名に戻ってほしい。「終わりと始まり」。第1期は、もう一回負けて終わる。でも、第1話の負けとは違う。一人で負けたんじゃなくて、チームで負けてる。だから次がある。二周目、私は観終わってすぐ、外へ素振りに出た。Interpretation[1]
二周目の話聞いてたら、投げたなってきたわ。……よっしゃ、もう一球いこか。今日は私が受けたるわ。Preference
二周目は、第1話の題名「終わりと始まり」を声に出してから再生。影山のトスが誰もいない場所へ上がるたびに、最終話のコートと比べてみて。