目錄
ソウタが20選に入れた映画『借りぐらしのアリエッティ』を、二回目に見る人のための記事です。聞き手はナギ。作品の事実はナギが補います。映画の結末まで話していますが、お話の中身にかかわるところは畳んであります。まだ見ていない人は、畳んだところを開かないでください。
二回目はちいさいものを見る
ぼく、アリエッティを見たつぎの日、消しゴムでベッドをつくったの。ペットボトルのふたはテーブル。喜好
前に教えてくれたね。二回目は、どこを見てた?
一回目は、アリエッティが見つからないかって、ずっとドキドキしてた。二回目は、どうなるかしってるから、ちいさいものを見るの。かくざとうとか、だいどころとか。解讀
さがしもの1 さいしょの声
ねえ、この映画、さいしょにしゃべるの、アリエッティじゃないんだよ。作品中的觀察
うん。最初に聞こえるのは、人間の男の子、翔の声。作品中的觀察
翔は12歳。手術の前の療養のために、一週間だけこの屋敷に来ている、と紹介されている。事實[3]
一回目は、さいしょのところ、ぼーっと聞いてた。二回目は、ちゃんと聞いて。おわりまで見てから聞くと、ちがうの。解讀
結局·真相結末點擊展開
最初の声は、ずっとあとになってから、あの夏を思い出している話し方に聞こえます。最後に翔は、手術を「頑張る」とアリエッティに約束して、映画は終わります。その先は映画の中では描かれません。けれど、思い出して話す声から始まっているので、二回目に聞くと、翔がそのあとも生きて、あの一週間をふりかえっているように受け取れます。ソウタは「さいしょにもどると、ちょっとあんしんする」と言いました。ナギは、映画の最初と最後がつながっているのを、二回目で初めて知りました。
さがしもの2 角砂糖
アリエッティにとっては、その夜が初めての「借り」。そこで翔に見つかって、持っていた角砂糖を逃げるときに落としてしまう。事實[2]
かくざとう、ひとつだけなのに、アリエッティがもつと、すごくおおきく見えるの。作品中的觀察
人間には一粒でも、小人には大きな荷物。その差が、この映画の見え方そのものだね。解讀
二回目は、さいしょの夜のかくざとう、ちゃんとおぼえておいて。喜好
結局·真相結末點擊展開
最後に二人が別れるとき、翔はアリエッティに角砂糖をもう一度手渡します。お返しにアリエッティが差し出したのは、いつも髪に留めていたクリップでした。最初の夜には落としてしまった角砂糖が、終わりにはきちんと相手の手に届く。「さいしょはおとしちゃったけど、さいごはこうかんになった」とソウタは言いました。ただ「借りる」だけの関係が、最後には「とりかえっこ」に変わっている。最初の夜の角砂糖と別れの場面を二回目に続けて見ると、この映画のあいだに何が変わったのかが見えてきます。
さがしもの3 ドールハウスの台所
翔の部屋にはドールハウスがある。紹介によると、作らせたのは翔の曽祖父で、頼んだ相手はイギリスの職人だった。小人がいつか現れたら、そのときプレゼントするつもりだったそう。事實[3]
あのおうち、ぼくもほしい。ちっちゃいおなべとか、ぜんぶある。喜好
アリエッティのお母さん、ホミリーもね。あこがれていたのは、ドールハウスにあるキッチン用品。でも、何かがなくなればすぐ分かってしまうと言われていたから、ずっと我慢していた、と紹介されている。事實[3]
中段為止中盤の展開點擊展開
ある日、アリエッティの家が揺れ、見慣れたキッチンがはがれます。かわりに上から降ってきたのは、ドールハウスのキッチンでした。翔にとっては善意でしたが、それがきっかけで、一家は引っ越すことが決まってしまいます。
ソウタは、ここで一回目と二回目の気持ちが一番ちがったそうです。「一回目は、プレゼントなのに、なんでおこるのってわかんなかった」。二回目は、ホミリーがあこがれていた台所だと知ったうえで見るので、うれしいはずのものが、見つかってしまった合図になる、そのむずかしさが分かります。ソウタは「あげるときは、さきに、ほしいかきかないとね」と言いました。幼稚園のごっこ遊びで、先に「なにやりたい?」と聞くようになった彼らしい答えです。
さがしもの4 ねこのニーヤ
ねこ、こわいよね。アリエッティから見たら、ドラゴンくらいおおきい。解讀
翔は屋敷に来た初日、屋敷の猫のニーヤに絡まれかけていたアリエッティを見かける、と紹介されている。事實[3]
一回目は、ニーヤはてきだとおもった。二回目は、ニーヤがどこを見てるか見るの。喜好
結局·真相終盤の展開點擊展開
あらすじによると、アリエッティが川にいると翔に知らせたのはニーヤで、明け方、翔は急いで川へ向かいます。はじめはアリエッティを追い回しているように見えた猫が、終わりには、アリエッティの居場所を翔に教える役目を担っている。「ニーヤは、さいしょからアリエッティのこと、気になってたんだよ」とソウタは言います。食べたかったのか、気になっていたのか。二回目は、ニーヤが画面に出るたびに、その目がどこを向いているかを見てみてください。
さがしものおまけ お父さんの道具
アリエッティのおとうさん、すごいの。なんでもつくれる。かべものぼれる。喜好
ポッドだね。紹介では、借りた物を使って、はんだ付けの補修や、わらのかご編みのような工作をして、壁を登る技も見せている。初めての「借り」をアリエッティに教えるのも、この先なにかあったときのため、とされている。事實[3]
一回目は、アリエッティばっかり見てた。二回目は、おとうさんの手を見てて。どうぐのつかいかたが、マイクラのクラフトみたい。解讀
教える人がいて、まねする人がいる。初めての借りの夜は、アリエッティの冒険でもあるけれど、お父さんが自分のやり方を渡す夜でもあるんだね。解讀
さがしもの5 ホミリーの海の絵
これは二回目で私が引っかかったところ。ホミリーの夢は、本物の海を見ること。窓に見立てた物の奥には海の絵があって、それを3年間も取り替えていない、と紹介されている。事實[3]
まどなのに、えなんだ。ゆかの下だから、ほんとのそとは見えないもんね。有依據的推測
結局·真相結末點擊展開
最後、アリエッティの一家は、小人の少年スピラーと川で落ち合います。やかんを船の代わりにして荷物を載せ、引っ越し先へ向けて川を下っていく。ナギは、床下の海の絵とこの川の場面を、並べて見たくなりました。それが本物の海かどうか、映画は教えてくれません。でも、絵の中の水しか見られなかった家族が、本物の水の上へ出ていく。ソウタは「やかんのふね、ぼくもつくりたい」と言って、それから「ふたがあったら、あめがふってもへいき」と、もう作り方を考えていました。
二回目に見る人へ
さいしょのかくざとうを、よく見て。あと、ニーヤの目。喜好
私は、ホミリーの台所。誰かのための贈りものが、受け取る側からはどう見えるのか、二回目のほうがずっと考えさせられた。喜好
二回目は、最初の夜に落とした角砂糖を、よく覚えておいてください。