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動畫·漫畫小知識

歌詞は物語のどこに立っているか

『魔法少女まどか☆マギカ』のコネクト、『氷菓』の優しさの理由、『STEINS;GATE』のHacking to the Gate。仕組みを見るレンと、推しの話で早口になるカノンが、三つの主題歌の歌詞が物語のどの位置から歌われているのかを読み比べた。

適合這樣的人
カラオケで何度も歌った主題歌の歌詞を、作品と並べて読み直してみたい人へ。
劇透範圍
無劇透 各作品の基本の設定と、主題歌がどの話数で使われたかまで。物語の展開と結末、歌詞が示す先の展開の中身には触れません
發言的人
Ren × Kanon
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 4 節·約 5 分鐘
  1. 何も知らずに書かれたコネクト
  2. 優しさの理由は気だるさから始まる
  3. Hacking to the Gateは2番に仕掛けがある
  4. 歌う曲と歌わない曲

主題歌の歌詞には、物語の外から作品を紹介する歌もあれば、登場人物のすぐそばから歌う歌もあります。今日の問いは、歌詞が物語のどこに立っているか。歌詞は引用せず、二人の言葉で言い直して読みました。

何も知らずに書かれたコネクト

Kanon

一曲目は私から! コネクト。ひとりの部屋で観ていたころの曲です。これは歌いません。聴くと、誰かのために走る女の子たちを思い出して、胸がいっぱいになっちゃうので。喜好

Ren

まず基本から。コネクトは作詞・作曲が渡辺翔さん、編曲が湯浅篤さん、歌がClariS。ふだんはオープニングで、終わりのほうの何話かではエンディングとして使われています。事實[1]

第1話〜第9話と第11話はオープニング、第10話と最終話はエンディング

Kanon

そう、最後のほうは後ろで流れるんです。それに、作詞の渡辺さんは、物語の詳しいところを知らされないまま書いたそうで、話の流れにうまく合ったのはたまたまみたいなもの、って言ってるんですよ。事實[2]

Ren

それは面白い。つまり、この歌詞は物語の中から書かれたわけじゃない。外に立って書かれたのに、中に入って聞こえる。有依據的推測

Kanon

私の受け取り方を言ってもいいですか。1番は、まだ自分が何をできるのか分からない子が、それでも大切な人のほうへ一歩出ようとしている感じ。サビで、その気持ちが決意に変わる。誰かとつながったものを、手放さないって決める歌だと思ってます。解讀

Ren

外から書かれたぶん、一つの登場人物に固定されていない、とも読めるね。誰の歌として聴くかを、観る人が選べる。だから観る前と観たあとで、同じ歌詞の主語が入れ替わって聞こえるのかもしれない。解讀

Kanon

それです! 最初に観たときと、全部観てからとで、私の中で歌ってる子が違ったんです。どの子かは、言いません。言ったら台無しなので!喜好

Ren

同じ曲が、前に置かれるか後ろに置かれるかでも役割が変わるよね。前なら、これから始まる話への呼びかけ。後ろなら、見終わった話への返事。歌詞は一文字も変わっていないのに。解讀

優しさの理由は気だるさから始まる

Ren

二曲目は僕の十八番。高い音が多くて正直きついのに、毎回入れてしまう曲。喜好

『氷菓』のテレビアニメ版、そのオープニングを飾ったのが「優しさの理由」です。詞を書いたのはこだまさおりさん、曲と編曲は宮崎誠さん。歌っているChouChoさんは、主人公の奉太郎の目線に立って歌っているそうです。本人の話では、この歌詞に込められているのは、学生時代の心のモヤモヤと、未来への期待感。サビに入ると爽快感が出てくるけれど、Aパートはアンニュイな曲調だ、とされています。事實[3]

Kanon

奉太郎くんって、やらなくていいことはやらない人ですよね。その人の視点で、こんなに爽やかな曲になるんですか?

Ren

僕はそこがこの曲の仕組みだと思ってる。1番の前半は、曲調も言葉も少し気だるくて、半分目を閉じているように聞こえる。ところがサビに向かうにつれて、目の前の景色が明るく開けていく。気だるさから始まるから、サビで開ける感じが際立つんだ。解讀

Kanon

あっ、それ、作品そのものの形と同じかも。毎回、えるちゃんの「気になります」から始まって、奉太郎くんが渋々動いて、最後にちょっとだけ景色が変わる。解讀

Ren

そう。一話ぶんの動きを、一曲が先に予告している。題名の「理由」も、答えを言い切らずに残している気がする。優しさに理由があるのかどうか、歌詞は決めつけていない、と僕は読んでる。解讀

Kanon

レンさんが歌うと、どこできつくなるんですか?

Ren

爽快になるところ、つまりサビ。歌詞の気分が晴れるところで、僕の声はいちばん曇る。……歌い終わったあと、自分の声の限界を正確に知れるのは、悪くないよ。喜好

Hacking to the Gateは2番に仕掛けがある

Ren

三曲目も僕から。カラオケで入れると、イントロだけで何人かが顔を上げる曲。喜好

Ren

Hacking to the Gateは、『STEINS;GATE』のテレビアニメでオープニングに流れた曲。歌がいとうかなこさんで、作詞と作曲が志倉千代丸さん、編曲は磯江俊道さん。事實[4]

Ren

アニメの終盤の二話で流れるのは、実は2番なんだ。歌詞全体は作品の世界観を映していて、主人公の目から見た形を意識してる。そのうえで2番は、先の展開にまで踏み込んでいるらしい。だから本編を中盤くらいまで観てから聴くと、言葉の裏にある意味が見えてくる。そういう狙いで作られているそうなんだ。事實[5]

第23話と第24話は2番

Kanon

えっ、主題歌が最初からネタバレしてたってことですか? ずるい……じゃなくて、すごい!

Ren

最初に聴いたときは気づけない形でね。だから中身は言わない。ただ、1番は時間の中で迷っている人の焦りが前に出ていて、2番は同じ人が、もう少し先の場所から振り返っているように聞こえる。それだけ覚えておいて、中盤まで観たらもう一度聴いてほしい。解讀

Ren

あと、僕が構成を数えてしまう理由も一つ。この曲は、Aメロ・Bメロがニ短調で、サビでイ短調に移る、という形を1番と2番で繰り返している。事實[6]

Ren

調が移るところで、歌詞の視点も一段上がる気がするんだ。目の前の話から、もっと大きな流れの話へ。音の仕組みと言葉の仕組みが、同じ場所で切り替わっている。解讀

Kanon

レンさん、それをカラオケで歌いながら数えてるんですか? すごすぎます!

歌う曲と歌わない曲

Kanon

今日読んでみて分かりました。私がコネクトを歌わないのは、あの歌詞の立っている場所に、まだ自分が立てない気がするからです。走る女の子の歌は、聴いて背中を押してもらう側でいたい。喜好

Ren

僕は逆で、歌うと歌詞の立ち位置が分かる。声に出すと、どこで視点が切り替わるか、喉で覚えるから。……でも、コネクトを外から書かれた歌として読むのは、今日カノンさんと話すまで思いつかなかった。喜好

Kanon

外から書かれたのに中で鳴る歌、私、舞台でいつか歌いたいです。……そのときはキーを下げます。たぶん。喜好

主題歌の歌詞を、誰の視点から、物語のどの位置で歌われているかで読んでみる。観る前と観たあとで、同じ歌詞の主語が入れ替わることがあります。

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