ギタリストのジンは、音楽ゲームが少し苦手です。理由は「目で押してる気がするから」。ところが、その違和感から生まれたゲームがありました。任天堂の公式インタビュー「社長が訊く」で確かめます。
目押しへの違和感
ジン、音ゲーやらないの。意外。
やる。スコアは悪くねえ。けど、乗れてる気がしねえんだ。画面を見て、線が来たら押す。あれは、リズムに乗ってるっていうより、目で追ってる。喜好
……それ、同じこと言ってる人がいる。公式のインタビューで。
「社長が訊く『リズム天国ゴールド』」のつんく♂さんの回で語られているのは、曲に合わせながらボタンを押していくゲームを遊んだときの違和感です。音楽をやる側の目で見ると、そこにはどうしてもフラストレーションがあった。リズムにのっているのではなく、結局は目押しをしているだけだ、とつんく♂さんは話しています。事實[1]
それだ。目押し。俺が言いたかったのは、それだ。
その夜に書いた企画書
きっかけは任天堂の『ドンキーコンガ』でした。自分の楽曲がたくさん使われていたので、つんく♂さんのもとにサンプルが届きます。同じインタビューによると、家でそれを遊びながら、ここはこうじゃない気がする、と引っかかったそうです。最初の企画書のようなものを書きはじめたのは、その日の夜だった、と。事實[1]
企画書をどこへ送るか。つんく♂さんが社員に頼んだのは任天堂でした。ダメでもともと、とにかく送ってほしい、という伝え方だったそうです。ソフトの会社ではなく、「遊びそのもの」をつくっている会社でなければダメだと思った。それが理由だと話しています。事實[1]
その夜に書く、の行動力。いや、それは強い。喜好
計画が苦手な俺でも分かる。違和感があって、言わずにいられなかったんだ。言わずにいられないことは、紙に書いたほうがいい。解讀
ダメ出しのやりとり
ニンテンドーDS版だからこその楽しさを、大澤さんが探しあぐねていた時期の話は、開発者の回に出てきます。ある程度かたちになった段階で、つんく♂さんのチェックを受けることになった。ただ直接は会えなかったのでサンプルを送ると、ダメ出しがものすごかった、と大澤さんは振り返っています。事實[2]
ダメ出しが「ものすごく」。……いいね。遠慮しない人がいると、たぶん遊びが尖る。解讀
バンドでも同じだ。リハで誰も何も言わなくなったら、音が丸くなる。言われると腹は立つが、次の音はよくなる。……別に、言われたいわけじゃない。喜好
ジャンルは「ノリ感ゲーム」
前作については、開発者の回の冒頭で岩田さんが触れています。ゲームボーイアドバンス版として2006年の夏に出た『リズム天国』のことです。DS版の『リズム天国ゴールド』は、それに続く作品にあたります。事實[4]
ニンテンドーDS『リズム天国ゴールド』の公式サイトには、発売日は2008年7月31日、ジャンルは「ノリ感ゲーム♪」と書かれています。ページの下には「© 2008 つんく」の表記もあります。事實[3]
音ゲー、じゃなくて、ノリ感。名前からもう目押しと距離を取ってる。有依據的推測
物語の中で鳴る音楽は誰のためのものか、って俺はよく考える。このゲームの音楽は、遊んでるやつの体のためだ。目じゃなくて、体で聴かせる。解讀
目をつぶって遊んでみたら?
……やってみる。一回目で乗れなくても、三回目には乗ってる。見てろ。
笑うかどうかは、結果しだい。
『リズム天国』は、目押しに違和感を持ったつんく♂さんが、その夜に書きはじめた企画書から始まった。送り先は「ダメもとでいいから」任天堂。