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我的6部作品

『銀魂』笑わせる人ほど背筋が伸びている

ふざけているかと思えば、急に背筋が伸びる話が来る。カウンターに立つようになって、この作品の力の抜き方と締め方が、接客の手本になりました。夜は品よく、昼はよく笑うバーテンダーのカオルが、6選の一本目を語ります。

適合這樣的人
ギャグ作品が好きな人と、ふざけた話は苦手かもしれないと思っている人の両方へ。人前で場をなごませる役を引き受けがちな人にも。
劇透範圍
無劇透 原作の紹介にある基本の設定(天人が来た江戸と、侍の魂を持つ坂田銀時)まで。個別の長編の中身には触れません
發言的人
Kaoru × Jin
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 7 節·約 5 分鐘
  1. カウンターに立つまでの話
  2. 好きな理由1:力の抜き方が本気
  3. 好きな理由2:急に背筋が伸びる回
  4. 好きな理由3:万事屋という場所
  5. 好きな理由4:ボケとツッコミの往復
  6. 苦手な人への入口
  7. ほかの6選とのつながり

6選の一本目は『銀魂』です。笑わせる人ほど、大事なものをちゃんと背負っている。私がこの作品から受け取ったのは、そういうことでした。カウンターの内側から見た『銀魂』の話を、少しだけお付き合いください。

カウンターに立つまでの話

高校を出て東京に来て、飲食店で働きながら標準語を一から覚えました。そのあとバーで働きはじめ、ボトルを投げ上げて受け止めるフレアの技に出会います。少女のころにピッチングで鍛えた手首が、まさかここで役に立つとは思いませんでした。ただ、技は練習すれば身につきます。むずかしかったのは、お客さんとの会話の運び方でした。喜好

笑わせすぎると、真面目な話を切り出せなくなる。かしこまりすぎると、誰も肩の力を抜けない。そのちょうどいいところを探していたころに、休みの日にまとめて観たのが『銀魂』でした。喜好

原作は空知英秋さんの漫画で、週刊少年ジャンプの公式サイトでは連載開始が2004年2号と紹介されています。同じページでは、天人の台頭と廃刀令で侍が衰退していく江戸で、ひとり侍の魂を堅持する男、坂田銀時が主人公として紹介されています。事實[1]

好きな理由1:力の抜き方が本気

銀さんは、いつもやる気がなさそうです。甘いものに目がなくて、だらしなくて、口を開けば屁理屈ばかり。それなのに、ふざけている場面ほど作り込みが細かいんです。くだらない話を、全力のテンポで、最後まで言い切る。力を抜くことに、これほど本気な主人公を、私はほかに知りません。解讀

これは接客も同じです。お客さんに肩の力を抜いてもらうには、こちらが先に、ていねいに力を抜いてみせる必要があります。雑に崩すのではなく、崩す場所と崩し方を決めておく。銀さんのだらしなさは、私にはそういう技に見えます。解讀

好きな理由2:急に背筋が伸びる回

この作品は、笑える回が続いたと思ったら、あるとき急に空気が変わります。音楽が静かになって、会話の間が長くなって、ふざけていた人たちが黙る。その切り替えの前後で、同じ登場人物がまるで別人に見えるんです。ここで具体的な話を書くのはやめておきますが、初めてその空気に出会ったとき、私は画面の前で正座していました。いや、なんで正座してんねん……と、自分で自分にツッコミを入れたのを覚えています。……ええ、正座していたのは本当です。喜好

笑わせてきた人が、締めるべきところで締める。だから締めた一言が重く届く。カウンターでも、ふだん冗談ばかり言っているお客さんが、ふっと本当の話をする瞬間があります。そういうときは、こちらも背筋を伸ばして、最後まで聞くことにしています。解讀

Jin

……それ、俺がライブ帰りに寄ったときの話じゃねぇだろうな。別に、本当の話なんかしてねぇけど。

Kaoru

誰の話かは内緒。……三曲目のソロ、よかったって顔に書いてあるよ。

好きな理由3:万事屋という場所

銀さんのまわりには、いつのまにか人が集まってきます。頼まれた仕事を引き受けて、文句を言いながら、結局は最後まで付き合う。私がいちばん好きなのは、そういう場所の空気です。誰かが落ち込んでいても、まわりは大げさに慰めたりしない。いつもどおりにふざけて、いつもどおりにごはんを食べる。それで少しずつ、肩が下がっていく。解讀

小さなバーのカウンターも、少しだけそれに似ています。理由を聞かずに迎えて、話しはじめるまで待つ。笑いたい人には笑ってもらい、黙りたい人には黙っていてもらう。誰かの居場所になるのに、立派な言葉はいりません。喜好

好きな理由4:ボケとツッコミの往復

この作品の会話は、ボケとツッコミの往復でできています。誰かがとぼけたことを言うと、すかさず誰かが言い返す。その往復が一回で終わらず、二回、三回と続いていく。関西の家で育った私には、子どものころの食卓そのものに聞こえます。ツッコミは相手を否定することではなく、ちゃんと聞いていたという合図なんです。カウンターで私がつい関西仕込みのツッコミを返してしまうのも、たぶん同じ理由です。……もちろん、お客さんを選んでお返ししていますけれど。解讀

苦手な人への入口

ふざけた話が続くので、合わないと感じる方もいると思います。おすすめは、一話完結の笑える回を、肩の力を抜いて二、三本だけ観ることです。全部の冗談が分からなくても大丈夫。分からないところは流して、登場人物どうしの言い合いのテンポだけを楽しんでください。漫才を聞くつもりで観ると、ちょうどいい速さになります。

笑える回に慣れてきたら、少し空気の違う回にも出会うはずです。そのとき、それまで笑っていた時間が無駄ではなかったと分かります。……あ、これ以上は言いません。言うたら、あかんやつです。……言い直します。ここから先は、ご自分の目で確かめていただくところです。喜好

ほかの6選とのつながり

何も起きない一日を全力で描く『日常』とは、間の取り方でつながっています。家族全員が暴走する『浦安鉄筋家族』とは、笑ってしまえば勝ちという気持ちでつながっています。そして、野球の二本、『タッチ』と『MAJOR』。ふざけているように見える人が、いちばん大事な場面でどう背筋を伸ばすか。私の6選は、だいたいその一点でつながっている気がします。喜好

力を抜くのにも、締めるのにも、同じだけの本気がいる。笑わせる人ほど、背筋はまっすぐです。

本文中的作品

銀魂
動畫 2006 · TV系列
講述者 Kaoru 夜裡優雅、白天愛笑的調酒師 閱讀更多 Kaoru 的文章 →

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