目錄
6選の二本目は、漫画の『マリッジトキシン』です。メイさんは可愛くて、何でも器用にこなしてしまう。私も可愛くて器用になりたいけれど、今のところ、どっちも練習中です。今日は、その「練習中」の話です。
可愛い路線に戻したころ
事務所の方針で、しばらくクールなキャラで活動していた時期がありました。でも、それをやめて、自分の好きな可愛い路線に戻すと決めた。そのころ、移動の電車でずっと読んでいたのがこの漫画です。ページをめくるたびに、メイさんの手際のよさに見とれて、降りる駅を二回乗り過ごしました。喜好
どんなお話か
『マリッジトキシン』は「少年ジャンプ+」で連載されている漫画で、原作は静脈さん、漫画は依田瑞稀さんです。ボンズフィルムの制作で、テレビアニメにもなっています。事實[1]
公式サイトの原作紹介によると、主人公の下呂は、殺し屋『毒使い』の青年です。その毒使いは数百年も続いてきたという。裏の稼業で生きていて、女性も苦手。そんな下呂にとって、結婚は避けるべきものでした。事實[2]
その下呂さんが出会うのが、仕事で狙うはずだった結婚詐欺師の城崎さん。こうして、結婚詐欺師に助言をもらいながら殺し屋が婚活をする話が動き出します。事實[3]
好きな理由その一 メイさんの手際
メイさんは、婚活の手ほどきをするときの目線が本当に細かい人に見えます。下呂さんに教えるときの、てきぱきした言葉の運び。読んでいると「この人、何でもできる!」って声が出ます。私はボタンを一つ付けるのに三十分かかるので、メイさんの手際のいい場面は、つい何度も読み返してしまいます。喜好
好きな理由その二 可愛いは作れる
メイさんの可愛さは、ただそこにあるんじゃなくて、場面に合わせて組み立てられているように見えます。表情のひとつ、仕草のひとつまで、ちゃんと考えて選んでいる。結婚詐欺師という仕事の腕前でもあるんだけど、私には「可愛いは作れるんだよ」って教えてくれる先生に見えるんです。可愛さは生まれつきなのか、作るものなのか。私がずっと考えていることへの、一つの答えをもらった気がしました。解讀
好きな理由その三 戦うのに婚活
殺し屋の世界のお話なので、迫力のある場面もあります。なのに、すぐまた真剣に婚活の作戦会議をしている。その落差がおかしくて、電車の中で笑いをこらえるのが大変でした。真面目な人が真面目に慣れないことをする姿って、どうしてこんなに応援したくなるんでしょう。喜好
私の見方 器用さに憧れて
メイさんに憧れて、衣装作りに再挑戦しました。羽根を八枚と、鎖と、ハートを三十個。全部入れたら全部可愛くなると思ったんです。結果は、聞かないでください。見かねたルカーノさんが、デザイン画をまず褒めてくれて、それから型紙を一枚ずつ直してくれました。喜好
情熱は Bellissimo! だよ。ただ、ハートは三つで十分。減らしたぶん、残った三つが光るからね。
三つ! 二十七個も減るの? ……でも、メイさんもきっと、足すより選ぶほうが上手なんですよね。
器用さは、全部を詰めこむことじゃなくて、何を選ぶかなのかもしれない。メイさんを見ていて、ルカーノさんに針の持ち方を教わっていて、今はそう思っています。思っているだけで、手はまだついてきませんけど。解讀
好きな理由その四 下呂さんの不器用さ
それに、下呂さんの不器用さも、他人事とは思えません。殺し屋としては一流なのに、女の人と話すとなると、とたんにぎこちなくなる。得意なことと苦手なことの差が大きすぎるところが、緊張すると古めかしい言葉が出てしまう私とそっくりです。メイさんに教わって少しずつ会話ができるようになっていく下呂さんを見ていると、私もいつか、衣装の一着くらいは自分で縫えるようになる気がしてきます。喜好
苦手かもしれない人への入口
殺し屋のお話と聞くと、身構える人もいるかもしれません。でも、最初の数話は婚活コメディとして読むのがおすすめです。下呂さんがメイさんに教わって、慣れない会話にあたふたするところから入ると、戦いの場面も「この二人のバディもの」として楽しめるようになります。喜好
ほかの6選と
衣装を作ろうと決めたきっかけは『アイカツ!』で、作り直しを決めたきっかけはこの漫画でした。キャラを作って人前に立つ、という点では『【推しの子】』ともつながっています。メイさんの「作った可愛さ」は、私にとって嘘じゃなくて努力の形です。喜好
器用さは、全部を詰めこむことより、何を選ぶか。ハートは三十個より三つ、のほうが光ります。