この作品は、私がいちばんよく流しているアニメです。そして、いちばん中身を覚えていないアニメでもあります。そこで今回は洗濯物を脇にどけて、広告の裏にメモを取りながら観直しました。観終えた方に向けた二周目の案内です。後半の話と最終話のことは、開かないと読めない箱に入れました。
観直す前の手がかり
『ARIA The ANIMATION』はテレビアニメ『ARIA』の第1期で、2005年10月から放送された全13話です。監督とシリーズ構成は佐藤順一さん、アニメーション制作はハルフィルムメーカーです。事实[1]
マンホーム(地球)から来た水無灯里の憧れは、ゴンドラで街を案内する女性の仕事、ウンディーネ。灯里が入るのはARIAカンパニーという小さなゴンドラ会社で、そこで成長していきます。舞台の観光都市ネオ・ヴェネツィアがあるのは、テラフォーミングで水に満たされた火星アクアです。事实[2]
……にゃ。
あら、テンちゃん。画面の猫が気になるのね。あの子はARIAカンパニーの社長さんなんですよ。
ARIAカンパニーで社長をつとめているのは、アリア社長というオス猫です。事实[2]
第1話の灯里さん
第1話の時点で、灯里がアクアに来てからもう1年がたっています。灯里が来てから試験に受かるまでのお話は原作漫画『AQUA』で描かれていますが、アニメではそこが省かれているのです。事实[10]
アイはアニメ版だけに出てくるオリジナルの登場人物で、旅行でマンホームからアクアへやって来た女の子です。佐藤監督の、灯里たちを俯瞰で見る人がほしいという考えから生まれた人物なのだそうです。事实[4]
一つ目の見どころです。一周目の私は、灯里さんを新人さんだと思って観ていました。でも二周目に気づくと、第1話の灯里さんは、もう街に来て一年たった人なんです。初めてこの街に来たときの目は、アイちゃんのほうに預けてある。だからアイちゃんが出てくる場面では、その顔を見ながら観てください。私たち観る側の目も、あの子の隣に置かれているように思えました。解读
中段为止中盤までの展開点击展开
アイはもともと、アクアのことが嫌いでした。その気持ちが、灯里と出会ったことで変わっていきます。事实[4]
中段为止中盤までの展開点击展开
嫌いだった場所を好きになるのは、誰かがそこを好きでいる姿を、そばで見せてもらったときなのかもしれません。海辺の町に嫁いで、浜の暮らしに戸惑っていたころの私も、町の人たちの楽しそうな顔を見て、少しずつこの町が好きになりました。二周目は、灯里さんが何を見せたかより、アイちゃんが何を見ていたかを追ってみてください。解读
毎回ちがう始まりの映像
オープニングの映像は、毎話ちがうものです。しかもどの回も、オープニングテーマの入りは本編が始まってから。シリーズを通して、そういう構成になっています。事实[5]
二つ目の見どころです。流し見をしていた私は、オープニングは毎回同じだと思いこんでいました。手を止めて観ると、毎回ちがうものが映っているんです。その回のお話と見比べてみるのも、二周目の楽しみです。オープニングを飛ばさないでください。解读
きれいなだけではない街
美術では、街の朽ちたところも、そのまま描かれているそうです。助監督の指示によるもので、きれいなだけの街にするより、裏側までのぞけるような部分を見せたほうがいい、という判断があったのだとか。事实[6]
三つ目の見どころは、壁のしみや、はがれかけた塗りです。うちの台所の壁にも、子どもたちが小さかったころの落書きのあとが残っています。人が暮らしてきた場所には、こういうあとが必ずあるんですよね。二周目は、ゴンドラがゆっくり進む場面で、背景の壁を見てみてください。解读
にゃ。
テンちゃんは、壁より社長さんばかり見ていますね。
音楽が呼んでいるもの
音楽については、楽しい場面に楽しい曲、悲しい場面に悲しい曲を当てる作り方では、ネオ・ヴェネツィアの景色になじまなかったそうです。そこで「夕陽」や「懐かしい物との別れ」のようなキーワードを先に決めて、そこから浮かぶイメージをもとに曲が作られていった、と紹介されています。事实[7]
四つ目の見どころです。にぎやかな場面でも、流れている音楽はどこか夕方の色をしています。洗濯物を畳みながら聴いていると、なぜか少しさびしくなる理由が、二周目でやっと分かりました。楽しい時間は、いつか終わることを知っている音なんですね。解读
何気ない手つき
紹介によると、この作品が大事にしているのは日常の部分だそうです。登場人物たちがふと見せる仕草や表情、それに肌触りや存在感のようなものです。第10話の題名は「その ほかほかな休日は…」です。事实[11]
おまけの見どころです。流し見では、仕草は目に入りません。手を止めた二周目は、誰かが何かを手渡すとき、受け取るときの手つきを見てください。私は題名に「ほかほか」とあるだけで、もうおなかがすいてしまいましたけれど。解读
恥ずかしい台詞の加減
灯里がたびたび口にする恥ずかしい台詞には、そのつど藍華のつっこみが入ります。この台詞の加減について、脚本の吉田玲子さんのお話では、見ている人が普通につっこめるくらいにとどめているそうです。狙いすぎると、やりすぎに感じられてしまうから、と。事实[8]
うちでも、ゲンさんが照れくさいことを言うと、子どもたちがすぐにつっこみます。言う人と、つっこむ人がいて、はじめて照れくさい言葉は家の中に置いておけるんです。二周目は、つっこまれたあとの灯里さんの顔を見てください。少しもへこたれていません。解读
第1期の締めくくり
结局·真相最終話点击展开
第1期は、原作がそうしているように季節の移り変わりを意識して組み立てられ、最終話は年越しで締めくくる形になりました。全13話しかない第1期の最後を年越しにしたいので、そこから逆に数えて、第1話を灯里がアクアに来て1年後から始めたのだそうです。事实[3]
结局·真相最終話点击展开
第1期の最終話、第13話の題名は「その まっしろな朝を…」です。事实[9]
结局·真相最終話点击展开
一周目の私は、きっと最終話の途中で眠っていました。二周目は最後まで起きていて、第1話で一年目を終えていた人が、もう一つの一年を締めくくるところまで見届けました。始まりがすでに一年たったところからだったのは、この最後の朝のためだったのだと思います。第1話と最終話を続けて観ると、季節が一回りしたことが、肌で分かります。解读
……にゃ。
テンちゃん、もう眠いのね。洗濯物の上で寝てはいけませんよ。続きは、また明日にしましょう。
二周目は、一度だけ手を止めて、オープニングと背景の壁を見てください。