好きな本の帯や作品ページで、ときどき「○○賞受賞作」という文字を見かけます。ルカが気になったのは、受賞した作品よりも、受賞しなかった原稿のその後でした。
魔王さまは銀賞から
銀ってことは、金とか大賞もあるんだ。
第34回の募集ページ(電撃小説大賞の公式サイト)を見ると、用意されている賞は大賞、金賞、銀賞だけではありません。メディアワークス文庫賞は、メディアワークス文庫から刊行することが前提。電撃の新文芸賞は、電撃の新文芸から出すことが前提です。受賞作は、必ず電撃文庫などから本として出る、とも書かれています。事实[2]
受賞しなくても担当がつく
ここから先が、私にはいちばん驚きだったのです。同じページによると、最終選考まで残れば、受賞したかどうかに関係なく、担当編集が必ずつくのだそうです。その担当と一緒に、原稿を直したり、新作をいちから作ったりしていくとのことです。事实[3]
へえ。落ちても終わりじゃないんだ。有依据的推测
公式サイトには、選考を通った人に送る選評のことも書かれています。1次〜2次選考を通った人には選評が届き、3次選考を通った人(最終選考候補者をのぞく)には、編集者複数名からの選評が届くそうです。選考をするのは編集者たちで、電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸に所属しています。事实[4]
選外からのデビューについても書かれていました。賞を逃したとしても、編集者が目を留めてくれればデビューはできる、と。事实[5]
言葉を読んで返してくれる人
私は、この「選評が届く」という仕組みに、ずいぶん心を動かされました。送った言葉を、誰かがきちんと読み、言葉で返してくれる。結果がどうであれ、聞いてもらえたという手応えが残る。以前、何を言っても聞いてもらえなかったことのある身には、それがどれほど大きいか、よく分かるのです。解读
それはわかる。ダメならダメで、理由を言ってほしい。説明もなしに落とされるのが、いちばん腹立つ。喜好
アカリ様らしいご意見です。ただ、私が応募するとしたら、送る前に一行目を三日ほど悩んでしまいそうですが。
三日は長い。……でも、一回出してみなよ。読む人がいるって分かってるなら、出さない理由ないじゃん。
受賞作の帯を見るときに
「受賞作」という言葉の向こうには、受賞しなかった原稿と、それを読んだ編集者たちの時間があります。そう思って本屋の棚を眺めると、一冊の受賞作が、たくさんの応募作の中から、何度も読まれたうえでここにある、ということが少し実感できます。そして棚のどこかには、選外から出発した書き手の本も並んでいるのです。解读
ルカ、もし書くなら何書くの?
そうですね……異世界に来た者が、伝説の剣より先に、今夜眠れる場所を探す話でしょうか。地味すぎて、一次選考の方を退屈させてしまうかもしれませんが。
地味でいいじゃん。魔王がバイトする話が銀賞なんだから。読む人がいるなら、出してから考えればいいよ。
電撃小説大賞では、最終選考に残れば受賞しなくても担当編集がつく。受賞作の帯の向こうには、読まれた原稿がたくさんある。