不良ものが好きなジンと、音にうるさいイロハ。二人の好みがちょうど重なる作品があります。少女漫画誌で連載された、ジャズの青春の物語です。
1966年初夏の九州の坂道
ジン、不良が出てくる音楽ものって、ほかに何が好き?
『坂道のアポロン』。札付きのワルが、優等生をジャズに連れていく話だ。
アニメの公式サイトのストーリーによると、1966年の初夏、父親の仕事の都合で、高校一年生の西見薫はひとり横須賀を離れ、親戚が住む九州へ移ってきます。優等生だった薫は、まわりに心を閉ざしがち。そんな薫を変えていくのが、クラスメイトの川渕千太郎との出会いです。千太郎は破天荒で、“札付きのワル”として恐れられていました。千太郎を通してジャズの魅力にふれた薫に、初めて「友達」と呼べる相手ができます。事实[2]
ワルが、優等生にジャズを教える。逆じゃない。そこがいい。喜好
教科書みたいな音しか知らなかった子が、崩れた音に出会う感じだね。きれいに並んだ鍵盤の上に、急に水たまりができるみたいな。解读
少女漫画誌から
公式サイトのイントロダクションによれば、原作は小玉ユキさんの『坂道のアポロン』で、小学館の「月刊フラワーズ」に連載されました。モダンジャズがはやった1960年代を背景に、描かれるのは高校生たちの友情と恋心、そして音楽です。事实[1]
少女漫画誌で、男同士の友情とジャズ。俺は棚の前で一回止まった。でも読んだら、セッションの場面がちゃんと熱い。喜好
少女漫画の線で描かれる演奏って、どんな感じなんだろう。汗より、指先や横顔のほうに光が集まりそう。解读
それはアニメでも漫画でも、自分の目で確かめてくれ。俺が言えるのは、ワルのほうが楽しそうに音を出してると、優等生のほうの顔がだんだんほどけていく、ってことだけだ。解读
あの宇宙のジャズアニメと同じ二人
同じイントロダクションによると、アニメ化を手がけたのは「サムライチャンプルー」「カウボーイ・ビバップ」で知られる渡辺信一郎監督。音楽は菅野よう子さんです。「カウボーイ・ビバップ」で話題になったこの二人が、もう一度組んだ、という紹介になっています。事实[1]
宇宙のジャズのあとに、1960年代の坂の町のジャズ。同じ二人なのに、舞台がまるでちがう。作品中的观察
宇宙のほうは、ジャズがかっこよさの道具だった。こっちは、ジャズが友だちになる道具だ。俺はそう聴いた。解读
演奏の場面で、手もとや目線をどこまで描くかで、二人の距離が見えるよね。音が合った瞬間、目が合うのか、合わないのか。解读
そうだ。セッションは、言葉じゃない会話だ。相手が走ったら追う。相手が止まったら待つ。俺もバンドで、ふだん口をきかないやつと、音の上でだけ話してる。解读
物語の中の音は二人のため
物語の中で鳴る音楽は誰のためのものか。この作品は、客のためじゃなくて、まず弾いてる二人のためだと思う。二人が友だちになるために鳴ってる。解读
それを観てる私たちは、二人の会話を、横で聞かせてもらってるんだね。解读
……そういう言い方、嫌いじゃない。
『坂道のアポロン』のアニメは、『カウボーイ・ビバップ』の渡辺信一郎監督と菅野よう子さんの組み合わせ。優等生と札付きのワルが、ジャズで友だちになる。