この文章は、TVアニメ『ラブライブ!』第1期を最後まで観た人のための、二周目の案内です。まだの人は、ここで閉じて第1話へ。物語の中身に深く触れるところは、ぜんぶ押さないと開かない箱に入れました。箱の外には、展開は書いていません。
初めてライブを観た日の夜
初めてひとりで大きな街に出た日、偶然通りがかった小さなライブで、舞台の女の子と客席が同じ顔で笑っていました。その夜、帰ってすぐスクールアイドルのアニメを全部観ました。それがこの作品です。にこちゃんの決めポーズは、鏡の前で何百回も練習しました。喜好
TVアニメ『ラブライブ!』を制作したのはサンライズです。京極尚彦さんが監督を、花田十輝さんがシリーズ構成をつとめました。第1期は全13話で、放送されたのは2013年1月〜3月でした。事实[1]
先に言っておくと、私、アニメは少し苦手よ。でも振りの話なら付き合える。あなたが何百回も練習したポーズの元を、ちゃんと見ておきたいもの。
ありがとうございます、ミサさん! ……よかろう、苦しゅうない、じゃなくて、がんばって案内します!
何度も流れる一曲を数える
第1期には、同じ曲が何度も出てきます。「START:DASH!!」は第2・3・4・7・13話で使われていて、歌い手が回によって変わります。第2話では西木野真姫ひとり、第3・4・7話では穂乃果・ことり・海未の三人が歌っています。事实[3]
一周目の私は、歌い手が変わっていることに気づいていませんでした。二周目は、この曲が流れるたびに、何人の声が重なっているかを数えてください。最初は、たったひとりの声です。解读
结局·真相結末(第13話の歌い手)点击展开
第13話の「START:DASH!!」は、μ'sの声で歌われます。ひとりの声から始まった曲に、三人、そして九人と声が足されていく。この一曲の歌い手を順に並べるだけで、十三話ぶんの物語の地図になります。解读[3]
もう一曲、「ススメ→トゥモロウ」は第1話と第13話で使われています。最初と最後に同じ曲を置く。舞台でいうと、開演と終演で同じ曲を流すようなものです。事实[4]
振付師としては、同じ曲が戻ってくるのはありがたいのよ。前と同じ振りを、前と違う体でやることになるから。上達がいちばんごまかせないのは、同じ曲を踊ったとき。解读
第3話の講堂の客席
二周目でいちばん時間をかけたのが、第3話「ファーストライブ」です。一周目は、舞台に立つ三人の顔ばかり見ていました。二周目は、目線を客席に向けます。喜好
中段为止中盤の展開(第3話)点击展开
三人がファーストライブを開くのは、新入生歓迎会のすぐあとの講堂です。幕が上がっても、客席は空っぽだった。そこへ花陽と凛が駆けつけてきて、それを見た穂乃果は、ライブをやると言い切る。最後まで客席にいたのは、手伝いに来てくれた友人たちと花陽、凛。それから、曲を書いてくれた西木野真姫と、アイドルを目指す矢澤にこ、副会長の東條希、生徒会長の絵里。それで全部でした。
二周目にこの客席を見ると、鳥肌が立ちます。花陽、凛、真姫、にこ、希、絵里。手伝ってくれた友人たちのほかに客席にいた六人が、のちに同じ舞台に立つことになるから。ほとんど空っぽの客席に、未来のメンバーが座っていた。私は小さなライブハウスで歌っているので、お客さんが数人の夜を何度も知っています。でもこの回を観てから、数人の客席を寂しいと思わなくなりました。その数人が、いつか隣で踊る人かもしれないので。解读[2]
客席の顔を覚えておきなさい、っていつも言ってるでしょう。初日に来てくれた人は、あとで一番大事な人になるのよ。解读
はい! ……私のライブのいちばん後ろの人たちも、ちゃんと覚えてます。いつも腕を組んでる人とか。
衣装とステップを作っている人
TVアニメのことりが受け持っているのは、ライブで着る衣装です。デザインから縫うところまでを引き受けて、ダンスのステップも考えている。得意なのは服飾とイラスト、という紹介です。事实[6]
衣装を自作して事務所の全員を黙らせたことのある私にとって、ことりちゃんは雲の上の人です。二周目は、ライブの場面より、ライブの前の場面を見てください。衣装ができあがって、みんなが袖を通す瞬間。その少し後ろで、作った本人がどんな顔をしているか。喜好
结局·真相終盤の展開(第11〜13話)点击展开
学校が残ると決まったお祝いのパーティーの最中に、ことりが海外へ留学することが分かります。服飾を学ぶための留学でした。いちばん近くにいた親友の悩みを見逃していた穂乃果は、そんな自分がいやになって、スクールアイドルをやめると口にしてしまう。
二周目に序盤を観なおすと、ことりがずっと「作る人」として画面の端にいたことが分かります。衣装を縫い、ステップを考え、みんなが舞台に出るのを見送る。その手の確かさが、あとで遠くへ行く理由そのものになる。一周目の私は、留学の話が突然に思えました。二周目は、突然じゃなかったと思えます。衣装の一着一着が、あの子の夢の下書きだったから。解读[5]
にこちゃんの二つの顔
私の推しは矢澤にこです。TVアニメのにこは、外の人の前ではアイドルの顔を崩さず、メンバーといるときには見栄を張る毒舌家の素顔がのぞく、と紹介されています。それでも、アイドルという存在には本気で向き合っている人です。喜好[7]
私の研究テーマは「舞台の上のキャラと本当の自分は、どこまで同じでいいのか」です。にこちゃんは、その答えを一人で両方やって見せてくれる人。二周目は、にこちゃんが人前で顔を切り替える瞬間を探してください。切り替えのスイッチが入る一拍の間に、その人の努力の量が見えます。解读
中段为止中盤の展開(第5話まで)点击展开
1年生のにこは、アイドル研究部の部長でした。スクールアイドルのグループを束ねていたけれど、仲間との関係がこじれて、一人残らずやめてしまう。3年生になるころには、スクールアイドルを続ける気持ちがほとんど折れかけていました。
これを知って第3話の客席にいるにこちゃんを観ると、まったく違う顔に見えます。一人になった舞台を、もう一度誰かが始めようとしている。それを客席から見ている人の気持ちを想像すると、私は第3話でもう泣いてしまいます。その後の意地の張り方も、本気だった人にしかできないものに見える。解读[7]
立ち姿と礼を見る
園田海未の家は、曾祖母の代から続く日本舞踊の家元で、海未は作詞も担当しています。事实[8]
あの子の立ち方は、たしかに習いごとの体ね。重心がぶれない。カノン、あなたも礼だけは百点なんだから、二周目は海未の止まっている姿勢を見て、そこから動き出す瞬間を盗みなさい。解读
止まってる姿勢から動き出す瞬間……。私、ターンのたびに転ぶのって、そこなのかもしれません。次のターンで試してみます!
最後の講堂
最終話の前に、もう一度だけ第3話の客席を思い出してください。そこまで観てきた二周目の目で、最終話の講堂を観ると、何が変わったかがよく見えます。喜好
结局·真相結末(第11〜13話)点击展开
文化祭のライブが描かれるのは第11話です。張り切りすぎた穂乃果は体調を崩していて、1曲目を歌い終えたところで高熱を出して倒れてしまう。そして最終話。もう一度九人になったμ'sは、ファーストライブの日に立てた誓いのとおり、満席の講堂でライブを成功させます。
二周目の私が見ていたのは、満席の客席より、舞台袖でした。待っている仲間のところに、遅れて二人が走って来る。一周目は「間に合った!」と思っただけでした。二周目は、第3話で空っぽの客席を前にした三人と、満席の客席を前にした九人を、頭の中で並べて観ていました。転んだ回数だけ、起き上がった回数がある。第11話で倒れた人が、最終話で立っている。私がいちばん好きな舞台は、こういう舞台です。解读[5]
倒れた次の舞台に立つのが、いちばん勇気がいるのよ。あなたもそうだったでしょう。……二周目、悪くなかったわ。解读
二周目は「START:DASH!!」が流れるたびに、重なっている声の数を数えてみてください。