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二周目

『そして誰もいなくなった』を動機の欄から読み返す

初めて自分で買った推理小説を、今度は終わりの頁から読み返しました。一周目に空いたままだった動機の欄は、二周目に埋まったのか。犯人と仕掛けに触れるので、読み終えた方へ。聞き手は、あらすじを指で隠して読み終えたルカです。

本文含有直到结局的剧透

范围アガサ・クリスティーの長編小説『そして誰もいなくなった』(1939年刊。日本語訳は版を特定しません)の犯人・仕掛け・結末まで。作者自身による戯曲版は、結末が違うことと、その違い方にだけ触れます

这是写给看完作品、想在二周目看得更有趣的人的文章。中段展开与结局、真相的细节都折叠起来,点击才会显示。

适合这样的人
『そして誰もいなくなった』を最後の頁まで読み、犯人も仕掛けも知ったうえで、もう一度島へ渡りたい人へ。一周目に、誰が・いつ・どこにいたかの表を作った人にも。
剧透范围
会提及结局 アガサ・クリスティーの長編小説『そして誰もいなくなった』(1939年刊。日本語訳は版を特定しません)の犯人・仕掛け・結末まで。作者自身による戯曲版は、結末が違うことと、その違い方にだけ触れます
发言的人
Tokiwa × Luka
主张的种类: 事实 作品中的观察 有依据的推测 解读 喜好
目录 共 10 节·约 17 分钟
  1. 終わりの頁から読む
  2. 十行の告発
  3. 手続きを言い出す人
  4. 死を確かめる場面
  5. 島の品の目録
  6. 心の中の行
  7. 日記を書いていた者たち
  8. 童謡の二つの終わり方
  9. 動機の欄はまだ空いている
  10. 二周目の表

6選の二本目にこの本を挙げたとき、あらすじを指で隠して読む方に、この本は隠して読んだほうがよいと伝えました。ルカです。読み終えたと聞いて、出張先のホテルのロビーの隅で、同じ本を二冊並べました。私にとっては二周目、ルカにとっては一周目を閉じた直後です。私は読み返すとき、動機の章から読みます。この本で動機に当たることが語られるのは、最後の頁の近くです。ですから二周目は、終わりの頁から始めました。犯人と仕掛けは、段階ごとに畳んであります。

終わりの頁から読む

Luka

後ろから、お読みに。

海の向こうの島に、差出人のはっきりしない招きで十人の男女がそろう。そして壁の童謡が歌うとおりの順に、一人、また一人と命を落としていく。物語の骨組みは、それだけです。事实[2]

Tokiwa

後ろからです。一周目は、頁の順に表を作りました。表は埋まり、動機の欄だけが空いた。動機に当たることが書かれている頁は、最後のほうにあります。そこを先に読んでから表を作り直せば、欄の空き方が変わるかどうかを確かめられます。

结局·真相犯人と告白(結末にふれます)点击展开

十人全員が死んだあと、島に渡った警察は、誰が最後まで生きていたのかを突き止められず、事件は行き詰まります。やがて、海で漁の網に引っかかった瓶が届けられ、中から告白の文書が出てきます。書いたのは、十人の一人だった元判事です。

告白によれば、元判事は幼いころから、正しさを求める気持ちと、人の命を奪いたいという欲を、同時に抱えていました。刑事裁判の判事として罪人に死刑を言い渡すことで、その二つを長く満たしてきた。けれど年を取り、病が重く、残りの時間が長くないと知って、法の手の届かない死を招いた者たちを集め、自分の手で裁くことに決めた。島の売り買いや手配を任せた代理人にも、出発の前に死に至る薬を渡していました。

二周目、私はこの数頁を読み終えてから、一頁目に戻りました。作品中的观察

Luka

動機の欄は、埋まりましたか。

Tokiwa

書き写すことはできました。欄に入れるかどうかは、最後に申し上げます。

Luka

私は、前から順に読みました。隠した指は、最後の頁で外しました。

Tokiwa

前から読んだ方の一周目と、後ろから読む私の二周目は、同じ本でも別の控えです。二つ並べると、どの頁で何を知っていたかの差が見えます。今日は、その差を表にします。

後ろから読むと、最初の章の読み味も変わります。物語は、島へ向かう人々の紹介から始まります。一周目の私は、紹介の順番を、ただの登場の順として表に写しました。二周目は、紹介の順番の横に、その人が島で最初に口にした言葉を一行ずつ添えていきました。作品中的观察

结局·真相最初の章の読み直し(結末にふれます)点击展开

最後の頁を読んだあとで最初の章に戻ると、人物の考えごとが地の文で語られる箇所の読み味が変わります。誰の考えごとが、どんな言葉で書かれているか。一周目に何気なく読んだ行が、別の重さを持ちはじめる。

二周目の私は、自分の表を一行目から順に、誰が表を作らせた人だったのかを問い直しながら見返しました。作品中的观察

十行の告発

最初の晩、食事のあとで、集まった全員の過去の罪を一人ずつ告げる声が、部屋に流れます。一周目、私はこの場面を、確かめられていない告発の重さとして読みました。二周目は、もう少し事務的に読みます。十人ぶんの告発を、縦に十行、同じ書式で書き写す。誰が、誰を、どういう形で死なせたとされているか。告発の声は、その場にいる誰かの口から出たものとは違います。執事が指示書に従って掛けた、蓄音機の円盤の声です。問い返す相手が、部屋のどこにもいない。円盤は何度掛けても、同じ言葉を同じ順で繰り返すだけです。作品中的观察

Luka

お仕えする側のご夫婦も、十人の中に入っておりました。

Tokiwa

執事と料理人の夫婦です。客ではなく、働きに来た二人も、告発の十行に入っています。あなたはそこを見ていた。私は一周目、二人の行を、客の行より小さな字で書いていました。訂正します。二周目は、同じ大きさで書いています。

告発の晩から、島の人々は、起きた死に一つずつ名前を付けていきます。何が起きたのかを、自分たちで決めてしまう。二周目、私はその付け方を、表の中で別の色にしました。作品中的观察

中段为止最初の二つの死(中盤の展開)点击展开

告発の直後、ふざけ半分にグラスを空けた若者が、苦しみだして死にます。医師が毒によるものだと確かめ、ほかの飲み物に毒がないことも確かめる。人々は、罪を苦にした自殺だと受け止めます。翌朝には、告発の声を聞いて倒れた料理人の妻が、寝床で冷たくなっている。こちらは、眠り薬を飲みすぎた事故として扱われます。

一周目の私は、この二つの判定を、登場人物たちと一緒に受け入れていました。二周目に表を見直すと、どちらの判定にも、確かめた者の欄に一人の名前しか入っていない。手続きを経ない判定が二つ続き、そのあいだに、島の夜は一つ進んでいます。三つ目の死が来て、ようやく人々は、自分たちの中に手を下す者がいると考えはじめる。私の表で言えば、最初の二行は、書き直しの印が付いたまま残っています。作品中的观察

结局·真相書式の合わない一行(結末にふれます)点击展开

十行を同じ書式で並べると、一行だけ、罪状の欄の中身が合わない行があります。元判事の行です。元判事は、ある裁判で陪審を導いて被告を死刑にした、と告げられます。けれど、その被告が実際に罪を犯していたことは、のちに裏づけられていた。罪のない者を死なせた、という招待の条件に当てはまらないのは、十行のうち元判事の一行だけです。

告白の中で、元判事はこれを、正体を見抜くための手がかりの一つとして挙げています。招かれた側の条件を満たしていない者は、招いた側にいる。表の書式をそろえるだけで、一周目に読み流した食い違いが、目に見える形で浮いてきます。

私の仕事でも、書式のそろった束の中に、一枚だけ欄の埋まり方が違う紙があれば、まずその紙を抜きます。一周目の私は、物語の中では、その紙を抜かずにいました。作品中的观察

二周目にこの十行を書き写していて、もう一つ気づいたことがあります。告発の中身には、日付も場所も、だいたいのことしか含まれていない。それでも、告げられた側は、どの件を言われているのかを、全員がすぐに分かっている。告発が正確だったからではなく、告げられた側が覚えていたからです。控えより先に、本人の記憶が罪状を確かめてしまう。この場面の怖さは、二周目のほうが深くなりました。解读

手続きを言い出す人

人が減っていくなかで、残った者たちは、疑い合いながらも、いくつかの決まりを作ろうとします。誰がどこにいたかを互いに確かめる。危ない物を一か所にまとめる。全員の持ち物を調べる。私は一周目、こうした決まりを言い出す声が聞こえるたびに、少しほっとしていました。作品中的观察

Luka

トキワ様が、いちばんお信じになる方の声と存じます。

Tokiwa

そのとおりです。手続きを言い出す者を、私は一周目、表の中でいちばん疑いの薄い欄に置いていました。

Luka

お声の落ち着いた方は、信じたくなるものです。

Tokiwa

落ち着いた声。その欄は、私の表にありました。一周目は、落ち着いている者ほど、疑いの欄を薄く塗っていました。二周目の塗り方は、畳んだ中に書きます。

中段为止決まりを言い出した人(中盤の展開)点击展开

薬と銃をしまい込み、全員の部屋と持ち物を調べようと言い出すのは、元判事です。島の上で、いちばん手続きらしい手続きを回しているのは、この人です。作品中的观察

结局·真相決まりの別の顔(結末にふれます)点击展开

最後の頁を先に読んでからこの場面に戻ると、決まりの一つひとつが別の顔を見せます。調べる側に立つ者は、調べられる側の順番を決められる。手続きを言い出す人は、手続きの外側をいちばんよく知っている人でもある。二周目、私は落ち着いた声で決まりを言い出す者ほど、疑いの欄を濃く塗りました。この場面では長く手を止めています。私自身が、いつもこの席に座る者だからです。作品中的观察

死を確かめる場面

二周目、私は表に一つ欄を足しました。誰かの死が告げられるたびに、その体に触れて確かめたのは誰か、という欄です。一周目には、死んだという事実だけを書いて、誰がそう言ったかは書かずにいました。足してみると、この欄の埋まり方には偏りがあります。喜好

结局·真相元判事の死(結末にふれます)点击展开

人が死ぬたびに呼ばれ、体に触れ、死を告げるのは、たいてい島に一人だけいる医師です。医師がいることは、一周目には心強く見えました。二周目には、一人しかいないことのほうが目に入ります。

若い女性教師が、自分の部屋で天井から垂れた海藻に触れて悲鳴を上げます。残った者の多くが二階へ駆け上がり、戻ってくると、元判事が椅子に座ったまま、判事の装いをして死んでいる。額に撃たれた跡があり、医師が死亡を告げます。体に触れて確かめたのは、医師一人です。

告白によれば、この死は偽装でした。元判事は医師に、犯人をあぶり出すための芝居だと持ちかけ、手を貸させていた。医師はその夜のうちに姿を消し、のちに浜に打ち上げられて見つかります。

童謡の一節に出てくる魚の名は、英語の慣用句では、人の目をそらすための物を指す言葉でもあります。医師の死に重ねられた一節です。告白は、これを二つ目の手がかりとして挙げている。三つ目は、元判事の額の傷を、聖書の中で人が付けられた印になぞらえたものでした。

確かめた者が一人しかいない死を、ほかの全員が死として受け取り、日記に書く。私の仕事なら、確認者一名の記載は差し戻します。島の上には、差し戻す先がなかった。作品中的观察

島の品の目録

二周目、私は人物の表とは別に、島の品の目録を作りました。屋敷にある物のうち、話の途中でなくなった物、出てきた物、場所を変えた物。人が減っていく話を、物の出入りから読み直す試みです。物は嘘をつかない。ただ、誰が動かしたかは書いていない。目録の書き方は、私の仕事の持ち出しの控えと同じです。品の名、なくなったと気づかれた時刻、気づいた者、出てきた時刻と場所。人の表が行き詰まったとき、品の目録のほうが先に答えに近づくことがあります。喜好

Luka

家の中で物がなくなったとき、最初に気づくのは、家を整える方かと存じます。

Tokiwa

整える方。執事です。屋敷の物がなくなったことに、いちばん早く気づきそうなのは、屋敷を整える彼です。私の目録では、届け出の欄の最初に、執事の名を書く場所を空けてあります。有依据的推测

Luka

布が一枚なくなれば、朝の光の入り方で分かります。

Tokiwa

光の入り方。その観点は、私の目録に欠けていました。足しておきます。

结局·真相消えた品の行き先(結末にふれます)点击展开

話の途中で、屋敷の品がいくつか消えます。誰が何のために持ち出したのか、一周目の私には見当がつかなかった。銃を持ち込んでいた元軍人の男の拳銃も、一度消えて、のちに戻ってくる。

元判事が判事の装いで死んでいるのが見つかったとき、そのかつらと緋色の衣は、消えていた品でこしらえた物でした。最後の頁を先に読んでいると、品が消えるたびに、芝居の衣装が一つずつ揃っていくのが見えます。

二周目、私は品の目録と人物の表を並べて、品が消えた時刻の欄と、誰がどこにいたかの欄を照らし合わせました。一周目の目録は、品の行き先の欄だけが、すべて空いていました。作品中的观察

心の中の行

この小説は、外から人物を眺めるだけでなく、何人かの心の中を、そのまま地の文で見せます。疑い、怯え、思い出したくない過去。一周目の私は、心の中が書かれている人を、表の上で少しだけ信用しました。心の中まで見せた者が、嘘をつけるはずはない、と。二周目は、その信用の付け方そのものを、表の一つの欄として扱いました。誰の心の中が、どの場面に書かれているか。頁の数を、人物ごとに書き出しています。作品中的观察

Luka

嘘をおっしゃらない方の言葉ほど、私は確かめずに受け取ってしまいます。

Tokiwa

確かめずに受け取る。私の表で、いちばん守りの薄い欄です。

结局·真相心の中の行の読み違い(結末にふれます)点击展开

心の中が書かれる箇所には、元判事の分もあります。二周目にそこだけを抜き出して読み直すと、どの行にも嘘は書かれていない。けれど、読む者が別の意味に受け取るように並べられている。心の中の行でさえ、読者を誤らせる形に組まれていると言われる作品です。

私は、言い切れることしか書かないように教わってきました。嘘のない文で人を誤らせる行を、私は二周目にいちばん長く読み返しました。表に書いたのは、該当の頁の数と、一語だけです。手口、と。私の読んだ一冊では、この箇所の効き方は、一周目の私には十分でした。訳の違う版で読んだ方は、別の手ごたえを持っているはずです。

トキワ「あなたは一周目、元判事の心の中の行を、どう受け取りましたか」

ルカ「お疲れのご老人の、静かなお考えと」

トキワ「私も、同じ欄に入れていました。前から読んだ者と後ろから読む者が、一周目に同じ読み違いをしている。それは読み手の落ち度ではなく、書き手の手際です。その手際の欄に、二人分の印を付けておきます」作品中的观察

日記を書いていた者たち

前に私は、この島には、外から見て書き留める係がいないと書きました。島の全員が当事者だ、と。二周目に読み返して、半分を書き直します。外から見る係は、たしかにいない。けれど島の中では、何人もが、その日に起きたことを自分の手帳や日記に書いていました。一周目の私は、その日記を、物語を進めるための小道具として読み流していました。二周目は、誰が、いつ、何を書いたかを、品の目録と同じ形で書き出してみました。書いた者が死ぬたびに、日記はそこで止まる。止まった日記の最後の行が、その人の最後の証言になります。作品中的观察

二周目、私は日記の場面に出会うたびに、書いている人の手もとを想像しながら読みました。書く者は、自分が見たことしか書けない。見ていない時間は、日記の上では空白になる。島の日記は、互いの空白を埋め合うことはなく、それぞれが自分の夜だけを書いています。解读

中段为止張りつめた中の日記(中盤の展開)点击展开

人が次々に死んでいく島で、何人かが日記を付けています。疲れと怯えの中で書きつけた一行も、落ち着いて書かれた一行も、同じ重さで紙に残る。

一周目、私は日記を、恐ろしさを伝える小道具として読みました。二周目は、書き手の状態が控えの中身に影響するものとして読みます。あとで読む者には、どちらの一行がどちらか、見分けがつかない。私が控えに日付と書いた者の名を必ず添えるのは、こういう行があるからです。作品中的观察

私自身も、出張の夜には手帳を付けます。その日に確かめたことを、確かめた順に書く。雨の夜に書いた頁は、あとで読み返すと、晴れた夜の頁より字が細かく、行が詰まっています。中身が違うわけではありません。書き手の側の夜が、紙に出ている。この本の二周目は、自分の手帳のその頁を思い出しながら読みました。

结局·真相警察の再現(結末にふれます)点击展开

島に渡った警察は、残された日記と、検視の報告をもとに、出来事の順番を組み立て直します。誰が、いつ、どの順で死んだか。けれど、最後に死んだ者の死に方と、動かされた物の位置が合わない。残り四人の段階で、まだ誰かが生きていたはずだ、というところまでしか届かず、捜査は行き詰まります。

告白によれば、元判事は最後に、自分の本当の死が、ほかの者の日記に書かれた偽りの死と食い違わないように、整えてから命を絶っています。

二周目に、私がこの本でいちばん長く手を止めたのは、ここです。島の者たちが書いた控えを、犯人は読んでいた。読んだうえで、控えと食い違わない結末を作った。控えは正しく書かれていました。正しく書かれた控えを、全部そろえても、真相には届かない。そして真相は、照合のしようのない一枚の告白から来る。私の仕事の、いちばん苦手な形です。

ルカ「書き残された方々の控えが、最後の方のお役に立ってしまったのですね」

トキワ「役に立ちました。控えは、書いた者の味方とは限らない。それでも、書いた者を責める欄は作らずにおきます。あの島で日記を書いた人たちは、自分の見たことを、見たとおりに書いただけです」作品中的观察

童謡の二つの終わり方

この小説は、作者自身の手で舞台の脚本にもなっています。舞台のほうは、結末が違います。事实[2]

屋敷の部屋という部屋に、同じ童謡が掛けられています。一周目の私は、それを先に貼り出された手順として読み、手順どおりに進むことの怖さに引っかかっていました。二周目に気になったことは、畳んだ中に書きます。解读

结局·真相小説と舞台の結末(結末にふれます)点击展开

二周目に気になったのは、手順の最後の一行です。最後の一行だけは、手を下す者がいなくても、残った一人が自分で行えてしまう形をしている。

小説では、最後に残った若い女性教師が、元軍人の男を撃ったあと、部屋に用意された縄を見て、童謡の最後の一行のとおりに命を絶ちます。元判事はそのあと、彼女が踏み台にした椅子を動かしている。

童謡には、最後の一行が二通りあります。一つは首を吊る終わり方、もう一つは結婚する終わり方です。作者が書いた舞台の脚本では、もう一方の終わり方を使って、最後の二人が生き残る形に変えられています。

同じ手順書に、終わりの行が二通りある。小説の島では、そのうちの一行しか壁に掛かっていなかった。作品中的观察

Luka

選べる行があったのなら、と考えてしまいます。

Tokiwa

小説の島では、行を選ぶ者の欄が空いています。選ぶ者がいたのは、本の外の、脚本を書き直した机の上だけです。解读

私は、舞台の脚本のほうは読まずにいます。読んでいないものの結末は、私の表に書かない決まりです。ただ、作者が自分の書いた島の終わり方を、自分の手で書き換えた版がある、という一行だけは、表の外の余白に書いておきました。同じ書き手の手で、同じ骨組みから、違う結末が出てくる。控えと写しが食い違うとき、どちらも同じ人の手によるものだったら、私はどちらを原本と呼べばいいのか。この問いは、まだ表のどこにも入れられずにいます。解读

動機の欄はまだ空いている

冒頭で、動機の欄に入れるかどうかは最後に書くと申し上げました。先に結論を書きます。二周目を閉じても、欄の中は空いたままです。理由は、畳んだ中に書きました。

结局·真相欄外に写したもの(結末にふれます)点击展开

二周目を閉じて、私は告白に書かれた動機を、表の欄外に書き写しました。欄の中には入れていない。

ルカ「ご本人が書かれたものでも、ですか」

トキワ「本人が書いた一枚しかないからです。照合する二枚目がない。島の者の日記は、互いに照らし合わせることができました。告白は、何とも照らし合わせられない。私の欄に入るのは、二つ以上の控えで確かめられたことだけです」

ルカ「最初の晩に告げられた十人の方には、お答えになる場がございませんでした」

トキワ「答える場のないまま、十人は島で夜を重ねました。告白のほうは、書いた者が好きなだけ書いて、海に流している。その差も、欄外に書いておきます」

トキワ「四本目の『DEATH NOTE』の主人公を、私は正しい側に置いて読みました。自分で人を裁く者という点で、私はこの元判事を、その主人公と並べて考えました。違いが一つあります。あの主人公は、自分の筋を何度も自分に向けて確かめ直していた。この元判事は、誰にも確かめられない形を、最初から選んでいる。島に照合の相手を残さず、告白も照合の相手を持たない。確かめられないように組まれた裁きを、私は正しい側に置けない」

ルカ「……左様でございますか」

トキワ「判決に異議なし、とは書けません。表の横の一行は、保留です」解读

二周目の表

二周目に使った表は、こういう形です。縦に十人を職業で。名前より職業のほうが、私には照合しやすいからです。横の欄は四つ。一つ目は、最初の晩の告発の中身。二つ目は、死が告げられたとき、体に触れて確かめた者。三つ目は、その死を日記に書いた者。四つ目は、心の中が書かれた頁。一周目に作った居場所の表と並べて置くと、同じ島が、別の地図に見えてきます。初めて試す方には、二つ目の欄が向いていました。死が告げられる場面は、どれも短い。短いぶん、誰がその場にいて、誰が体に触れたかを、読み落としやすいのです。喜好

ロビーの隅で、ルカの一冊と私の一冊を並べてみると、付箋の位置がほとんど重なりませんでした。ルカの付箋は、食事の場面と、眠る前の場面に多い。私の付箋は、人が集まって何かを決める場面に偏っています。同じ本の、同じ島です。二人とも、一周目に見ていた場所が違っていた。二周目の表を作るとき、私はルカの付箋の位置も、欄外に書き写させてもらいました。

Luka

お目汚しの付箋で、恐縮です。

Tokiwa

恐縮には及びません。私の表に欠けていた欄が、そこにありました。

Luka

私は、執事のご夫婦の欄から、もう一度読んでみます。

Tokiwa

承知しました。読み終えたら、あなたの表を見せてください。二枚あれば、照合ができます。以上です。

二周目は、誰かの死が告げられるたびに、その体に触れて確かめた者を一人ずつ書いておく。確かめた者の少ない死ほど、頁をめくる手を遅くしていい。

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讲述者 Tokiwa 想把正确记录到最后的白外套官员 阅读更多 Tokiwa 的文章 →

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