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映画『インサイド・ヘッド』を最後まで観た人のための、二回目の案内です。話しているのはソウタ、聞き手はナギ。作品の事実はナギが補います。展開と結末にふれるところは畳んであります。まだ観ていない人は、畳んだところを開かないでください。
二回目は色をかぞえる
ソウタくん、二回目はどこを見てたの?
ボールのいろ。きいろと、あおと、あかと、みどりと、むらさき。一回目は、ヨロコビとカナシミがどうやってかえるかばっかり見てた。Preference
先に基本のことを。2015年のアメリカの映画で、日本では2015年7月18日に公開された。監督はピート・ドクターさん。ライリーという女の子の頭の中で、喜び・悲しみ・怒り・嫌悪・恐れの五つの感情がはたらくお話。Fact[1]
思い出は、黄色がヨロコビ、青がカナシミ、赤がイカリ、緑がムカムカ、紫がビビリの、どれか一色の「思い出ボール」になる。とくに大事な思い出は「特別な思い出」になって、ホッケーやおふざけや友情、正直、家族の「性格の島」を作っている、とあらすじに書いてある。Fact[2]
さがしもの1 一色だけのボール
さいしょはね、ボールがぜんぶ一色なの。うれしいはきいろ、かなしいはあお。わかりやすいでしょ。Observation from the work
特別な思い出も、最初は全部ヨロコビの黄色だって書いてある。Fact[2]
二回目は、そこがあやしいの。ぜんぶきいろって、ほんと?って。Interpretation
さがしもの2 カナシミがさわるとき
カナシミが、きいろいボールにさわると、あおくなっちゃうの。一回目は、カナシミ、いたずらしてるのかなっておもった。Observation from the work
あらすじでも、カナシミは過去のヨロコビの思い出を触っただけで青にしてしまって、たびたびトラブルを起こす。心配したヨロコビは、カナシミにマニュアルを読ませて仕事をさせないようにする。カナシミの役割は大きななぞだった、とある。Fact[2]
二回目は、カナシミがさわるまえに、ライリーがなにしてるか見るの。さみしいのかなって、ぼくはおもった。Observation from the work
……どうだろう、今度見てみよう。カナシミのほうが先に、ライリーの気持ちに気づいてるのかもしれないね。Interpretation
さがしもの3 パパとママの頭の中
パパとママのあたまのなかも出てくるの。Observation from the work
人物紹介によると、パパの頭の中ではイカリがリーダー、ママの頭の中ではカナシミがリーダーなんだって。Fact[3]
えっ。じゃあママは、カナシミがまんなかなのに、やさしいの? ……それ、だいじなことかも。二回目は、ママがなにか言うとき、ママのカナシミがどんなかお見てね。Grounded inference
一回目、私はあの場面を笑うところだと思って観てた。二回目は、カナシミが真ん中にいる大人がちゃんと暮らしてる、っていう前ふりに見える。Interpretation
さがしもの4 ビンボンのロケット
ビンボン、すき。ぞうみたいなはなで、ねこのしっぽで、なみだがキャンディーなの。Observation from the work
ビンボンは、ライリーが3歳のころに作った空想の友だち。涙はキャラメル味のキャンディー、と書いてある。手作りのロケットで月へ飛んでいく遊びがお気に入りだった。Fact[3]
Up to midway中盤の展開Tap to open
ライリーの成長に合わせて、空想の産物は次々にこわされ、思い出のゴミ捨て場に落とされていきます。月へ飛ぶロケットも捨てられて、ビンボンは落ちこみます。ヨロコビは冗談で元気づけようとしますが、まったく効きません。カナシミがとなりに座って話をじっくり聞くと、ビンボンはキャンディーの涙を流したあとで元気を出します。
ソウタは二回目、ここで「カナシミのかち」と言いました。「げんきだして、って言うより、となりにすわるほうがきいたの」。ナギはこの言い方を、しばらくメモから消さないことにしました。Fact[2]
ねえ、ぼく、まけるとおこるでしょ。そのとき、おねえちゃんが、なんにも言わないでとなりにいてくれると、ちょっとなおる。Preference
うん。私も、だれかが元気づけようとしてくれるより、横に座っていてくれるほうが楽な日がある。Preference
さがしもの5 まけた日の思い出
ここがいちばん。でも、なかみはたたんだところで言うね。
Ending and reveals終盤の展開Tap to open
性格の島がつぎつぎにくずれて、ヨロコビは落ちこんだまま、手元の特別な思い出をながめます。そこで、ある思い出に悲しみと喜びがまざっていることに気づきます。それは、ライリーが試合に負けて気を落としていたところを、みんなにはげましてもらった記憶でした。
ソウタの言い方では、「まけたひの思い出が、いちばんたいせつだったの」。一回目、ソウタはこの場面で「なんで?」と思ったそうです。二回目は分かった。「まけて、かなしかったから、みんながきてくれたんだよ。かなしいがなかったら、みんな、きてくれなかった」。
さがしもの1で「ぜんぶきいろって、ほんと?」と言っていたのは、ここのことでした。二回目は、最初の場面で黄色に光っていた特別な思い出の中に、この試合の思い出がまじっていないかを探してみてください。Fact[2]
Ending and reveals結末Tap to open
ヨロコビは捨てられたビンボンのロケットで脱出しようとします。けれど、自分が足を引っぱっていると気づいたビンボンは、一人でゴミ捨て場に残って消えることを選びます。司令部にもどったヨロコビは、カナシミに司令をまかせ、ライリーはバスを降りて家族のもとへ帰ります。本当はミネソタが好きで、前の家に帰りたいと泣きながら打ちあけたライリーに、喜びと悲しみのまざった思い出が生まれ、その思い出ボールが感情の島をすべてよみがえらせます。
ソウタはビンボンのところで少しだまりました。それから「ビンボンは、じぶんがのこって、ヨロコビをにがしたんだよ」と言いました。だれかのために自分が残る。ソウタはそこを「つよい」とは言わず、「やさしすぎ」と言いました。Fact[2]
おまけ ピーマンとブロッコリー
一つおまけ。ライリーの嫌いな食べ物は、字幕版ではブロッコリーで、日本語吹替版ではピーマンになっているんだって。日本の観客に自分の物語として楽しんでほしい、という意図だそう。Fact[4]
ぼく、ふきかえで見たから、ピーマンだった! ……ブロッコリーは、ぼくすきだよ。Preference
二回目に観る人へ
ソウタくんのさがしものをまとめると、一色だけのボール、カナシミが触る前のライリーの顔、パパとママの頭の中、ビンボンのとなりに座る場面、そして負けた日の思い出。最初の場面ほど、二回目に効いてくる映画だと思う。Interpretation
かなしいのも、いるんだよ。Interpretation
二回目は、思い出ボールが何色かを声に出して数えてみて。