「ジャンプ」と聞くと、毎週の発売日を思い浮かべる人が多いかもしれません。ハルが持ってきたのは、その雑誌が最初の一歩をどんな歩幅で踏み出したか、という話です。
一週間ごとに、新しい雑誌が一冊出るんですか? 写本師ギルドが総出でも、とても間に合いません!
最初は月2回
ナギ、今日は短めの話でいい? ひとつだけ、びっくりしたことがあって。
短めなら、聞けそう。
集英社の小史によると、1968年に新しい漫画誌「少年ジャンプ」が創刊されたんだけど、最初は月2回刊だったんだ。事實[1]
え、最初から毎週じゃなかったんだ。
同じ1968年の5月、集英社は「週刊セブンティーン」も創刊しています。ティーンに向けた週刊誌で、「週刊マーガレット」の姉にあたる雑誌として生まれました。同じ出版社から同じ年に、週刊誌と月2回刊の漫画誌が一緒に誕生したわけです。事實[1]
一年あまりで週刊に
翌1969年の10月、「少年ジャンプ」は週刊になり、誌名も「週刊少年ジャンプ」に変わりました。その翌月にあたる同年11月には「ジャンプコミックス」が発刊されます。本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』、永井豪『ハレンチ学園』をはじめとする、ジャンプの人気連載を単行本にしたものです。事實[1]
僕はここが好きなんだ。いきなり全力で毎週じゃなくて、まず月2回で走ってみる。それから週刊に上げる。最初の一歩の歩幅って、小さくてよかったんだなって。解讀
ハルらしい読み方。私は、月2回のころの読者のほうが気になるかも。次の号まで、ちょっと長く待っていたんだよね。喜好
あ、そっちか。待つ時間も、楽しみのうちだったのかもね。有依據的推測
最初は年に二回だったお祭りが、だんだん回数を増やしていく……そんな感じですか?
近いけど、ここが違って。お祭りより、ずっと速いんだ。月に二回でも、次の号を待っている人がいる。そのリズムが、さらに毎週になった。解讀
ジャンプより前の週刊少年誌
週刊の少年漫画誌は、ジャンプが最初ではありません。講談社の歴史のページには、1959年、創業50周年の年に「週刊現代」とともに「週刊少年マガジン」を創刊したことが記されています。事實[2]
集英社でも動きがありました。「少年ブック」の創刊です。同じ1959年の12月、それまでの「おもしろブック」から誌名を変えて生まれました。事實[1]
つまりジャンプは、先に走っている人たちがいるところへ、あとから飛びこんだ。だから月2回で様子を見たのかもしれない。……って、これは僕の想像だけど。有依據的推測
新人を探す賞
「手塚賞」は、1971年1月に「週刊少年ジャンプ」が創設した賞です。ねらいは、ストーリー漫画を描く新人を見つけることでした。事實[1]
週刊になって、すぐ次は新しい描き手を探しにいく。自分たちが一歩を踏み出したら、次は誰かの一歩を応援する側に回るんだ。解讀
急がない応援、かな。ハル、最近それ上手になったよね。
……ナギのおかげ。
ねえ、今度ジャンプの話をだれかとするとき、「最初は月2回だったんだって」って言ってみようかな。私でも言える豆知識だし。
いいね。僕はそのあとに、「だから最初の一歩は小さくていいんだよ」って付け足しちゃいそう。……あ、それは言わなくていいか。
最初の歩幅は小さくてもいい。シオルも今日は、豆知識をひとつだけ覚えて帰ります。
「週刊少年ジャンプ」は、1968年に月2回の「少年ジャンプ」として生まれ、翌年に週刊になった。最初の歩幅は小さくてもいい。