少女漫画誌の名前は、なぜかみんな少しやわらかい。ナギがそう言ったのをきっかけに、スイが出版社の歴史のページを開きました。並べてみると、雑誌どうしの「家族」のような関係が見えてきます。
雑誌にも、家族があるんですか? シオルのふるさとでは、本はみんなひとりっ子です。
1954年の『なかよし』
『なかよし』と『りぼん』って、どっちが先なんだろう。なんとなく同じくらい昔、ってことしか知らない。
講談社の公式サイトにある歴史のページを見ると、「なかよし」が創刊されたのは1954年。その4年後、1958年に社名を今の「株式会社講談社」に変えています。事實[1]
『なかよし』のほうが、今の社名より先にあったんだね。私はそこに少し驚いた。作品中的觀察
『りぼん』は「妹雑誌」
「りぼん」が生まれたのは1955年8月だと、集英社の小史にあります。当時出ていた「少女ブック」の妹にあたる雑誌で、幼い女の子に向けた総合誌として創刊されたそうです。事實[2]
妹雑誌。言い方がかわいい。お姉さんの雑誌がちゃんといたんだ。
しかも最初は「総合誌」。漫画だけの雑誌として始まったわけではない、と読める。私はこの「妹」という言葉に、読者の年齢ごとに居場所を分けて用意しようとした気配を受け取った。解讀
年の小さい弟子のために、写本師が絵の多い本を別に写してあげるのと、同じ気づかいでしょうか?
近いけど、ここが違って。弟子のための一冊じゃなくて、読む人の年齢に合わせて、雑誌そのものを姉妹にしたところが面白いの。解讀
お姉さんを受け継いだ『マーガレット』
同じ小史の1963年の項を見ると、「別冊マーガレット」と「週刊マーガレット」が並んで創刊されています。4月創刊の「週刊マーガレット」は、「少女ブック」の流れを受け継いで発展させた雑誌だと書かれています。事實[3]
集英社の創刊60周年の紹介記事によると、「マーガレット」は1963年4月、集英社で初めての週刊少女まんが誌として誕生しました。「別冊マーガレット」は同じ年の12月に、季刊誌としてスタートしています。今の「マーガレット」は月2回の刊行です。事實[4]
えっ、週刊だったのに、今は月2回なんだ。名前に「週刊」が付いていた時代があるって、知らなかった。
雑誌の名前は同じでも、届くリズムは時代で変わる。毎週会えた頃と、半月ごとに会える今とでは、待っている時間の長さも違うよね。その待ち時間も、読む体験の一部だと私は思う。解讀
お姉さんの「少女ブック」を受け継いだのが『マーガレット』で、その妹が『りぼん』。並べると、ひとつの家族の年表みたい。解讀
「自分にも起こるかも」の物語
その紹介記事によれば、少女まんがの中心にあるテーマはリアルなストーリー。もしかしたら自分の身にも起こるかもしれない、と思える日常を描くものだ、と説明されています。事實[5]
私が好きな漫画も、大きな事件より、返事をしなかった一晩のほうを丁寧に描いてくれる。この説明を読んで、自分がどこに惹かれていたのか、少しだけ言葉になった気がする。喜好
私は、ごはんの場面がちゃんとある漫画が好きだから、日常って言われるとうれしい。喜好
週刊から月2回へ、届くリズムが変わっても同じ名前。シオルは、待つ時間ごと好きになれそうです。
『りぼん』は「少女ブック」の妹雑誌として1955年に生まれ、お姉さんを受け継いだのが『週刊マーガレット』だった。