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動畫·漫畫小知識

『レッドタートル』はジブリが初めて海外と組んだ映画

スタジオジブリが初めて国外と共同で製作した長編は、オランダ出身の監督が日本で絵コンテを仕上げ、フランスで動かした映画でした。行き先を決めない旅人どうしのノアと竜山が、道場の縁側で、国をまたいだ一本の地図を広げます。

適合這樣的人
海外のアニメーション映画に興味はあるけれど、どこから入ればいいか迷っている人へ。言葉の壁が気になって洋画を避けてきた人にも。
劇透範圍
無劇透 物語の出発点(嵐の海に放り出された一人の男が、小舟につかまって無人島に流れ着く)と、監督・企画・製作の経緯まで。島で男が何に出会うか、その後の展開と結末には触れません
發言的人
Noa × Ryuzan
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 4 節·約 5 分鐘
  1. ジブリが初めて外の国と組んだ
  2. 手帳の地図に国が増えていく
  3. 名前も台詞もない島
  4. 初めての人への入口

朝稽古が終わった道場の縁側。旅から戻ったばかりのノアが、土産の本を一冊抱えて顔を出しました。竜山は話を聞く前に、まず茶を出します。今日の交換は、土産話ではなく一本の映画の話。行き先を決めずに出かける二人が、いくつもの国を渡ってできた映画の地図を広げました。

ジブリが初めて外の国と組んだ

Ryuzan

今回はどこへ行っとった。……いや、先に茶じゃ。熱いから気をつけえ。

Noa

いただきます。今日は旅の話じゃなくて、映画の話を持ってきました。竜山さん、島の映画はお好きですか。

Ryuzan

島か。ええのう。俺は島と聞くだけで、もう船に乗りたくなる。喜好

『レッドタートル ある島の物語』は2016年の公開。日本とフランス、ベルギーが組んで作ったアニメ映画です。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさんが監督を務めました。生まれはオランダで、アニメーション作家として活動してきた人です。ジブリが国外の会社と一緒に作品を作ったのは、これが初めてでした。アニメーションの制作は、フランスの会社であるプリマ・リネア・プロダクションズが受け持ちました。事實[1]

Ryuzan

ジブリが外の国と組んだのは、これが初めてか。それは知らなんだ。

Noa

私も、調べるまで知りませんでした。だから今日は、この映画が通ってきた国を、手帳の地図に書いてきたんです。喜好

手帳の地図に国が増えていく

ドゥ・ヴィットさんは1953年、オランダに生まれました。エッチングを学んだのはスイスのジュネーヴで、そのあとイギリスへ渡り、アニメーションを学んでいます。拠点は今もおもにイギリス。手がけてきたのは短編アニメーションが中心です。2000年の短編『岸辺のふたり』も、この人の作品です。事實[2]

Noa

オランダで生まれて、スイスでエッチングを学んで、イギリスで暮らす人。ここまでで、もう三つの国です。

Ryuzan

俺の旅より、よほど遠回りじゃのう。ははは。

「ドゥ・ヴィットさんに会わせてほしい」。そう頼んだのは宮崎駿さんでした。マラヴァルさんがジブリ本社を訪ねて、『岸辺のふたり』を紹介したときのことです。この映画の企画が始まったのは2006年。のちに鈴木敏夫さんが正式な依頼を出しましたが、当のドゥ・ヴィットさんは、はじめはあまり気が進まなかったそうです。気持ちが変わったのは、ジブリも製作に加わると聞いてからでした。事實[1]

本格的な製作はフランスで進みました。ただ、その手前の段階は日本です。シナリオと絵コンテは、ドゥ・ヴィットさんがしばらく東京都小金井市、スタジオジブリ本社のある町に住んで仕上げたもの。高畑勲さんたちが目を通したのも、この段階でした。事實[1]

Noa

絵コンテは日本で描いて、絵を動かすのはフランス。作った国は日本とフランスとベルギー。私の地図だと、線が行ったり来たりして、ほとんど旅程表です。解讀

Ryuzan

一つ所に腰を据えて描いて、描き上げたら次の土地へ移る。旅の仕方としては、俺は好きじゃな。喜好

Noa

私は同じ席に座り続けるほうなので、少しうらやましいです。……違うところを一行、手帳に書いておきますね。喜好

名前も台詞もない島

セリフは、始まりから終わりまで一つもありません。ジブリの長編でそうなったのは、これが初めてです。叫ぶ声や息の音は入っています。人物たちには、名前さえ明かされていません。事實[1]

Ryuzan

台詞がないなら、字幕を追わんで済む。年寄りの目にはありがたい話じゃ。ははは。喜好

Noa

私の仕事は、言葉と言葉の間に立つことなんです。だから、少しどきっとしました。訳す言葉がひとつもない。どの国の人にも、同じ形のまま渡せる映画なのかもしれません。解讀

Ryuzan

言葉がない分、どこの国の話でもなくなる、ということか。解讀

Noa

そうも思いました。ただ、同じ画面を見ても、受け取るものは国や人で違うはずです。そこは「同じだね」と丸めないでおきたいんです。解讀

舞台は、人のいない島です。ウミガメやカニ、鳥たちは暮らしていますが、それ以外にはこれといって何もありません。そこへ一人の男が流れ着きます。嵐の海に投げ出され、小舟にしがみついて命をつないだ末のことでした。事實[1]

Ryuzan

流れ着いた島か。旅に出る者が、いちばん見たくて、いちばん見たくない景色じゃのう。解讀

Noa

竜山さんなら、着いたらまず何をしますか。

Ryuzan

まず体操じゃ。体が動けば、策はあとから浮かぶ。喜好

Noa

ふふ。竜山さんらしいです。

Ryuzan

それから、先に住んどる者への挨拶じゃな。ウミガメにもカニにも鳥にも、礼が先、ほかはあとじゃ。喜好

Noa

旅先の町でも、竜山さんはいつもそうですよね。私は先に本屋さんを探してしまうので、見習います。

初めての人への入口

Noa

入口は、地図を一枚用意すること。オランダ、スイス、イギリス、日本、フランス、ベルギー。作った人たちが通った国に印をつけてから観ると、言葉のない画面の向こうに、たくさんの人の手が見える気がします。喜好

Noa

それから、台詞がないぶん、耳が空きます。私は、音を少し大きめにして観るつもりです。喜好

Ryuzan

今度の旅の宿で観てみるかのう。島の宿なら、なお具合がええ。喜好

Noa

観たら、次の土産話はその映画にしてください。私は次の旅で、オランダの本屋さんに寄ってみます。喜好

Ryuzan

乗った。どっちの土産が重いか、勝負じゃ。

『レッドタートル ある島の物語』は、スタジオジブリが初めて国外と共同で製作した映画。監督は日本で絵コンテを仕上げ、フランスで絵を動かしました。

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