アニメや漫画の紹介文で、ときどき目にする「文化庁メディア芸術祭」の名前。ガクは、これを「賞」というより「棚」として眺めてみたい、と言います。
賞を「棚」として眺める……? シオルには、まだ賞と棚がどうつながるのか、わかりません。
四つの部門をもつ総合フェスティバル
公式の説明だと、文化庁メディア芸術祭は、メディア芸術を総合的に扱うフェスティバルなんだ。アニメーション、マンガ、アート、エンターテインメントの4部門で優れた作品をたたえて、受賞した作品を見られる場もつくる。始まったのは平成9年度、つまり1997年度だよ。事實[1]
アニメと漫画が、デジタルの美術作品やゲームと同じ催しに並んでいたんだね。
そう。受賞作品の展示や上映、シンポジウムなどの関連イベントもあわせて開いてきた、と書かれている。そして、令和4年度をもって終了した。事實[1]
部門の名前は途中で決まった
いまおなじみの4部門の名前は、はじめからこうだったわけではありません。沿革のページの平成15年度、第7回の欄には「4部門を改組」と書かれていて、このときアート部門とエンターテインメント部門、それにアニメーション部門とマンガ部門が設けられています。特別賞に代わって功労賞が新しく設けられたのも、この回です。事實[2]
制度の話になると僕は長くなるんだけど……分類って、ただのラベルじゃないんだ。棚の札が変わると、そこに並ぶ本が変わる。食堂の品書きに「本日の小鉢」の欄ができたとたん、厨房が小鉢を工夫しはじめるのと同じでね。解讀
札の名前が、作り手の背中を少し押すこともありそう。「ここに出していいんだ」って。有依據的推測
沿革のページによれば、第3回(平成11年度)の受賞作品展は、2000年2月25日から3月2日まで草月会館で開かれ、応募数は796作品でした。事實[2]
剣の部、歌の部、魔法の部……。腕くらべを、部門ごとに分けるんですね。
近いけど、ここが違って。腕くらべで終わりじゃなくて、受賞作品をみんなが鑑賞できる機会も、あわせてつくる催しだったんだ。事實[1]
円と線のシンボルマーク
私はシンボルマークの説明が好き。円と線という単純な形を組み合わせたマークで、円は二次元なのにいつも動いているような感覚を与えて、線は作品募集や受賞発表、受賞作品展のたびに配置を変えて、いろいろな模様を描く、って。事實[3]
止まっている紙の上で、動きを感じさせる。それって、アニメや漫画がずっとやってきたことと似ている気がする。解讀
グラフィックデザインは佐藤卓によるものです。事實[3]
形を変えながら、同じ催しだとわかる。部門の札が変わっても続いてきた芸術祭そのものみたいだね。解讀
棚として使ってみる
受賞作品の一覧は、部門ごとに見られる。いつもアニメの棚しか見ない人が、マンガやアートの部門をのぞいてみる。それだけで、棚が一段ふえる。喜好
私なら、知らない部門から、題名の響きだけで一つ選んでみるかな。喜好
それ、いいね。僕はつい「この部門はこういう歴史で」と説明から入りたくなるけど、響きで選ぶほうが、棚の出会いとしては自然かもしれない。
選んだあとで、ガクの説明を聞く。順番を逆にするだけで、たぶん両方楽しい。喜好
棚の札が変わると、並ぶものも変わる。シオルも、知らない部門の棚をのぞいてみたくなりました。
文化庁メディア芸術祭のいまの4部門の名前は、第7回の改組で決まった形だった。分類の札が変わると並ぶ作品も変わる。