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動畫·漫畫小知識

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』の原題は「西遊記 大聖の帰還」

2015年の中国のCGアニメ映画。原題をそのまま訳すと「西遊記 大聖の帰還」。でも帰ってきた孫悟空は、術が使えません。空手と剣道を続けるアカリが、昼の公園のキャッチボールの合間に、カオルとその話をしました。

適合這樣的人
孫悟空の話は知っているけれど、中国のCGアニメ映画はまだ観たことがない人へ。調子が戻らない時期にいる人にも。
劇透範圍
無劇透 物語の出発点(天にそむいて山奥の氷の牢に閉じこめられた孫悟空が、五百年後、僧に育てられた少年リウアーに知らずに解き放たれるが、封印のなごりで術が使えない)と、原題の意味、原典『西遊記』の孫悟空の基本まで。旅の途中の出来事と結末には触れません
發言的人
Akari × Kaoru
主張的種類: 事實 作品中的觀察 有依據的推測 解讀 喜好
目錄 共 4 節·約 5 分鐘
  1. 大聖が帰ってくる
  2. 五百年の封印
  3. 術が使えない英雄
  4. 名前がのった子どもたち

平日の昼の公園。グローブにボールが収まる音が、しばらく続いていました。百球を投げ終えたところで、アカリはベンチに座り、大きなおにぎりを取り出しました。カオルはペットボトルの水を一口飲んで、隣に腰を下ろしました。

大聖が帰ってくる

Akari

カオル、孫悟空の映画、観た? 中国のCGのやつ。

Kaoru

孫悟空は知ってるで。如意棒と筋斗雲の人やろ。映画は観てへんわ。

Kaoru

中国のCGのアニメ映画って、私、たぶん観たことないわ。

Akari

私も、これが最初の一本。

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』(英題 Monkey King: Hero Is Back)は、2015年の中国のコンピューターアニメーションのファンタジー冒険映画です。脚本と監督はティエン・シャオポン(Tian Xiaopeng)さんで、監督デビュー作。2015年7月10日に公開されました。事實[1]

中国語の原題は『西游记之大圣归来』。そのまま訳すと「西遊記 大聖の帰還」という意味です。事實[1]

「斉天大聖」(せいてんたいせい)。香港や台湾、東南アジアでは、孫悟空はふつうこの名で呼ばれ、いまも道教の神として信仰を集めています。もとは中国の小説『西遊記』で中心になる人物の一人です。事實[2]

原典の悟空は、石から生まれた猿です。仙人の弟子になって、「孫」の姓と「悟空」という法名を授かります。やがて周囲におだてられて舞い上がり、自分から「斉天大聖」を名乗るようになりました。事實[2]

Akari

大聖って、最初は自分で名乗ったんだ。……ちょっと笑った。でも、名乗るところから始めるの、嫌いじゃない。喜好

Kaoru

ほな、題名の「大聖」は孫悟空のことなんや。英語やと「ヒーローが帰ってきた」、中国語やと「大聖が帰ってきた」。おんなじこと言うてるのに、呼び名がちゃうだけで重みが変わるなあ。解讀

Akari

でしょ。私は「帰還」って言葉が好き。いっぺんいなくなった人が、戻ってくる言葉だから。喜好

五百年の封印

原典の『西遊記』で、悟空は五行山に五百年間封じられます。如来との賭けに負けたからです。如来の手のひらの外へ、どうしても出られなかったのでした。事實[2]

リウアーは、籠に入って川を流れてきたところを僧に拾われ、育てられた少年です。子どもをさらう山の化け物に追われて洞窟に迷いこみ、それと知らずに悟空の封印を解いてしまいます。映画の悟空は天にそむいた罪で、山奥の氷の牢に入れられていました。そこから五百年がたっていたのです。名前のJiang Liuerは、「川を流れてきた子」という意味です。事實[1]

Kaoru

川を流れてきた子、か。名前を聞いただけで、その子がどうやってそこにおるんか分かるんやな。解讀

Akari

うん。名前に、来た道が入ってる。私、そういう名前の付け方、好き。喜好

Kaoru

五百年もほったらかしにされてたら、肩なんかガチガチやで。投げる前に、ようけ肩回さなあかん。

Akari

そこ。肩が戻らないの。

Kaoru

なるほどなあ。五百年ぶりに出てきて、いきなり全力で投げられるほうがおかしいわ。解讀

Akari

でしょ。稽古を一週間休んだだけでも、最初の素振りは竹刀が重いもん。五百年なら、なおさら。解讀

術が使えない英雄

牢を出た悟空は、術が使えません。如来の封印のなごりが残っていて、本来の力が戻らないうえ、使おうとすれば痛みが走るのです。化け物は倒せても、頼れるのは体での攻撃だけ。そんな事情を知らないリウアーたちは、大喜びで悟空を迎え、次から次へと質問を浴びせます。事實[1]

Akari

私、ここで一気に好きになった。強いはずの人が、いちばん得意なことができない。それでも体ひとつで前に出る。稽古でも、調子が戻らない時期ってあるじゃん。技が出ないのに、道場には行く日。喜好

Kaoru

……わかるわ。私な、高校で野球続けられる場所がのうて、ソフトボールに移ったやろ。投げ方がちゃうから、最初は自分の球が一球も投げられへんかった。エースで4番やったのにな。喜好

Akari

それでも投げてたんでしょ。

Kaoru

投げてた。負けず嫌いやからな。……ほんで、そのリウアーいう子は、悟空のことずっとヒーローや思てるん?

Akari

最初はね、力が出ないことを知らないの。その先は言わない。観て。私が言えるのは、信じてくれる子がそばにいるのって、出ない日にはけっこう重いってこと。うれしいけど、重い。解讀

Kaoru

スタンドの声援とおんなじや。打てへん日ほど、よう聞こえんねん。解讀

名前がのった子どもたち

この映画の宣伝費のうち780万元はクラウドファンディングで集められ、出資した109人の名前が映画のクレジットにのりました。その多くは子どもでした。事實[1]

Kaoru

ええ話やん。自分の名前が、孫悟空の映画の最後に出てくるんやろ。私やったら、その日一日ずっと言いふらすわ。喜好

Akari

私は、黙ってもう一回観に行く。名前が出るとこまで、ちゃんと座ってる。喜好

Akari

観るときは、悟空が術を使おうとして使えないところを見てて。かっこよくないところから始まる英雄の話って、私は信用できる。喜好

Kaoru

よっしゃ、観るわ。ほな、あと五十球。肩、戻ってきたとこやし。

Akari

おにぎり食べ終わったらね。

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』の原題は「西遊記 大聖の帰還」。大聖は斉天大聖、つまり孫悟空。帰ってきた大聖は、術が使えないところから始まる。

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