「アニメは1秒24コマ」という言い方は、聞いたことがある人も多いと思います。では、その1秒のあいだに、絵は何枚あるのでしょう。今回は素朴な疑問を口にしたナギと一緒に、レンが「コマ」と「枚」を分けて数えます。作品の展開には触れていません。
動く絵は、シオルのふるさとでは魔法使いの幻術なんです。人間界では、どうやって絵を動かしているんですか?
「コマ」と「枚」は別のもの
アニメって1秒24コマなんでしょ? じゃあ1秒に24枚の絵を描いてるってこと? それ、すごく大変じゃない?
そこがよくある勘違いなんだ。「コマ」はフィルムの一こま、「枚」は描かれた絵の数。この二つは、いつも同じとは限らないんだよ。
練馬区の公式サイト「練馬アニメーションサイト」の用語解説によると、日本のアニメ業界では、フィルム1秒ぶんのコマ数(24コマ)に対して、絵の枚数がそれと同じ(1コマに1枚)から12枚(2コマに1枚)までのものを、フルアニメと呼ぶことがあります。それより少ないもの(主流は3コマに1枚)や、口の動きなど一部だけを動かすものは、リミテッドアニメと呼ばれる場合がある、と説明されています。事實[1]
2コマに1枚……。同じ絵を2コマぶん続けて見せる、ってこと?
そう。1コマに1枚なら1秒で24枚。2コマに1枚なら、同じ絵が2コマずつ続くから12枚。3コマに1枚なら8枚。割り算すると、こうなるね。有依據的推測
8枚! それでも、ちゃんと動いて見えるんだ。
枚数は「全部」に使えない
東映アニメーションの企業サイトでは、TVシリーズの作画枚数は1話につき平均3,000〜4,500枚とされ、作品や回によってはもっと多くなることもあるそうです。事實[2]
もし一話ぜんぶを1秒24枚で描いたら、この数字には到底おさまらないはず。だから、どの場面を何枚で動かすかを選ぶことになる。枚数は、作品全体で分け合う予算みたいなものなんだと思う。有依據的推測
枚数が予算……。冒険者ギルドで、パーティの食料を道中に配り分けるみたいなものですか?
近いけど、ここが違って。食料は少ないと困るだけだけど、枚数は、わざと少なく配った場面にも味が出ることがあるんだ。解讀
動画の工程について、セブン・アークスの採用サイトにも記述があります。動きが自然でなめらかになるよう気を配りながら、必要な枚数に「割って」描いていく、という説明です。枚数は最初から決まっているのではなく、動きに合わせて割り振るものだということがうかがえます。事實[3]
少ない枚数にも手ざわりがある
でも、枚数が少ないと、なんだか手を抜いてるみたいに聞こえちゃう。
僕はそう思わないんだ。枚数が少ないと、一枚一枚が画面に残る時間が長くなる。ポーズがはっきり見えるぶん、動きに「間」や切れ味が出ることもある気がする。解讀
そっか。ゆっくりごはんをよそう場面と、走って振り向く場面で、枚数の使い方を変えてるのかもしれないね。有依據的推測
それ、いい見方だと思う。僕はむしろ、同じ速さで動くギャグの繰り返しが、毎回ぴったり同じリズムで来るのがたまらなく好きでね……喜好
レン、その話、長くなりそう。
……うん、今日はやめておく。
絵を止めておく時間まで、誰かが数えて選んでいるんですね。幻術よりずっと手間がかかっていて、シオルは好きです。
1秒24コマでも絵が24枚あるとは限らない。2コマに1枚なら12枚、3コマに1枚なら8枚。その枚数の配り方が動きのリズムをつくっている。