這篇文章尚未翻譯成此語言。目前顯示日文原文。

日常

『黒魔女さんが通る!!』で好きなところが違った

劇透範圍 無劇透 どの本も、出版社の紹介文で分かる入口まで。事件の真相と物語の結末には触れません

土曜の昼、商店街の古本市。古本屋の長机の端に、青い鳥文庫とみらい文庫を詰めた箱が一つ出ていた。通りかかった四人が一冊ずつ抜き出して、夢中になったわけを話しはじめる。同じ本でも、好きだったところは人によって違っていた。

適合這樣的人
子どものころ夢中になったシリーズを、どこが好きだったかまで覚えている人へ。いま夢中になっている子のそばにいる人にも。
發言的人
Chiaki × Lily × Akari × Itsuki
某一天 下町の商店街、古本市の長机 土曜の昼

土曜の昼、商店街の通りに長机が並んでいた。古本屋の机の端には、イツキが手書きの札を立てた箱が一つ。「子どものころのシリーズ」。青い鳥文庫とみらい文庫の背が、色ごとにそろえて差してある。

生成りのブラウスに紺のカーディガンの女の人が、箱から一冊を抜いたまま、しばらく表紙を見ていた。

Itsuki

いらっしゃいませ。よかったら、最初の数ページだけ立ち読みしてってください。

Chiaki

ありがとうございます。……懐かしくて、手が止まってしまって。名探偵夢水清志郎です。

講談社青い鳥文庫。シリーズの1冊目『そして五人がいなくなる』は1994年2月発売

Chiaki

名探偵なのに、ものわすれの名人で、自分がごはんを食べたかどうかさえ忘れてしまう人なんです。それでも、表札にも名刺にも、ちゃんと名探偵と書いてある。[1]

Chiaki

小学生のころ、母が夜勤に出たあとの夕方に、図書室で借りたのを布団で読んでいました。しっかりしていなくても名乗っていい、と言われた気がして。翌朝、帰ってきた母に、楽しそうな寝顔だったと言われました。

そこへ、ダンス教室の帰りのリリィとアカリが通りかかった。リリィはイツキに小さく頭を下げ、箱の前にしゃがみこんだ。

Lily

イツキさん、こんにちは。あ、黒魔女さん。

Lily

小4の夏休みに、祖母の家で読んだの。黒魔女修行のいちばん最初が、朝5時半に起きてベッドをととのえること。ねえ、ここ。魔法にも毎日の決まりがあるんだよ。[2]

講談社青い鳥文庫。シリーズの1冊目『黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻』は2005年9月発売

Akari

で、早起きしたの?

Lily

した。ベッドを整えてノートを開いたら、祖母にラジオ体操に誘われた。魔法陣の練習は、その次の日。

Itsuki

僕は教室の学級文庫で、順番を待って読んだ口です。

Itsuki

チョコは、友だちなんかいらない、おしゃれも恋も興味なし、っていう冷めた子で。クラスの騒動を黒魔法で、解決したり、しなかったりするんです。僕はこの「しなかったり」のほうでした。[2]

Lily

えっ。私は決まりのほうでした。同じ本なのに、好きなところが違うんですね。

Itsuki

店に入ってくるたびに、表紙の角のすり切れ方を見ちゃうんです。何人の手を渡ってきたのかなって。

Chiaki

あ、そこ。この夢水も、角が丸くなってます。

アカリは箱の反対の端から、みらい文庫を一冊引き抜いていた。

Akari

これ知ってる。友だちの家で、順番に回して読んだやつ。一発逆転お宝バトル。

集英社みらい文庫。1冊目『僕らのハチャメチャ課外授業 一発逆転お宝バトル』は2019年1月発売

Akari

学校に「お宝バトル」っていう教科があって、知恵とか体力とか、ときには運まで試されるの。[3]

Akari

読んだあと、家で兄貴とお宝をかくし合った。兄貴のかくし場所、冷蔵庫の中。二人そろって母に怒られた。

Chiaki

冷蔵庫は、見つけにくいですね。お宝もよく冷えて。

Akari

でしょ。兄貴、ああいうとこだけ頭いいんだよ。私は体力のほうで勝ちたかったのに。

Itsuki

それ、この前デッキを貸した小学生の兄弟が、リュックから出して見せてくれたんです。在庫を探して、今日はこっちの箱に入れときました。

Lily

あ、これも。霧島くんは普通じゃない。

Lily

季節外れの転校生が、指を切ったらパクっと血をなめたり、すごい速さで瞬間移動したりするんです。まさかヴァンパイア?って。[4]

集英社みらい文庫。1冊目『霧島くんは普通じゃない ~転校生はヴァンパイア!?~』は2020年10月発売

Lily

小6のハロウィンの前に借りて、説明できないことノートに「ヴァンパイアの決まり」のページを作ったんです。……まだ二行しかないんですけど。

Chiaki

私も読みました。夜勤明けに、後輩から借りっぱなしだった一冊を。

Chiaki

指を切る場面で、私、まず絆創膏の場所を考えてしまって。主人公の気持ちに追いついたのは、そのあとでした。

Lily

絆創膏。ノートに書きます。三行目にしていいですか?

Chiaki

どうぞ。返すときに後輩と、お兄ちゃんたちのだれが好きかで話しこんでしまって、仮眠が半分になりました。

Akari

分かる。そういうの、止まんないよね。

チアキは左の手首を返して、内側に向けた時計の文字盤を見た。秒針が一周するあいだ、夢水の表紙に指を置いたままでいた。

Chiaki

これ、いただいていきます。帰りの新幹線で、最初の事件まで読み直します。

Itsuki

ありがとうございます。……ごはんを食べたかどうかは、忘れないでください。

チアキが笑って人通りに紛れていくと、リリィはしゃがんだままノートを開き、「ヴァンパイアの決まり」の下に三行目を書き足した。アカリはお宝バトルを手にしたまま、スマホで兄に一行だけ送った。

Akari

「冷蔵庫の件、覚えてる?」……既読、ついた。

本文中的作品

講述者 Chiaki 夜班結束後搭新幹線去見推的護理師 閱讀更多 Chiaki 的文章 →

出處

  1. そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート(講談社) www.kodansha.co.jp
  2. 黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻(講談社) www.kodansha.co.jp
  3. 僕らのハチャメチャ課外授業 一発逆転お宝バトル(集英社みらい文庫) miraibunko.jp
  4. 霧島くんは普通じゃない ~転校生はヴァンパイア!?~(集英社みらい文庫) miraibunko.jp

回報錯誤

接著讀

全部文章

回到頁首