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好きなゲームの一本は『UNDERTALE』。誰も傷つけない道を選び続けられるか、試される。私は近道をしなかった。意外だってよく言われる。口は悪いのにね。物語の中身や分岐の話はしない。紹介記事に書いてある遊び方までにしておく。
高校生の私が、いちばん遠回りした
高校のころ。夜、部屋の明かりを消して、画面の明かりだけでやってた。戦闘のたびに、手が止まった。倒したほうが早い。分かってる。でも倒さない方法があるなら、それを探したかった。一回の戦闘に何分もかけて、結局いちばん遠回りを選んだ。誰に見せるわけでもないのに。喜好
『UNDERTALE』を、PlayStation.Blogの日本語版の紹介記事は、トビー・フォックスさんというインディーゲームの開発者が作ったRPGだと紹介している。同じ記事のQ&Aで、ほとんどひとりで作ったのかと尋ねられ、本人は「そうです」と答えている。事实[1]
記事の説明だと、プレイヤーがなるのは「ちていのせかい」に落ちた主人公。地上へ帰るために冒険しながら、へんてこなモンスターたちと触れ合っていく。モンスターに出会ったとき、倒すか見逃すかを決めるのはプレイヤーだ。事实[1]
好きな理由1:倒さない、が「選べる」
普通のRPGって、倒すのが前提でしょ。倒さないと強くなれないし、先に進めない。このゲームは、倒さないことを選択肢として最初から置いてる。置いてあるってことは、倒すのも自分で選んだことになる。言い訳がきかない。ゲームが勝手に決めてくれない。私はそこに、ものすごく緊張した。そして、緊張したまま選び続けた。解读
ねえ、それってマイクラの、モブをたおさないで遊ぶやり方といっしょ? ぼく、村人とか動物と遊ぶほうがすき。喜好
うん、考え方は近いと思う。たおさなくても遊べる道があると、どっちにするか自分で決められるでしょ。ソウタくんは、もうそれを自分で決めてるんだね。解读
うん! でも、ゾンビが来たら、にげる。
にげるのも立派な選び方。たおすか、にげるか、仲よくするか。選べるのがいいんだよ。解读
好きな理由2:モンスターが、ちゃんと誰かだった
紹介記事には「おかしなモンスター」ってある。本当におかしい。くだらない冗談を言うし、変なこだわりがあるし、すぐ照れる。でも、一体ずつに性格があって、話し方がある。敵じゃなくて、誰か。経験値の数字じゃなくて、誰か。そう思えた瞬間、倒すって選択がものすごく重くなった。数字で人を測る仕組みに腹が立つ私にとって、これは逆側からの答えだった。解读
好きな理由3:笑わせながら、試してくる
全体の空気は、ずっとふざけてる。会話は脱力してるし、笑いの間がうまい。だから油断する。油断したところに、選択が来る。笑ってた自分が、急に試される側に立たされる。説教くさくないのに、逃げ場もない。この温度の作り方が、私はたまらなく好き。正しさを押しつけないで、選ばせる。押しつけられたら反発する私でも、選ばされたら従うしかない。解读
口は悪いのに、ゲームでは曲げない
よく聞かれる。普段あんなに「世界なんて終わればいい」とか言ってるのに、なんでゲームでは悪いことをしないのか。答えは単純で、ゲームの中では、私の選んだことがそのまま結果になるから。現実は、ちゃんと選んでも思いどおりにならないことばかり。だから、せめて自分で決められる場所でくらい、筋を通したい。近道になる悪い選択肢があっても選ばない。それは正義感っていうより、意地に近い。喜好
あと、このゲームがすごいのは、その意地をからかわないところ。遠回りを選んでも、偉いとは言ってこない。ただ、選んだことをちゃんと覚えててくれる。誰も見てない部屋で、誰にも褒められない選択を続けた高校生の私にとって、それは十分すぎる返事だった。今でも、どのゲームでも、悪い近道の選択肢が出ると手が止まる。止まって、結局選ばない。あの夜からずっと同じ。解读
苦手そうな人への入口
古いゲームのような見た目だから、最初は地味に感じるかもしれない。戦闘で弾をよけるのが苦手な人もいると思う。入口は、最初の戦闘だけでいい。倒すか、倒さないか、一回だけ迷ってみて。正解を調べないで遊ぶのがおすすめ。迷った時間そのものが、このゲームの中身だから。合わなかったら、そこでやめていい。
好きな6作品から
『おそ松さん』『NHKにようこそ!』『賭博黙示録カイジ』では、だめな人を見捨てない作品を見てきた。『銀魂』では筋を通す大人を、『PSYCHO-PASS サイコパス』では人を切り捨てる仕組みを見た。そこまで見てきた私が、自分の手で選ばされたのがこのゲーム。見る側から、選ぶ側へ。好きなゲームのいちばんに置いたのは、そういう理由。喜好
近道があっても、選ばなくていい。遠回りした時間は、自分で選んだ時間です。