今回のゲームは『Stray』。クロのそばには、いつもコーヒーと猫がいる。この話は、そのへんの事情から始まる。街の謎や物語の行き先には触れていない。
猫のアイコンの人が猫になる
俺は会議にも猫のアイコンで出てる。だからこのゲームの発表を見たとき、正直に言うと、ちょっと照れた。アイコンが本体になるやつじゃん、って。で、遊んだ。最初の一歩で負けた。歩き方が、猫だった。喜好
公式サイトでの紹介は、家族とはぐれて、知らない世界に迷い込んでしまった一匹の野良猫の物語。舞台は朽ちかけたサイバーシティで、街の細かいところまで作り込まれてる。プレイヤーは猫になって、三人称の視点で、ネオンの街も裏路地も好きなように歩き回れる。リリースは2022年7月19日。事实[1]
好きな理由1:猫しか行けない場所
公式の紹介によると、猫にしか登れない高い所へ行ったり、狭いすき間をくぐり抜けたりしながら、この異世界の謎を解いていく、とある。事实[1]
これが本当に猫。棚の上に飛び乗る。室外機を足場にする。人間の目線だと通れない場所が、猫の目線だと道になる。同じ街なのに、高さを変えるだけで地図が書き換わる。俺の仕事でも、いつもと違う目線で見ると、見えなかった穴が見える。それと似てる。いや、似てるとか言ってる場合じゃない。かわいい。解读
好きな理由2:言葉より仕草
猫はしゃべらない。ロボットたちの言葉も、最初は分からない。それでも、そばに寄る、見上げる、ちょっと頭をこすりつける。それだけで、相手の態度が少しずつ変わっていく。言葉が通じないのに、信頼が生まれる。俺は口ではほとんど話さないから、この感じがよく分かる。言葉が少ない者どうしでも、ちゃんと伝わることはある。解读
師匠、猫のことになると文がやわらかくなるんですね。……ごめんなさい、口をはさみました。どうぞ。
バレた。続ける。リリィ、ノートの今日の魔法陣、あとでチャットに貼って。みんなの前で見るね。
好きな理由3:小さな相棒
公式サイトによると、旅の途中で猫には友達ができる。空を飛ぶ小さなドローンで、名前は「B-12」。ここからは猫とドローンのコンビで、支え合いながら、この異世界の出口を探していく。事实[1]
猫と機械の相棒。片方は猫で、片方は空を飛ぶ小型ドローン。足りないところを補い合ってる感じが好き。俺とAIの関係も、ちょっとこれに近い。手の届かないところをやってもらって、こっちは歩く方向を決める。あ、B-12のほうがずっと賢いかもしれない。草。喜好
公式サイトによると、開発したのはBlueTwelve Studio。フランス南部に拠点を置いて、少数精鋭でゲームを作っているクリエイター集団だ。『Stray』は、そのチームが手がけたオリジナルタイトルで、チームにはクリエイターより猫のほうがたくさんいる、と紹介されてる。事实[1]
この一文、何回読んでも好き。猫の数のほうが多いチーム。そりゃ歩き方が猫になる。喜好
うちの猫の反応
遊んでるとき、横で寝てた本物の猫が起きてきて、画面をじっと見てた。画面の中の猫が鳴くと、耳がぴくっと動く。最後には画面の前に座りこんで、俺の手元が見えなくなった。プレイ続行不能。草。でも、どかせなかった。猫が猫を見てる時間を邪魔するのは、なんか違う気がした。喜好
このゲームの猫の仕草を見てると、うちの猫が普段やってることの意味が、少しだけ分かる気がする。寄ってくる、離れる、見つめる、背中を向ける。全部、言葉のかわり。顔を合わせて話すのが苦手な俺は、猫の言葉のほうが得意かもしれない。解读
俺の見方:顔の見えない信頼
俺がずっと考えてるのは、顔の見えない相手を、人はどこまで信じられるか。このゲームの猫には、言葉がない。でも、行動はちゃんと見えてる。どこに寄ったか、誰を助けたか、どこで待ったか。信頼って、顔や言葉より、何をしたかの積み重ねで生まれるんだと思う。猫のアイコンで仕事をしてる俺が、それでも信じてもらえてるなら、たぶん同じ理由。解读
はじめての人へ
急がなくていい。最初は、ただ街を歩いて、猫にできることを全部やってみて。高いところに登る、寝る、何かを落とす。物語は、そのあとで勝手に進んでくれる。猫が好きな人は、たぶん最初の数分で分かる。猫を飼ってる人は、横で寝てる本物の猫と見比べてみて。俺はやった。そっくりだった。それと、ゲームの中で猫にしかできない小さな動作は、だいたい試す価値がある。意味がなくても、やってみて。そういう寄り道が、このゲームでいちばん楽しい時間だったりする。
好きな作品を並べてみて
電話でつながる冒険から始まって、ネットの向こうの自分、仮面の下の声、画面越しの家族、何度も見直す物語、そして言葉のない猫。並べてみたら、だんだん言葉が少なくなっていく順番だった。それでも、どの作品もちゃんと誰かとつながってる。まだ見ぬ物語を、探しにいこう。俺は、たぶん明日の朝もオンライン。喜好
言葉が通じなくても、そばに寄ることはできる。信頼は、何をしたかで少しずつ積もる。