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二周目

『ピンポン』二周目は手を抜く顔から観る

全11話を観終えてから第1話に戻ると、卓球台の向こうの無表情が、もう同じ顔に見えない。アカリが『ピンポン THE ANIMATION』を観直して見つけた、才能と、やめることと、続けることの話を、ハヤテと。

本文含有直到结局的剧透

范围『ピンポン THE ANIMATION』(TVアニメ全11話)の結末まで。原作漫画のあらすじにも触れます

这是写给看完作品、想在二周目看得更有趣的人的文章。中段展开与结局、真相的细节都折叠起来,点击才会显示。

适合这样的人
『ピンポン THE ANIMATION』を最後まで観た人へ。二周目を、勝ち負けではなく、手の抜き方と、やめることと続けることの見え方から観直したい人に。
剧透范围
会提及结局 『ピンポン THE ANIMATION』(TVアニメ全11話)の結末まで。原作漫画のあらすじにも触れます
发言的人
Akari × Hayate
主张的种类: 事实 作品中的观察 有依据的推测 解读 喜好
目录 共 6 节·约 6 分钟
  1. 放送と作り方の確認
  2. 卓球台の向こうの無表情
  3. ヒーローという言葉が何回出るか
  4. 才能がないと言われたあとの一歩
  5. 台本のない会話のリズム
  6. 最後の試合で数えるもの

『ピンポン THE ANIMATION』を最後まで観た人向けの、二周目の話。展開にかかわるところは畳んである。まだ観てない人は畳んだところは開かないで、観終わったら戻ってきて。聞き手はハヤテ。竜山先生の空手教室を途中でやめた先輩で、私が初対面で「なんでやめたの?」って聞いちゃった相手。この作品、そこがいちばん刺さる話だったから、ハヤテに聞いてほしかった。

放送と作り方の確認

テレビアニメは2014年4月から6月まで、フジテレビの「ノイタミナ」枠で放送された。原作は松本大洋の漫画で、監督は湯浅政明、全11話。事实[1]

Hayate

全11話なら、週末に一気に観られる長さですね。僕は二周目のほうが速く観終わりました。

Akari

私は逆。二周目のほうが時間かかった。止めて巻き戻す回数が倍になったから。喜好

卓球台の向こうの無表情

原作のあらすじでは、顧問の小泉がスマイルの性分を見抜く。才能はあるのに勝つことへの執念がまるでなく、真剣勝負でも相手の気持ちを考えてしまう。ペコとの試合になると、本人も気づかないまま手を抜いている、と。事实[1]

一周目の私は、スマイルを「やる気のない天才」だと思って観てた。正直ちょっとイラついてた。本気でやらないのは、相手に失礼だから。武道でいちばん嫌われるやつ。喜好

でも二周目、スマイルがペコと打つ場面が来るたびに止めて観ると、顔は無表情なのに、球を返す相手のほうばっかり見てるように私には見えた。勝ちたい人の目じゃなくて、相手が気持ちよく打てるかを確かめてる目。手を抜いてるんじゃなくて、手を抜くことで誰かを守ってる顔に見えてきた。解读

Hayate

カートでも、前を走る人の背中ばかり見ていると抜けないんです。抜く気がない人は、ラインが少しだけ外側に逃げる。スマイルの打ち方、それに近い気がします。解读

Akari

それ。外側に逃げてる。二周目はラケットの角度より、スマイルの目線を追ってみて。解读

ヒーローという言葉が何回出るか

原作のあらすじによれば、小学生のころのスマイルは無愛想な子で、まわりからいじめられていた。そのスマイルを助けたのがペコで、彼らのあいだでは、ペコはヒーローだった。事实[1]

これ、一周目はただの昔話として流してた。二周目は「ヒーロー」って言葉が出てくるたびに数えたくなる。誰が言うか、どんな顔で言うか。最初のうちは軽い冗談みたいに聞こえるのに、話が進むほど重くなる。同じ単語なのに、重さが変わっていくのが分かる。解读

中段为止中盤の展開点击展开

この言葉は、各話の題名にも出てくる。第8話が「ヒーロー見参」、第10話が「ヒーローなのだろうが!!」。

あらすじでは、ペコの口から「スマイルが上で呼んでいる」の一言が出る。スマイルがずっと待っていたのは、そのヒーローだった。ペコはそう悟る。一周目は、ペコが立ち直る話だと思ってた。二周目は、待ってた側の話でもあったんだって分かる。スマイルは、ずっと誰かが迎えに来るのを待ってた子なんだと思う。解读[1]

Hayate

ヒーローの話を、言葉の数から観るのは考えたことがなかったです。二周目は、誰が言ったかをメモしながら観てみます。

才能がないと言われたあとの一歩

私がずっと気になってるテーマが「才能がないと言われた後の一歩」。この作品は、そのど真ん中を通ってる。しかも一人じゃなくて、何人もの「その後」を並べて見せる。一周目は主人公二人のことしか見てなかったけど、二周目は脇にいる人の「その後」のほうが気になる。負けた試合のあと、その人がどこへ帰っていくか。帰り道の場面があったら、そこで一回止めてみて。喜好

中段为止中盤の展開点击展开

あらすじでは、アクマはこつこつ努力を積み、対戦相手の研究も重ねてきた。それでもスマイルに負け、卓球の才能がないからだ、とばっさり言われる。この一言がペコの胸にも刺さる。ペコは自分のラケットを、学校の焼却炉にくべてしまう。すっかり落ちこんだペコを励ましたのは、久しぶりに道場へ顔を出したアクマだった。

二周目に観ると、いちばん「才能がない」と言われた本人が、いちばん先に誰かの背中を押してる。私はここで毎回止める。言われた側が腐らないで、自分じゃない人のために動く。それができる人が、本当は一番強いと思う。解读[1]

Hayate

……少し、耳が痛いです。僕は空手をやめたとき、誰にも理由を言いませんでした。

Akari

知ってる。でもハヤテはカートを続けてるじゃん。やめた場所と、続けてる場所は別でいい。この作品、言われたあとに何をしたかを、何人ぶんも並べて見せてくれる。解读

Hayate

言われたあとに何をしたか。……メカニックの目で見ても、そこはいちばん大事なところです。止まったあとに何を直したかで、次の周回が決まるので。解读

台本のない会話のリズム

このアニメには、最初から脚本というものがない。監督の湯浅政明が自分で絵コンテを描くところから始めて、台詞なども、その段階で決めていく。事实[1]

これを知ってから二周目を観ると、会話の間(ま)が気になってくる。誰かが言いかけてやめる。返事がすぐ来ない。台詞が絵と一緒に生まれたんだと思うと、黙ってる時間も台詞の一部に見える。特に試合の前後の、何も言わない数秒。解读

Hayate

黙っている数秒、分かります。スタート前のグリッドって、誰もしゃべらないんです。でも全員、頭の中ではもう一周走っている。喜好

Akari

試合前の礼と同じだ。礼してから構えるまでの何秒か、道場もしーんとする。あそこで勝負の半分は決まってる気がする。この作品の黙ってる時間は、その何秒かをずっと引き伸ばしてる感じ。解读

Hayate

引き伸ばされた何秒か。……二周目は、しゃべっていない人の手元を見てみます。ラケットをどう持ち直すか、とか。

Akari

二周目は、試合中より、試合の前に誰が誰に声をかけてるかを見てほしい。一周目は聞き流してた短い一言が、二周目には、その人がそれまで何を見てきたかの答えに聞こえる。解读

最後の試合で数えるもの

结局·真相結末点击展开

あらすじでは、決勝は片瀬高校の二人、ペコとスマイルの対決になる。ペコは膝を痛めているけれど、スマイルは少しも手を抜かない。その前の準決勝では、ドラゴンがペコと戦いながら喜びを見せる。強者としての重圧と主将の責任を背負って、卓球を憎みさえしていたドラゴンが。

ここで第1話に戻ってほしい。最初に手を抜いてた相手に、最後は手を抜かない。手を抜くのが優しさだった子が、手を抜かないことで相手を認める。二周目の私は、ここで焼きそばの皿を脇に寄せて、画面の前まで詰めた。解读[1]

结局·真相その後のこと点击展开

原作のあらすじは、5年後のことまで描いて終わる。ペコはドイツのプロリーグに行き、スマイルは小学校の先生を目指しつつ、道場でジュニアを教えている。

二周目に観ると、スマイルが教える側に回ってるのが、すごくしっくりくる。相手が気持ちよく打てるかを見てた子だから。手を抜く癖は、教える才能だったのかもしれない。解读[1]

Hayate

最後の試合のあとまで観ると、一周目とは違う人が気になってきますね。僕は二周目、主人公じゃない人のほうばかり目で追っていました。喜好

Akari

分かる。二周目って、脇にいる人の顔がどんどん大きくなるんだよね。

二周目は、スマイルがペコと打つ場面が来たら目線を追う。勝ちたい人の目か、相手を見てる人の目か。そこが分かると、最後の試合の見え方が変わる。

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