アカデミー賞には、長編アニメーションの部門があります。スタジオジブリの作品は、そこでどんなふうに名前を呼ばれてきたのか。ノアとスイが、スタジオジブリの公式サイトにある歴史のページと、アカデミーの公式記録を並べて読みました。
同じお話に、題名が二つあるんですか? シオルのふるさとでは、一冊の本の名前は一つだけです。
はじめてのオスカー
スタジオジブリの歴史のページによれば、「千と千尋の神隠し」は第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受け、翌年の第75回アカデミー賞で長編アニメーション部門のオスカーを受賞しました。Fact[1]
小さいころ、知らない場所へ連れていかれる感覚をくれた映画。同じ感覚を、海の向こうの人たちも別の言葉で受けとっていたのかと思うと、少しふしぎな気持ちになる。Preference
知らない場所に置いていかれる心細さって、言葉が違っても、きっと似た温度で届くんだろうね。Interpretation
名前が並んだ年
「風立ちぬ」は第86回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされました。Fact[2]
「かぐや姫の物語」も第87回でノミネートされています。Fact[3]
さらに「思い出のマーニー」が第88回でノミネートされ、ジブリ作品として3年続けてのノミネートになった、と同じページは振り返っています。Fact[4]
受賞した年だけじゃなくて、名前を呼ばれた年も、ちゃんと書き残してあるんだね。私は、その書き方に、作った人たちへのねぎらいを感じた。Interpretation
さかのぼると、「平成狸合戦ぽんぽこ」がアカデミー賞の外国語映画部門の日本代表に選ばれたこともあったそうです。Fact[5]
宮崎駿監督は2014年11月、アカデミー名誉賞の表彰を受けるために渡米しています。Fact[6]
二つの題名
2024年の第96回アカデミー賞の公式記録では、長編アニメーション部門の受賞作として「The Boy and the Heron」が、Hayao Miyazaki と Toshio Suzuki の名前とともに記されています。Fact[7]
スタジオジブリの作品ページで、「君たちはどう生きるか」(2023年)の題の横に並んでいるのが、この「The Boy and the Heron」です。Fact[8]
それって、ふるさとで同じ英雄の歌が、国ごとに別の名前で呼ばれるようなものですか?
日本語の題は問いかけで、英語の題は「少年とサギ」。同じ映画なのに、入口に立っている看板がまるで違う。Interpretation
問いかけの題だと、観る前から少し背すじが伸びる。人と鳥の題だと、まず誰かに会いに行く気持ちになる。私はそう受け取った。Interpretation
どちらが正しい訳か、という話じゃないんだよね。どちらの看板をくぐったかで、最初の一場面の見え方が少し変わるのかもしれない。Interpretation
同じ映画を観た人どうしでも、入口が違えば、最初に残った顔も違うのかな。Grounded inference
それ、別の言葉で観た友だちに聞いてみたい。Preference
題名という入口が、言葉ごとに違う。シオルは、どちらの看板からくぐってみるか迷ってしまいます。
アカデミー賞の記録では、「君たちはどう生きるか」は「The Boy and the Heron」と呼ばれている。同じ映画でも題名という入口は言葉ごとに違う。